日沿道待望の延伸へ　20年12月13日　秋田、山形県で相次いで開通

国土交通省等が事業を進めている日本海沿岸東北自動車道（延長約３２２㌔）のうち、秋田県と山形県の各区間が昨年12月13日開通した。秋田県区間は蟹沢ＩＣ～大館能代空港ＩＣ間の延長５．３㌔、山形県区間は酒田みなとＩＣ～遊佐比子ＩＣ間の延長５．５㌔。今回の開通で、日本海側のミッシングリンク解消へ前進したほか、産業集積や観光振興などの促進が期待される。

秋田県区間・蟹沢～大館能代空港間　地方創生の拠点に期待

秋田県区間、蟹沢ＩＣ～大館能代空港ＩＣ間の開通式が、秋田県、北秋田市、東北地方整備局共催で午前11時から北秋田市内で開催され、赤羽一嘉国土交通大臣をはじめ佐竹敬久秋田県知事、地元選出国会議員など約60人が出席した。

式典の中で赤羽大臣は「日沿道は、日本海沿岸地域の広域連携や物流を支える重要路線だ。大館能代空港は高速道路のＩＣに直結する利点を生かし、北東北への誘客や観光の振興、地方創生の拠点として大いに期待されており、羽田空港からの増便も決定している」と、今後もミッシングリンク解消に向け、道路整備を推進する意欲を語った。

佐竹知事は「今回の開通により、住民の利便性の向上や救急医療体制の充実が図られる。重要物流道路に指定されている本路線は、災害時における救助・救援活動や物資の輸送にも大きな役割を果たす。更なる産業集積や観光振興にも大きく寄与するだろう」との期待を述べた。

今回開通した５．３㌔のうち、大館能代空港ＩＣから１．７㌔は、鷹巣大舘道路の接続区間として国土交通省が整備し、残る３．６㌔は、県が早期完成のため既存道を一部活用し、鷹巣西道路として整備を進めてきた。これで東北自動車道小坂ＪＣＴから蟹沢ＩＣまで42.５㌔がつながった。

山形県区間・酒田みなと～遊佐比子間　県内の高速道路整備率78％に

今回開通した山形県区間、酒田みなとＩＣ～遊佐比子ＩＣ間は、09年度に事業化され、国土交通省が整備を進めている酒田みなと～遊佐鳥海12㌔区間の一部。残り区間、遊佐鳥海までは23年度、秋田との県境区間は26年度に開通予定となっている。今回の開通により広域観光促進や、重要港湾酒田港へのアクセス強化による物流の効率化、救急搬送時間の短縮といった効果が期待される。

山形県と酒田市、遊佐町、東北地方整備局共催の開通式が、午前11時30分から酒田みなとＩＣ付近で行われた。吉村美栄子山形県知事、県内庄内地域の首長のほかにも、沿線の秋田県にかほ市、由利本荘市の首長や、地元選出国会議員ら約60人が出席した。

式典では吉村知事が「高速道路は、あらゆる分野に大きな影響を及ぼすものであり、強い思いで取り組んできた。今回の開通で県内の高速道路整備率は78％になる。庄内地域の経済活性化や交流人口の拡大に大きく寄与するものだ」と期待を述べた。

丸山至酒田市長は「鳥海山・飛島ジオパークの広域観光振興に大きな弾みとなる」と挨拶した。

テープカット、くす玉開披に引き続き、車両約50台で通り初めを行い、午後３時から一般車両に開放された。