徳島県の阿南商工会議所(兼松功会頭)、小松島商工会議所(安平剛之会頭)、四国はひとつ〝阿波のみち〟女性フォーラム実行委員会(新居洋子実行委員長)の3団体は9日、国土交通省の山田邦博技監と渡辺学官房審議官に対し、「徳島南部自動車道・阿南安芸自動車道の早期整備」を求める要望活動を行った。
コロナ禍を考慮し、オンライン形式で行われた要望では、今年3月21日に開通した徳島南部道・徳島沖洲~徳島津田間の南北に残るミッシングリンク解消と県南のネットワーク連携を進めるために、「防災・減災、国土強靱化のための5か年対策」を含む当初予算の総額確保と予算拡大、未事業化区間の早期整備を要請。事業中区間についても「小松島IC~阿南IC間の開通目標公表」、「立江櫛渕IC~阿南IC間の先行供用」を求めた。
モニターを介し面談した兼松会頭は3月の開通区間に触れ「窓を開けて走りますと海の香りと初夏の風が感じられ本当にありがたいが、遅れている県南地域の高規格道路整備を進め、〝命の道〟として活用できるようご尽力いただきたい」と述べ、安平会頭も「県南部に存在するミッシングリンクが企業誘致、観光振興、地場産品の販路拡大など様々な地域格差を生じさせている」と実情を報告した。
また新居委員長は、フォーラムの開催など約20年にわたる高速道路推進に向けた草の根活動を振り返り「私たちは子や孫世代へ素晴らしいインフラを残す責任がある。全国最下位級のわが地域に特段の配慮を」と訴えた。
かつて内閣官房国土強靱化推進室次長を務めた山田技監は「平常時だけでなく、防災・減災面からも高速道路は必要と思う」と返し、「整備は最下位級とのことだが、人の熱意は日本一ですね」と笑顔で応じた。一方、渡辺官房審議官は「予算については財務省にも力強い思いを訴えていただきたい。開通目標についてはできるだけ早く公表できるよう努めたい」と語った。