[caption id="attachment_13066" align="alignleft" width="300"] 東京本線料金所前の滞留状況(R2.12.23午後11時58分撮影)[/caption]
国土交通省とNEXCO3社は1月20日、料金所付近や休憩施設で発生している、深夜割引適用待ち車両の渋滞解消に向け、現行の「高速道路深夜割引」の時間帯や割引率を大幅に見直す方針を固めた。2024年度中を目途に運用を開始する予定。
現行の深夜割引は、ETC搭載の車両で午前0時から午前4時までの間、高速道路を少しでも走行すれば、その後全ての走行分も30%割引が適用されるため、首都圏や近畿圏の料金所などで深夜割引適用待ちの車両の滞留が頻繁に発生し、ドライバーの深夜労働による環境悪化などが問題視されていた。これらの課題を踏まえ、見直しに関する検討を行った結果、深夜割引適用時間帯に走行した分のみ30%割引とし、深夜割引適用時間帯を午後10時から翌午前5時までに拡大する。
深夜割引の見直しにあわせ、長距離利用の通行料金負担を軽減するため、400㌔を超える走行を対象に、走行距離が長くなるほど利用料金を割引する「長距離逓減制」を拡充。現行は100㌔以上~200㌔までは25%、200㌔超以降については一律30%割引だが、これをさらに拡充し、400㌔以上からも割引率を強化。400㌔以上で40%、600㌔以上で45%、800㌔以上で50%の割引が適用される。割引額は、現行と同様にETCマイレージサービス、ETCコーポレートカードのポイント(還元額)として後日付与される。
NEXCO3社は「今後、割引対象距離を増大させるため懸念される『速度超過』などの無謀運転を未然に抑制し、割引対象距離に上限を設けるなどの対応を引き続き検討していく」とし、運用開始後、新たな交通集中を抑制するため、1000㌔以上走行した場合、1000㌔を超える部分を割引対象走行分に追加するなど、「激変緩和措置」を5年程度実施する予定。