国土幹線道路部会 今夏に方向性まとめ 高規格道路ネットワークのあり方

国土交通省は、高規格道路を含む全国的な広域道路ネットワークのあり方について検討を進める。今夏にも閣議決定する次期国土形成計画=2面関連記事掲載=策定に向けた議論を見据え、全国の高規格道路ネットワークについて再検討する。ネットワークに求められる機能や役割等を整理し、高規格道路を含む広域道路ネットワークのあり方について議論を重ね、今夏にも方向性を取りまとめる方針だ。

社会資本整備審議会道路分科会の国土幹線道路部会(部会長=朝倉康夫東京工業大学名誉教授・神戸大学名誉教授)が10日、国交省内で行われ、方向性の検討をスタートさせた。成果は「高規格道路をはじめとする広域道路ネットワークのあり方」(仮称)としてまとめる。

高規格道路のネットワークや国土形成、土地利用などが整合した全国規模の構想は、1987年に閣議決定された第4次全国総合開発計画が最終。1994年に都道府県・政令市ごとの「広域道路整備基本計画」を策定する枠組みが創設されてから、地域高規格道路等の整備構想は地方整備局や都道府県、政令市が主体となって議論してきた。

これら計画が策定から20年以上経過し、時代に即した広域道路ネットワークの計画が必要なことから、2021年7月までに都道府県や政令市、各地方整備局が今後20~30年間を見据えた広域道路交通計画を策定した。同計画では、高規格道路と地域高規格道路等を広域道路に定め、今後検討を進める路線候補を示している。

これと併行する形で、国土審議会での次期国土形成計画の策定に向けた議論が進められている。7日に示された次期計画の骨子案では、目指す国土構造として「シームレスな拠点連結型国土」を提唱。新東名・新名神高速道路とリニア新幹線等で繋がる3大都市圏を「日本中央回廊」と定義した上で、回廊と周辺地域を結ぶ高規格道路などの交通インフラを強化し、地方活性化や国際競争力強化を図っていく方針が示された。

国土幹線道路部会では、こうした経緯を確認。今後の普及が見込まれる自動運転への対応や道路分野のカーボンニュートラルに向けた取組の推進等の必要性も指摘された。

今後、部会では次期国土形成計画の方向性や地方ブロックごとに策定された広域道路ネットワーク計画を踏まえ、高規格道路等の広域道路の必要性や効果、利用促進の取組、高規格道路の手続きについて議論を重ねていく方針だ。

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