国土交通省は3月15日、第8回道路技術懇談会を開き、2023年度の新技術導入促進計画案を示した。新たに導入する技術テーマとして「道路構造物の計測・モニタリング技術」「災害時に遠隔で道路を巡視できる技術」の2件を掲示。今後、導入促進機関の公募や、ガイドライン案の作成を進める。
「道路構造物の計測・モニタリング技術」は、地震発生時の車両通行の可否や、構造物の耐荷力不足の兆候などを早期に検知するため、遠隔で道路構造物の状態を把握できる技術を求める。リクワイアメント(要望事項)案には①低コストで、設置・計測が簡易②計測する機器自体のメンテナンスが不要・簡易③交通荷重や災害、自然環境に対する耐久性――の3点が挙げられた。
「災害時に遠隔で道路を巡視できる技術」では、ドローンなど管理する道路を遠隔巡視できる機器の情報を収集し、実地検証等を踏まえて使用可能なものをリストアップする。リクワイアメント案には①天候に左右させずに状況把握が可能②管内に渡って状況把握が可能(ドローンであれば十分な航続距離)③職員が現地に赴く必要なく遠隔で状況把握が可能(ドローンであればレベル4飛行)④停電時にも通信(関係者との画像等の情報共有)が可能――の4点が設定された。
導入促進機関を公募するのは新規2テーマのほか、「橋梁の点検支援技術」「トンネルの点検支援技術」「広域で安定供給可能なアスファルト舗装技術」「超重交通に対応する長寿命舗装技術」「土工構造物点検及び防災点検の効率化技術」の継続テーマ5件で、事業期間は26年3月31日まで。
懇談会では23年度から現場実装を進める新技術が示された。対象は「直轄国道における点検支援技術の活用原則化拡充」「横断歩道橋の床版技術」「新たな道路照明技術」「繊維補強コンクリート床版技術」「はく落の発生抑制と予兆を発見しやすい覆工技術」「防災拠点の耐災害性を高める技術」「除雪機械の安全性向上技術」「ICT・AIを活用した道路巡視の効率化・高度化技術」「橋梁工事における新技術の足場の活用促進」「無電柱化の低コスト技術」の10件。
このうち、橋梁工事における新技術の足場活用では、23年度から直轄橋梁工事で、工事契約後に受注者が現場状況を踏まえ、施工性や工期、安全対策の確実性などを比較検討した上で工法を選定することを原則化する。