山陰道2区間・開通3カ月で効果 開通区間と国道9号の断面交通量1〜2割増

国土交通省松江国道事務所(三浦倫秀所長)はこのほど、3月9日に開通した山陰道の大田・静間道路(延長5㌔)、静間・仁摩道路(延長7・9㌔)総延長12・9㌔について、開通3カ月後の整備効果を発表した。山陰道と並行する国道9号の断面交通量の増加や出雲市方面からの観光客の増加、地域の物流や救急搬送活動の支援など多くの整備効果があったことがわかった。

開通以降の交通量を見ると国道9号のみだった数値と比べると、大田・静間道路と国道9号を合計した断面交通量は1万9200台/日と開通前より約1割増加。内訳は大田・静間道路が5700台で推移した一方、国道9号が2割減の1万3500台。
同じく静間・仁摩道路と国道9号合計の断面交通量は1万1000台/日で約2割増加した。内訳は静間・仁摩道路が6300台/日、国道9号は5割減の4700台となり、いずれも全体交通量が増えつつ、国道9号から山陰道への交通転換が進んだ状況が示された。

仁摩・石見銀山IC付近の「道の駅ごいせ仁摩」では、特に出雲市方面や広島方面からの利用客が増加し、石見銀山や出雲大社など周辺の観光地へ立ち寄る観光客が増加。同道の駅へのヒアリング調査によると「出雲市方面からのお客様が増え、来客数が増加傾向にある。山陰道ができて取り扱う特産品の増加や生鮮商品が売りやすくなった」との声があった。

また、国際標準コンテナ車の通行時に、通行条件が課される国道9号のトンネル4カ所を回避でき、円滑な物流活動が可能になったほか、出雲市方面へのアクセス性が向上し、大田市温泉津支所から第三次救急医療機関への所要時間が約11分短縮。急カーブがない山陰道の利用により、搬送による患者への負担軽減など救急搬送活動を支援。さらに利用交通が山陰道に転換したことで、国道9号の事故危険箇所を回避でき、同国道の死傷事故件数は5月末時点で0件になるなど、快適で安全な走行が可能となった。

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