国土交通省紀南河川国道事務所はこのほど、9月の開通を予定していた紀勢自動車道の南紀白浜IC(和歌山県西牟婁郡白浜町)~すさみ南IC(同すさみ町)(延長24㌔)間を、秋の行楽シーズンやわかやま国体を前に、30日午後3時に開通すると発表した。開通に先立ち、午前11時15分から、すさみIC付近で開通式典を開催する。
近畿自動車道紀勢線の一部を担う延長38㌔の紀勢自動車道(田辺~すさみ)のうち、南紀田辺IC~南紀白浜IC間(延長14㌔)は先月12日に開通。今回の開通で、紀勢自動車道は全線開通となる。総事業費は2177億円。
紀伊半島南部の幹線道路は国道42号しかなく、被災による孤立地域の発生が懸念。本路線の現道区間である同国道では、越波、大雨、土砂崩壊による通行規制を過去10年間で49回実施している。この全線開通で、代替ルートが確保され、災害時の信頼性が格段に向上。紀伊半島の「くしの歯の根本」になり、救急車等の緊急車両の迅速な救助・復旧活動を支援する。
三次救急医療施設までの救急搬送時間は約30分短縮し、同国道の線形不良区間を通らず、安定した搬送が可能となる。
また、多くの観光資源を抱える紀南地方がより身近になり、観光レジャー活性化により、地域経済の好循環が期待される。