暫定2車線付加車線 検証路線選定へ 常磐道4車線化7日付で整備計画変更

国土交通省は7日、高速道路の暫定2車線区間のうち、IC合流部分など速度低下が起きやすい箇所に付加車線を試行的に設置して検証する付加車線設置検証路線として4路線5区間を選定した。併せて、3月に計画が公表されていた常磐自動車道のいわき中央IC~広野IC間27㌔、山元IC~岩沼IC間14㌔の計41㌔の4車線化について、整備計画を同日付で変更。会見で石井啓一国交相は「復興・創生期間内の概ね5年で完成を目指し事業に着手する」と語った。

暫定2車線区間の付加車線については、国交相の諮問機関、社会資本整備審議会道路分科会で設置基準案を議論。これに基づいて今回選定された4路線は、岐阜・富山県内の東海北陸道・飛騨清見IC~小矢部砺波IC、岡山・鳥取県内の岡山米子道・賀陽IC~北房JCTと蒜山IC~米子IC、徳島県内の徳島道・徳島IC~川之江東JCT、愛媛県内の松山道松山IC~大洲IC。

利用交通量が一定以上あり、ETC2・0データで把握した路線内の速度分布で速度低下率が25%以下となった区間の多い路線を抽出した。

今後、公表した各路線において、サグ部やIC合流部等で速度低下が顕著な区間を対象に、付加車線設置に向けた検討と設計・整備を経て試行を開始。そこでの効果確認を行うとともに、必要ならば適宜基準案の見直しも行い、暫定2車線区間の安全性や走行性の確保によるサービスの向上に役立てていく方針。

また同日には、3月に計画が公表されていた常磐自動車道・いわき中央IC~広野IC間27㌔、山元IC~岩沼IC間14㌔の計41㌔の4車線化事業に向け整備計画の変更が行われ、翌8日、道路整備特別措置法第3条に基づき、事業者のNEXCO東日本に対し石井国交相が事業許可した。

常磐自動車道のいわき中央~岩沼間(延長128㌔)は暫定2車線区間となっており、早期復興、被災者支援等のためにも早期拡幅は喫緊の課題となっている。今回、4車線化される2区間を除く広野~山元間については今後、必要な箇所に付加車線を設置して対応していく。

なお、同じ8日には阪和道・御坊IC~印南IC間10㌔、長崎道・長崎IC~長崎芒塚IC間3㌔について、事業者のNEXCO西日本は大臣より事業許可を受けた。

付加車線設置の検証路線一覧

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