高速道路一時退出「賢い料金」取組み 全国17カ所の道の駅で追加実施

石井啓一国土交通大臣は9月26日、高速道路を降りて一般道の道の駅で休憩した後、高速に乗り直しても降りなかった場合と同じ料金を適用する取り組みを拡大することを発表した。試行する場所として全国17カ所の道の駅を追加=別表参照=。年度内に順次開始する方針だ。

現在、日本の高速道路では、休憩施設同士の間隔が概ね25㌔以上離れている空白区間が約100区間存在している。この空白区間を半減することを目指し、高速道路から一時退出を可能とする「賢い料金」施策が進められている。

対象となるのは、次世代型自動料金収受システム「ETC2.0」の搭載車。最寄りのICを乗り降りし、1時間以内に戻るのが条件。前後の休憩施設が概ね25㌔以上、かつICからの距離が概ね1・0㌔以内の道の駅17カ所が今回選定された。

この道の駅への一時退出については、既に関越道・高崎玉村スマートIC最寄りの玉村宿(群馬県玉村町)、新東名・新城IC最寄りのもっくる新城(愛知県新城市)、山陽道・徳山西IC最寄りのソレーネ周南(山口県周南市)の3カ所で試行している。

そこでの利用者から行った調査では、利用者の多くが「休憩施設の選択肢が増えて良い」(85%)、「高速道路SA・PAの混雑が避けられる」(59%)と評価。最寄ICまでの距離は玉村宿0・5㌔、もっくる新城0・2㌔、ソレーネ周南0・7㌔だが、今回の実験利用者のうち約8割が「IC~道の駅間が1㌔未満であれば利用する」と回答した。

また、道の駅の利用目的は8割の回答があったトイレのほか、食事、給油、特産品等の購入の利用意向が強いことが示された。

こうした結果を踏まえ、石井国交相は9月26日の閣議後会見で「高速道路の良好な運転環境により安全を確保するとともに、労働生産性の向上を図るため、休憩施設の確保を行うことが重要」と、高速道路の一時退出実験の取り組みについて説明。「新たに17カ所の道の駅を追加し、引き続き検証を行う。今後調整を進め、今年度内に開始する」とした。

■今回追加選定された道の駅17カ所(PDF)

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