NEXCO東日本は、高速道路の長期的な安全・安心の確保に向け最先端技術を導入し、生産性を飛躍的に向上させるプロジェクト「スマートメンテナンスハイウェイ(SMH)」の取り組みを加速させる。
9月27日の会見で、維持管理データを効率的に活用する「インフラ管理モード」「橋梁モード」を備えたユーザーインターフェースの一部システム開発が完了したことを説明した廣瀨博社長は「先行開発したSMHモデル事務所の佐久に加え、今年度下期から札幌、盛岡、郡山、三郷、湯沢の5管理事務所へ展開する」との方針を示した。
「インフラ管理モード」は位置情報を用いて各種システム間を横断的に検索し、道路や構造物の諸元情報、点検情報、構造物管理情報などの各種情報を取得・表示する。
「橋梁モード」は橋梁の諸元情報、点検記録、健全度などのデータや過去の工事記録などの情報取得・閲覧に加え、損傷レコードからから補修計画の立案や道路管理指標の分析など、橋梁の点検から補修までの業務プロセス全体を支援する。
今後は、現場ニーズの高い「舗装モード」「危機管理モード」など順次新たなモードを開発し、18年度の試行検証を目指す。
SMH基本計画は▽ICTを活用したインフラ監視や現場業務の効率化▽現場業務負担の改善を図りSMH業務プロセスを確立▽更新・修繕工事の施工技術開発及び調達方法――など5つのテーマを設定。このうち、▽次世代RIMS(道路保全情報システム)の構築による分析・評価の高度化▽業務プロセスと整合したアセットマネジメントの高度化――の2テーマについては、20年度の全社展開を目指している。
廣瀨社長は「今回の取り組みは総合的なインフラ管理への挑戦を目指した一里塚であり、更なるステップアップに向け進化していく」と語った。