高速道路復旧に全力 10日に山陽道全線で緊急輸送可に
8日に記録的な大雨を記録した西日本豪雨。被害は九州から東海の広範に及び、死者数は12府県で計130人(10日現在)に上った。鉄道、道路網などインフラも多大な被害を受けたが、緊急輸送など現場支援に向け現在、高速道路の復旧作業が懸命に行われている。9日には中国道が復旧し、山陽道のリダンダンシー効果を発揮した。
NEXCO西日本によると、西日本豪雨による災害箇所は39箇所=別掲=。このうち、重篤被災箇所は山陽道・河内IC~本郷IC(土砂流入)、山陽道・志和IC~広島東IC(土砂流入)、中国道・新見IC~北房IC(のり面崩落)、高知道・新宮IC~大豊IC(土砂流入に伴う橋梁上部工流出)、九州道・新門司IC~小倉東IC(のり面崩落)、東九州道・椎田南IC~豊前IC(のり面崩落)の6箇所。
NEXCO西日本では、復旧に向け24時間体制で作業にあたり、9日には中国道全体で通行止めを解除。翌10日には山陽道・本郷IC~河内IC、東広島呉道路・高屋JCT~阿賀ICの通行止めが解除されたほか、山陽道の重篤被災箇所を含む広島IC~河内ICにおいて緊急車両に加え、救援物資等を輸送する車両を通行可能とする運用を開始。これにより、山陽道全線を緊急輸送に活用できるようになった。
10日現在、中国地方の通行止め延長は、発災直後の最大847㌔から101㌔にまで縮小。NEXCO西日本では、その他の重篤被災箇所も含め、全線復旧に向け、懸命な作業を続けている。
【災害箇所】
新名神/被災1箇所(のり面崩落1箇所)▽京奈和道/被災1箇所(のり面崩落1箇所)▽舞鶴若狭道/被災1箇所(土砂流入1箇所)▽山陽道/被災9箇所(のり面崩落2箇所、冠水1箇所、土砂流入6箇所)▽山陽道宇部下関線/被災1箇所(のり面崩落1箇所)▽中国道/被災6箇所(のり面崩落6箇所)▽岡山道/被災3箇所(のり面崩落3箇所)▽広島呉道路/被災1箇所(のり面崩落1箇所)▽米子道/被災1箇所(のり面崩落1箇所)▽関門道/被災2箇所(のり面崩落2箇所)▽関門トンネル/被災1箇所(のり面崩落1箇所)▽高知道/被災3箇所(のり面崩落2箇所、橋流出1箇所)▽九州道/被災5箇所(のり面崩落3箇所、冠水1箇所、土砂流入1箇所)▽東九州道/被災2箇所(のり面崩落2箇所)▽長崎道/被災2箇所(のり面崩落2箇所)