国土交通省は10日、高速道路の中長期的な整備方針を示した「高速道路における安全・安心基本計画」を公表した。有料区間の暫定2車線区間を今後10~15年で半減させ、長期的には解消していく方針が示され、財源確保のため料金徴収期間の延長や料金引き上げによる利用者負担等についても検討する考え。29年までに逆走車による重大事故ゼロが掲げられたほか、災害対策では24年度までに、大雨の通行止めについて新基準を導入することも盛り込まれた。
暫定2車線区間は、速度低下での渋滞や事故による通行止めが発生するリスクが4車線に比べ大きい。現在、有料の暫定2車線区間は現在約1600㌔あり、このうち優先的に整備すべき区間として既報の通り約880㌔が選定された。残りの区間も正面衝突事故を防ぐため、23年度までに土工部にワイヤロープを設置する。
4車線化の財源確保に向けて、同計画では有料区間について「料金徴収期間の延長や料金の引上げによる利用者負担等を含め、新たな財源確保策を講じる必要がある」と明記。無料区間については、負担の公平性や将来の維持管理に係る税負担を軽減する観点から、「関係自治体から意見を聴取した上で、利用者負担による整備について検討を進める」として、有料事業の導入も視野に入れていくことも示された。
暫定2車線区間における優先整備区間の選定について
全高速会長(高知県知事)尾﨑 正直
このたび、有料の高速道路の暫定2車線区間約1600㌔のうち優先的に4車線化を進める区間として約880㌔の区間(122区間)が選定されましたこと、心より感謝申し上げます。
全高速では、高規格幹線道路網1万4000㌔の早期整備に加え、暫定2車線区間の4車線化の早期実現についても、各方面に強く訴えてきたところであり、これまでの活動が実を結んだものと実感しております。
この4車線化により、利用者の安全性や定時性、快適性等が格段に向上するとともに、災害に強い道路ネットワークが構築され国土強靱化に大きく貢献するものと考えます。
今後、全高速としましても、今回選定された区間の整備が着実に進められ、暫定2車線区間が早期に解消されるよう、引き続き、取り組んでまいります。