全高速第56回総会書面で開催 新型コロナ対応のため

道路予算の拡大・所要額の確保を決議

全国高速道路建設協議会(会長=村井嘉浩宮城県知事)は6月19日、第56回総会を書面にて開催した。新型コロナ感染拡大防止の観点から書面開催としたもので、19年度事業報告案・決算案、20年度事業計画案・予算案を原案通り可決した。

事業計画案では、頻発する自然災害等から国民の安全・安心を守るため、高規格幹線道路網1万4000㌔の早期完成、暫定2車線区間の早期4車線化等は不可欠であり、所要予算の確保に努めていくことを確認。今後の要請活動の強化のため、鈴木英敬副会長(三重県知事)を筆頭副会長に選任することを決めた。

 

全高速第56回総会決議


高規格幹線道路網1万4000㌔は、我が国の産業発展に資するとともに、大規模災害時における広域支援ルートとして国民の命を守る社会資本の要である。

5月25日、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が、約1カ月半ぶりに全面解除され、これからは、次の感染の波を抑止しつつ、社会経済活動を段階的に引き上げていく新たなステージ「WITH・コロナ」に入った。我々は、コロナを乗り越え「地域から日本を再生する」新たな時代を創っていかなければならない。

今こそ、サプライチェーンの多元化、国内外からの観光需要の回復、人口の過度の偏在の緩和等により、全国各地が感染症の脅威にも強くしなやかに対応し持続的に成長できる新次元の分散型の国土を創出していくことが必要不可欠である。

このため、利用の信頼性と安全性が高い高速道路ネットワークの構築に向け、全国高速道路建設協議会では、地方の総意として、次の事項を強く要望する。

一、高規格幹線道路網1万4000キロメートルの早期整備

一、事業中区間の整備スピードアップと開通時期の早期提示

一、未事業化区間の計画段階評価などの速やかな実施と早期事業化

一、「高速道路における安全・安心基本計画」に基づき、暫定2車線区間の4車線化や正面衝突事故防止対策、逆走対策をはじめとする安全対策の早期実現

一、暫定2車線区間の4車線化について、優先整備区間の着実な整備とともに、残る区間の4車線化の早期実現及びそれらのために必要な財源の確保

一、物流の主要幹線である新東名・新名神の6車線化とともに、休憩施設の拡充や連結トラックなどの駐車マスの整備等による機能強化

一、跨道橋等の横断構造物も含め、高速道路ネットワークの耐震強化

一、大規模更新・大規模修繕の計画的な実施

一、大都市周辺の恒常的な渋滞区間におけるピンポイント渋滞対策等の実施

一、アクセス道路を含めたスマートICや民間施設直結スマートICの整備、一時退出サービスの拡充、SA・PAの整備・防災拠点化など地域との連携

一、自動運転の普及・促進に向けた道路側からの支援

一、国が管理する無料の高速道路における維持管理を確実に実施するための予算の確保

一、防災・減災、国土強靭化のための3カ年緊急対策の継続及び対象事業の拡充

高速道路ネットワークの整備及び暫定2車線区間の4車線化、頻発する災害に備えた防災・減災対策、老朽化対策を含め、長期安定的に道路整備・管理が進められるよう、新たな財源を創設するとともに、令和3年度予算では道路関係予算を拡大した上で、所要額を確保すること。

 

令和2年6月

全国高速道路建設協議会

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