「安全・安心計画」策定へ 新たな財源確保で4車線化等を目指す

4日の国土幹線道路部会では「暫定2車線区間における優先整備区間選定」とともに、同選定により実現を目指す暫定2車線区間の解消を盛り込んだ「高速道路における安全・安心基本計画(案)」が示され、審議された。

「基本計画(案)」では、高速道路の安全性、信頼性や使いやすさを向上する具体策として、①暫定2車線区間の解消②自動運転等のイノベーションによる高速道路の進化③世界一安全な高速道路の実現④ネットワークの信頼性の飛躍的向上⑤利用者ニーズを踏まえた使いやすさの向上――の5施策が掲げられた。

これらを実現するためには財源確保が必要であり、「基本計画(案)」では「社会・経済に与える影響や国・地方の財政状況、地方自治体、利用者等の意見を踏まえ、検討を進める」よう求めている。特に、今回の優先整備区間を含めた有料区間の4車線化等を実現するためには、コスト縮減など高速会社の経営努力や現下の低金利状況等を活用するほか、「料金徴収期間の延長や料金の引上げによる利用者負担等を含め、新たな財源確保策を講じる必要がある」と指摘している。

これと関連して、無料区間の暫定2車線区間の4車線化整備についても盛り込まれた。

渋滞緩和や時間信頼性向上など、広く利用者の利便性向上に寄与する無料区間の4車線化について「負担の公平性や将来の維持管理に係る税負担を軽減する観点から、周辺ネットワークの状況や整備の経緯等を踏まえつつ、利用者負担による整備について検討を進める」と、有料事業の導入に向け一歩踏み込んだ内容となっている。

部会では、各委員からは、この財源確保について意見が集中し、「優先区間について財投など財源の目途は立っていない」「安全・安心には費用がかかる。財源の必要性について危機意識を持って強調すべき」等の発言があった。

これらを踏まえ「基本計画(案)」は、最終的には部会長と事務局にて精査した上、道路局にて策定することが了承された。

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