国土交通省が整備を進めていた復興道路・三陸沿岸道路のうち、岩手県田野畑村大芦~同村田野畑間(延長6㌔)が7月10日午後4時に開通する。また、開通区間の仮称であった「田野畑南IC」は正式名称に、田野畑ICは「田野畑中央IC」に正式名称が決定した。同日午前11時から、関係者のみで開通式典を開催する予定。今回の開通により、三陸沿岸道路は仙台港北IC~普代IC付近までの約280㌔が高速道路で結ばれる。
今回の開通区間を含む三陸沿岸道路の全線開通による移動時間の短縮により、遠方への販路拡大などが図られ、地域産業の振興を支援するほか、アクセス性が向上し、観光業などの地域活性化を支援する。
田野畑村の農業産出額は約9割が畜産で、そのうち乳用牛が約2割を占めている。生乳生産量は年々増加し、田野畑村ブランド「たのはた牛乳」の製造工場では、今後の販路拡大を見据えた設備投資を実施し処理量を従来の約1・5倍に拡張。
さらに、田野畑村中心部から岩手県宮古病院まで、カーブが存在し車両の横揺れが多発する国道45号を回避し、三陸沿岸道路を利用することで、迅速性かつ安定した救急搬送が可能になる。
復興道路の残る事業中区間である普代北ICと普代ICの間にある地点~野田IC間(延長13㌔)は2021年内に開通予定。21年夏頃開通予定の野田IC~久慈IC間(延長12㌔)については、現在、今年3月に発生した切土法面の変状対策を実施しており、開通時期は対策工事の進捗を踏まえ、発表する。
両区間の開通により、宮城県仙台市と青森県八戸市を結ぶ復興道路570㌔は全線開通を迎える。