国土交通省は5日、高速道路の暫定2車線区間を4車線化する優先整備区間約880㌔のうち、来年度新たに事業化する候補箇所に14カ所、約86㌔を選定した。総事業費は4700億円。昨年12月に閣議決定された「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」に基づき、財政投融資を活用する。
同日の閣議後の会見で、赤羽一嘉国交相は「令和元年東日本台風、昨年の7月豪雨など、昨今、災害が激甚化、頻発化する中、4車線化された高規格道路では災害時に速やかに緊急車両の通行が確保されるなど、災害に強い道路ネットワークの有用性が再認識された」と説明。「先月21日、福島沖を震源とする地震により被災した常磐自動車道・相馬IC~新地IC間の現場に足を運んだが、あの区間も4車線化区間であれば、残りの2車線の活用により通行止めが更に早く解消できたのではないか」と早期4車線化への思いを語った。
候補箇所は、近年の災害や渋滞状況、事故の発生状況などを総合的に勘案して選定され、常磐自動車道・相馬IC~新地IC間の4車線化も盛り込まれた。
今後、事業の妥当性について有識者委員で構成される国土幹線道路部会の意見を聞く。21年度予算が成立した段階で、国土交通大臣が事業主体の高速道路会社に対して事業許可を出す。
21年度の候補箇所が許可されれば、優先整備区間は残り684㌔。国交省では優先整備区間の4車線化を概ね10~15年で完了させる目標を打ち出している。