[caption id="attachment_12418" align="alignleft" width="300"] 渡辺国土交通副大臣に要望書を手交する塩田鹿児島県知事[/caption]
九州の広域的な高速交通ネットワークの一翼を担う南九州西回り自動車道。地域の悲願である同自動車道の整備推進を訴えるため、鹿児島・熊本両県の関係4団体は20日、中央要望を実施した。塩田康一鹿児島県知事ら要望団は国土交通省の渡辺猛之副大臣、丹羽克彦道路局長、財務省の新川浩嗣主計局長に面談、要望書を手交した。
中央要望には、南九州西回り自動車道建設促進協議会会長の塩田鹿児島県知事のほか、同建設促進期成会会長の椎木伸一出水市長、鹿児島県議会南九州西回り自動車道建設促進議員連盟会長の伊藤浩樹県議会議員、熊本県議会県南振興議員連盟会長の吉永和世県議会議員等が参加。地元選出国会議員として小里泰弘衆議院議員、馬場成志参議院議員も同行し、鹿児島・熊本両県総力挙げての要望となった。
塩田鹿児島県知事は「災害発生時、九州縦貫自動車道や国道3号の代替路としてダブルネットワーク機能を発揮する」と南九州西回り自動車道の早期整備の必要性を強調。また、沿線地域で全線開通を見据え、多くの企業が進出している状況にも言及し「京セラが今年5月、薩摩川内市に同社として国内最大となる新工場の建設に着手した」と報告した。
これらを踏まえ、塩田鹿児島県知事は、ミッシングリンとなっている芦北出水道路・水俣IC~出水IC間の供用予定年次の明示と早期完成、阿久根川内道路の全区間における用地買収の着手を要望。併せて、現在進む「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」後も国土強靱化対策が進むよう必要な予算・財源を通常予算とは別枠で確保することも求めた。
また、田嶋徹熊本県副知事は、令和2年7月豪雨からの復興に手厚い支援をいただいたことに対し御礼を述べ「南九州西回り自動車道が通行不能となった国道3号の代替路として大きな役割を果たし、本自動車道の重要性を地域住民としてしっかり体験できた」と報告した上で、同自動車道全線の早期整備をお願いした。
要望を受け、渡辺国土交通副大臣は「全線繋がってこそ高速道路。地域からの声を受け、我々も同じ方向性で頑張る」、丹羽道路局長は「企業進出のためにも完成年度は出来る限り明示していきたい」と回答。財務省の新川主計局長も「しっかり検討する」と前向きな姿勢を示した。