国交省概算要求 国費総額5兆9617億円 強靭化「緊要経費」で事項要望

国土交通省は9月25日、21年度予算の概算要求を発表した。一般会計の国費総額は前年度に比べ1%増の5兆9617億円。うち公共事業関係費は前年度並みの5兆2579億円を要求。新型コロナウイルス対応などの緊急的に必要な経費(緊要な経費)を別途要望した。今年度で期限切れとなる「防災・減災、国土強靱化3カ年緊急対策」後の災害対応を、緊要な経費の事項に挙げ「これまでの実績を上回る必要かつ十分な規模」を予算の編成過程で検討する。

公共事業関係費のうち、一般公共事業費は5兆2027億円(前年度並み)、災害復旧等は552億円(前年度並み)。非公共事業として、その他施設費に497億円(11%増)、行政経費に6541億円(4%増)を計上した。

地方自治体向けの防災・安全交付金には7847億円(前年度並み)を計上。

社会資本整備総合交付金には7277億円(前年度並み)を充て、民間投資・需要を喚起する道路整備やPPP/PFIを活用した下水道事業など成長基盤の整備を重点的に支援していく。

「安全・安心」で ミッシングリンク等

21年度要求に当たっては、「国民の安全・安心の確保」「持続的な経済成長の実現」「豊かで暮らしやすい地域の形成と多核連携型の国づくり」の3つの柱が基本方針として掲げられた。

柱ごとに高規格幹線道路関係を見ると、「安全・安心の確保」では、災害時での輸送ルート確保や防災対策を推進するため「災害時における人流・物流の確保」に2992億円を計上。令和2年7月豪雨において、南九州西回り自動車道と国道3号のダブルネットワークによって交通が確保されたこと、更には九州自動車道や大分自動車道の4車線区間を活用することで早期の交通確保がなされたことなどを念頭に、ミッシングリンクの解消や4車線化、ダブルネットワーク化の推進等を進めていく。

「持続的な経済成長」では、三大都市圏環状道路等の整備推進、中京圏の新たな高速道路料金体系の導入、高速道路でのトラック隊列走行の実現も見据えたインフラ側からの支援策の検討推進等を図る「効率的な物流ネットワークの強化」に3999億円、地域・拠点の連携を促す高速道路ネットワークの構築やスマートICの活用等を進める「地域・拠点の連携を促す道路ネットワークの整備等」に2646億円が計上された。

これら予算額については、このほかプラスαとして、緊要の経費分の上乗せも見込まれる。今後、事項要求を行い、予算編成過程で検討していくことになる。

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