圏央道の難工事「芝山トンネル」が待望の貫通

首都圏中央連絡自動車道（圏央道）の東側区間で唯一未開通となっている大栄ＪＣＴ（千葉県成田市）～松尾横芝ＩＣ（同山武市）間約18・５㌔。同区間唯一のトンネル、芝山トンネルの貫通を祝う記念式典が３月25日、芝山町殿部田で行われた。沿線自治体、関東地方整備局千葉国道事務所、ＮＥＸＣＯ東日本千葉工事事務所、施工関係者ら約80人が参加し、通り初めや鏡開き、万歳三唱で無事貫通を祝し、早期の開通、ミッシングリンク解消を願った。

実貫通は２月28日。浅い土かぶりや崩れやすい砂質の地山により難工事となったが、無事故無災害で貫通を達成した。今後は覆工等を経て２０２６年度中の開通を目指す。施工は大林組・岩田地崎建設ＪＶが担当。

式典では麻生孝之芝山町長が「実貫通の瞬間にも立ち会ったが、貫通の光が正に地域を照らす希望の光と感じた。成田空港の機能強化と合わせて地域の恩恵は計り知れない」と挨拶。平山富子多古町長も「圏央道は首都圏道路ネットワークの骨格となる重要な道路。トンネル貫通を大きな一歩に、早期開通を願っている」と語った。

芝山トンネルは延長６１６㍍。土かぶりが３～10㍍で崩れやすい砂質の地山など難しい条件での掘削となった。有識者による技術検討会の助言を受け、長尺鋼管先受（ＡＧＦ）工法や注入式脚部補強工などで地盤を改良しながら掘削。改良剤も試験施工により特殊水ガラス系溶液型注入剤を選定するなど、特殊な技術的条件での施工となった。

東日本千葉工事事務所の笹原壮雄所長は、難度の高い工事となったことに対し「施工者の綿密な施工計画立案と高い技術力、万全の管理体制により無事貫通を迎えることができた」と施工関係者を讃えた。