国土交通省松江国道事務所(鈴木祥弘所長)は16日、多伎・朝山道路の出雲多伎IC~大田朝山IC間(延長9・0㌔)が3月17日開通すると発表した。同道は山陰道の一部で暫定2車線の自動車専用道路。開通式及び開通時刻等詳細は後日発表される。
山陰道整備前は島根県庁(松江市)~益田市役所間約170㌔が約240分かかったが、昨年3月18日の朝山・大田道路と今回の開通で約183分で移動できるようになり、主要都市間の所要時間が短縮され、地域間交流、人流・物流・産業、地域経済の活発化が期待される。
並行する国道9号の「仙山峠」は、急カーブや急勾配が連続し死亡事故も発生していたが、仙山峠を回避できるようになり、安全で快適な走行が可能となる。
企業活動においては、仙山峠の渋滞や通行止めの影響で支障が生じることがあったが、製造業での安定した生産活動が期待できる。
救急活動においても、仙山峠を回避することで走行時の振動やカーブの減少で傷病者の負担は大幅に軽減される。大田市消防本部から出雲市の第3次救急医療施設である県立中央病院への搬送は年間約500件あり、朝山・大田道路、多伎・朝山道路未開通時は約39分かかっていたが、両道の整備により約4分短縮する。
また、県内随一の観光地である「出雲大社」と道の駅満足度ランキング2018で全国9位になった「道の駅キララ多伎」はくにびき海岸道路でつながり、観光コースを形成しているが、「世界遺産石見銀山」や「国立公園三瓶山」へのアクセスもしやすくなり、観光コースが拡大することも期待される。