国土交通省近畿地方整備局は3月28日、中部縦貫自動車道の大野油坂道路について、全通時期を当初の2026年春予定から約3年延期の2029年春とすることを発表した。
中部縦貫道は、長野県松本市から福井県福井市までを結ぶ高規格幹線道路で、新たな東西軸ネットワークを実現するものとして、早期整備が期待されている。中部縦貫道を構成する大野油坂道路は全長35㌔のうち、大野~九頭竜間19・5㌔が23年に開通。残るは九頭竜・油坂区間の1工区のみとなっていた。
同区間では現在、大半を占めるトンネル工事は順調に進むが、岐阜県側、油坂峠道路につながる油坂IC付近で建設中の新子馬巣谷橋で不安定な地盤状況に直面。大きな地すべり面の存在やP1橋脚ケーソンの沈下不能、完成済み橋台の沈下等の工事課題への対策について、抑止杭やケーソン長を2・5㍍伸ばす対策工事等から、当初の開通予定から約3年を要する見込みとなった。
同日に行われた中部縦貫自動車道事業費等監理会議でこうした状況が報告されたが、近畿地方整備局は「工程短縮の余地がないか引き続き検討に努め、29年春予定から半年程度の前倒しで開通を目指す」とした。