山陰道(安来~益田)の沿線市等で構成する「山陰自動車道(安来~益田)建設促進期成同盟会」は9月29日、「山陰自動車道建設促進島根県民総決起大会2024」を浜田市の島根県立大学浜田キャンパスで開催した。同日は、沿線関係者や、地元選出国会議員など総勢約400人が集まり、山陰道の早期整備の強力な推進に向け、決意を新たにした。
冒頭、主催者である同盟会会長の山本浩章益田市長が「本年元日に発生した能登半島地震の被災地域では、道路ネットワークの寸断により救援・復旧活動が困難な状況となったことから、あらためて、災害に強い道路ネットワーク整備の重要性を再認識した。期成同盟会としては、安全安心で活力ある地域を次世代へ継承し、持続可能な社会の実現に向けて、如何なる災害や緊急時においても『命の道』として地域を支え、産業・経済の振興の促進に重要となる、高規格道路ネットワークの早期整備を目指した活動を引き続き推進していく」と挨拶した。
国への要望事項として、1.高規格道路ネットワークの構築は、国が国民に等しく保障すべき基礎的サービスであるとの基本に立ち、整備の遅れに強い危機感を持つ地方の声に応え、全国のミッシングリンクの解消に必要となる予算の総額を確保し、山陰道を早期に全線開通させること。2.現在事業中である「出雲・湖陵道路」、「湖陵・多伎道路」、「福光・浅利道路」、「三隅・益田道路」、「益田道路(久城~高津)」、「益田西道路」、「益田・田万川道路」について、着実に事業を推進し、1日も早い開通を目指すこと―など5項目を決議し、同盟会副会長の飯塚俊之出雲市長のガンバロー三唱で大会を締めくくった。
大会は、建設業技術者センターの冨樫篤英常任参与の基調講演に続き、浜田港運の三木一朗営業部長が意見発表。冨樫常任参与は「島根県でネットワークを終わらすのではなく山口まで繋ぎ、九州との交流を盛んにすることが山陰道に求められている。また、島根県内の開通済み高速道路の8割以上が暫定2車線であり、暫定2車線では交通事故、自然災害での通行止めだけではなく、補修・点検でも全面通行止めとなる可能性がある。このため、4車線になるまでしっかりと運動を行うことが重要」と思いを語った。
三木営業部長は、「山陰道全線開通により、荷主の利便性が大きく高まり、取り扱い数量の増加に弾みがつくものと考えている。山陰道が全線開通となれば、BCPの観点からも一般国道9号のバックアップ道路として荷主の絶大な信頼を得ることとなり、一日も早い全線開通を浜田港の全ての利用者が待ち望んでる」と熱弁をふるった。