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震災地域を救う〝命の道〟として4車線化事業が進められてきた常磐自動車道・いわき中央〜広野間約27㌔が13日、全線4車線化した。現地では午前10時、残されていた規制が全て取り除かれ、広々とした安全快適な本線が一般開放された。同区間の4車線化は2016年6月に事業許可。「復興・創生期間内に4車線化を目指す」とした安倍前総理発言を受け、新技術・新工法を積極的に取り入れたNEXCO東日本東北支社の取り組みにより、5年という異例の超短期間での完成となった。
当日午前10時30分から福島県のJビレッジ(双葉郡楢葉町)で催されたNEXCO東日本東北支社主催による完成式典は、同社の小畠徹社長が「今回の4車線化により、対面通行解消による重大事故の減少、車線規制による通行止め削減や災害時の交通確保、交通集中による速度低下の改善、が期待される」と主催者挨拶。内堀雅雄福島県知事、増子輝彦参議院議員、森まさこ参議院議員や沿線首長ら関係者約60人が出席し、福島の更なる復興を後押しする4車線化の完成を祝うとともに、「浜通りの復興・再生へ、1日も早い全線4車線化を実現したい」と口々に訴えた。
内堀知事は、現在付加車線事業中の「浪江~南相馬」、3月30日に4車線化の事業許可が出た「相馬~新地」、そして新たな事業許可を目指す「広野~浪江」の3区間について、「国や関係機関と緊密に連携し新生ふくしまの創造へ全力を尽くす」と強い決意を語った。
この日、オンラインで出席した大西英男副大臣は、広野~浪江間について「今年度事業化へ向け順次取り組む」と新規事業化への意欲を示した。また、会場にビデオレターを寄せた横山信一復興副大臣は「避難指示解除にも高速道路の機能強化が必要」との見解を示した。
”新生ふくしま”へさらなる4車線化を
いわき中央~広野間は今年2月27日と3月30日に延べ約23㌔が先行して4車線化。当初、全区間が復興創生期間内とされた20年度内に完成するはずだったものが、令和元年東日本豪雨の影響によりいわき四倉~広野間の建設現場が浸水。一部4㌔区間の完成が遅れていた。
工事にあたったいわき工事事務所の小林克久所長は事業報告で、移動作業車の大型化や橋脚鉄筋の鋼管化、橋脚・床版のプレキャスト化を「工期短縮に貢献した新技術」と紹介。記者団のインタビューでは、工事のクリティカルポイントに台風の浸水を挙げ「当初、半年ほど遅れる可能性もありましたが、事務所全体で力を合わせなんとか2カ月程度の遅れで完成できた」とほっとした表情を見せた。
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また、20年以上にわたり整備促進活動を続けている民間団体「常磐道を応援する女性の会」の西本由美子代表は式典に出席した後、「今回の完成区間は、私の活動の原点。福島の未来のために、さらなる4車線化を目指して皆さんと一緒にまだまだ頑張りたい」と、八木茂樹東北支社長や福島県の猪俣慶藏土木部長らとともに笑顔を見せた。
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