内堀雅雄福島県知事は19日、赤羽一嘉国土交通大臣と面談。常磐自動車道の全線4車線化と常磐双葉ICの早期整備を求める要望書を手交した。
常磐自動車道は15年3月の全線開通以来、東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所事故からの復興・再生の加速を支え、更には企業立地の増加と雇用拡大、交流人口の拡大等による地域経済の振興に大きな役割を果たしている。
昨年4月には福島イノベーション・コースト構想の取組を盛り込んだ福島復興再生特別措置法に基づく重点推進計画が認定され、今年7月には福島復興のシンボルであるナショナルトレーニングセンターJヴィレッジが全面再開。常磐自動車における安全で円滑な交通確保の重要性が高まる。
こうした状況から内堀知事は「常磐自動車道は、原子力災害からの復興・再生に欠かすことのできない“希望の道”であり、その機能を確実に発揮するために「高速道路における安全・安心基本計画」の4車線化優先整備区間に選定されなかった広野~浪江間を含め、全線の早期4車線化が必要」と強く要望した。
赤羽国交相は、現在整備中のいわき中央~広野間、山元~岩沼間の4車線化、広野~山元間の付加車線工事、追加ICとして整備中の常磐双葉ICについて「復興・創生期間の2020年度内の完成を目指してしっかりと進める」と言明。
また、4車線化の優先区間に選定された浪江~山元間について「財源を確保しながら事業化したい」。さらに、広野~浪江間を含む全線4車線化についても「必要性は十分認識している。復興庁と相談し、復興加速化支援の観点から決着をつけたい」と、実現に向け尽力していくことを強調した。