復興支援道路 待望の延伸 東北横断道釜石秋田線・遠野~宮守間5日に開通

[caption id="attachment_2772" align="alignleft" width="300" caption="早期復興願いテープカット"][/caption]

東日本大震災からの復興に向け、国がリーディングプロジェクトとして整備を進める復興支援道路の一つ、東北横断自動車道釜石秋田線・釜石~花巻間の遠野IC~宮守IC間(延長約9㌔)が5日、開通した。重要港湾・釜石港から岩手県内陸部へつなぐ同道の延伸は復興の加速を確実なものとするものであり、式典に出席した安倍晋三首相は「地域の復興、創生に大きな力となる」と力強く語った。

復興支援道路として位置付けられている釜石秋田線(釜石~花巻間)は釜石JCTと花巻JCTを結ぶ総延長約80㌔。今回の開通で約62㌔が完成。残る遠野~遠野住田間約11㌔と釜石西~釜石間6㌔は18年度の開通を予定している。

全線完成すれば、重要港湾・釜石港と岩手県内陸部の花巻市、北上市と直結。国際フィーダコンテナ定期航路が開設されている釜石港の利用企業数、コンテナ取扱量の飛躍的な増加が見込まれることにより経済活性化や、救急搬送の安定性・迅速性の更なる向上が期待される。

5日、現地の岩手県遠野市で行われた開通式典には、復興加速を祈念して安倍晋三首相も駆けつけ、関係者や沿線住民など約230人が参加した。

安倍首相は「今回の開通で8割が完成した。今後、工場集積地の内陸と重要港湾の釜石港が最短で結ばれ、釜石秋田線を活用したビジネスの拡大が期待される」と開通の意義を強調。「遠野市は震災直後、自衛隊やボランティアの後方支援拠点として大きな役割を果たした。釜石秋田線を起点に今後の地域の復興、創生が大きく進む」と挨拶した。

続く来賓挨拶では江島潔国土交通大臣政務官、達増拓也岩手県知事、本田敏秋遠野市長が今後の広域連携の推進、地域産業の振興や観光交流の発展に向けた期待感を語り、地元児童も加わったテープカットでは大きな歓声に包まれた。

開通に先立つ11月29日、地元住民を対象に開通前の釜石秋田線を歩く「自動車道を歩こう会」が行われ、地元の岩手県鱒沢・小友地区から多くの親子連れ等が参加。今後、復興を支援する真新しい道路を踏みしめた。

参加者は宮守ICから中沢川橋までのおよそ2㌔をウォーキング。開通後は歩くことが出来ない高速道路の感触を、思い思いの装いで満喫した。

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