政府は6月21日、国土強靱化推進本部(本部長=岸田文雄首相)を持ち回りで開き、「国土強靱化年次計画2022」を決定した。「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」について、1~2年目の21~22年度の進捗状況を事業費ベースで明示。全体事業規模約15兆円のうち、48%に当たる約7・2兆円(うち国費約3・5兆円)を確保し、今後も着実に対策を実行していくことが確認された。
7・2兆円の内訳は、「激甚化する風水害や切迫する大規模地震などへの対策」が5・9兆円、「予防保全型メンテナンスへの転換に向けた老朽化対策」が1・2兆円、「国土強靱化に関する施策を効率的に進めるためのデジタル化などの推進」が0・1兆円。加速化対策の実施にあたっては、引き続き適正な積算や工期設定、施工時期の平準化、適切な規模での発注、国債の柔軟な活用等に取り組む。
地域の強靱化の推進に向けては、5月末時点で全国の97%の自治体で強靱化地域計画の策定が完了したことを踏まえ、より実効性を高める計画とするため、内容の充実に向けた支援を実施する。
国土強靱化基本計画の策定から3年が経過したことから、加速化対策後の強靱化の取り組みを重視しつつ、次期計画の検討に着手することも盛り込まれた。
高規格道路関係では、代替性の高い道路網の構築を進めるとともに、雪や大雨などの災害に強く、災害時には代替輸送ルートとして機能する大都市圏環状道路などの高速道路ネットワークを着実に整備することを明記。「高速道路における暫定2車線区間の4車線化、高規格道路と代替機能を発揮する直轄国道とのダブルネットワークの強化などの機能強化等を推進する」とされた。