暫定2車線区間4車線化等で検討 事故、災害対応で800㌔抽出優先度の高井区間から順次 27日の国土幹線道路部会で

社会資本整備審議会道路分科会の国土幹線道路部会(部会長=寺島実郎日本総合研究所会長)は27日、「(仮称)高速道路における安全・安心計画」の策定に向けた考え方を審議。計画に盛り込む暫定2車線区間の対策として、今後、優先的に4車線化等を実施すべき区間の抽出方法が示された。

現在、高速道路の暫定2車線区間は約4320㌔、特に課題の対面通行区間は約2930㌔となっている。このうち有料区間の約1520㌔について、時間信頼性の確保と事故防災の観点で約600㌔、リダンダンシーの確保で約200㌔、計約800㌔を4車線化等の検討を行う区間として抽出。地域の実情を踏まえ、優先度の高い区間から4車線化、付加車線の設置を進めていく方針が確認された。

また、橋梁・トンネルを除く暫定2車線区間のワイヤロープ設置については、全体で概ね5年、会社管理区間で概ね3年を目標に実施していくことも併せて確認された。

部会では、平成30年7月豪雨災害における高速道路の状況について報告された。特に高知道・川之江東~大豊間では上り線の橋梁が流出する大規模被災となった点について、「下り線を活用して交通機能が早期に確保されたが、4車線化されていなければ長期不通になっていた」と、防災の観点から早期4車線化の必要性を指摘する意見が出された。

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