[caption id="attachment_3213" align="alignleft" width="384" caption="結集した約60人の女性の想いを背負い熱弁をふるう新居委員長"][/caption]
徳島県南部と高知県東部の高速道路空白地帯の女性たちで構成する「四国はひとつ〝阿波のみち〟女性フォーラム実行委員会」の新居洋子委員長は15日、約60人の女性住民とともに上京。山本順三国土交通副大臣や中西祐介財務大臣政務官をはじめ、徳島県・高知県選出国会議員ら9人が参議院会館に一堂に会し、新居委員長から、「もう待てません。阿南安芸自動車道・海部道路の未事業化区間・牟岐~野根間を1日も早く事業化してほしい」と迫った。
この日、新居委員長は次男の卒業式。悩んだ末、「子供、孫に使える道を残すこと」を優先した。日帰りで家族の元に戻るためには、始発の飛行機に乗らねばならない。女性たちはこの日の午前2時に起床、地元を4時に出発し、午後からの要望に臨んだ。帰宅するのは零時を回る。「自宅から空港まで3時間、そのうえ大雨になると通行止めになる。でも私たちには、この国道55号しかないのです」
今後、30年以内に70%の確率で起こると想定される南海トラフ巨大地震。発生時には県南唯一の幹線道路である国道55号の牟岐~野根間の6割が津波浸水により寸断し、地域が孤立することが懸念され、また、近年、激甚化する豪雨により、通行止めが頻発するなど、家庭を預かる主婦たちにとって悩みの種となっている。
国会議員と対面した新居委員長は「13年活動を続けているのに進捗が見えてこないのが残念。送り出してくれた家族のためにも手土産がほしい」と速やかな事業化を求め、徳島県南部住民の代表として参加した石本知恵子さんも、「石の上に3年座っても動かない。私たちには国道55号1本しかない。もともと2本あるならば、こんな贅沢は言いません」と熱弁を揮った。
「〝命の道〟、〝活力の道〟となる『四国8の字ネットワーク』の整備を加速し、ミッシングリンクの1日も早い解消」を求める要望書を女性たちから手渡された山本副大臣は「『今!』という皆さんの気持ちを受け止めて最大限努力する」と約束した。
この後、財務省の坂井学副大臣は、同様の要望を行った女性らに、「これだけの女性が要望に来られるのは、財務省はじまって以来。茶谷栄治主計局次長にも私からお願いしておく」と力強い言葉を返した。