熊本地震復興早く 地元女性団体が国交相に涙の訴え

[caption id="attachment_3624" align="alignleft" width="300" caption="国道57号、JR豊肥本選の早期復旧と中九州横断道路の早期整備を求める小笠原会長(左)と堀会長"][/caption]

熊本地震で甚大な被害を受けた大分・熊本県境の女性たちが6月15日、国土交通省の石井啓一大臣を訪ね、涙ながらに道路網整備の必要性を訴えた。

女性は、「阿蘇の未知を考える女性の会」の小笠原邦子会長と、「『中九州横断道路』早期完成を願う女性の会」の堀幸子会長。2人の暮らす県境付近では4年前の7月、梅雨前線による九州北部豪雨が発生。両県を結ぶ唯一の幹線、国道57号の滝室坂が崩壊し、一時地域が孤立化した。

石井大臣に面談した両会長は当時を振り返り、「その時、以前よりも頑健に復旧して頂いた道路のお蔭で、今回の地震では阿蘇地方の人々が大分県に円滑に支援を求めることができました」と謝意を述べ、「ボランティア活動や支援物資運搬にも大きな役割を果たしており、今まさに道路が〝命の道〟として機能していると実感します」と涙ながらに語った。

「震災から1カ月は無我夢中で涙も出なかったが、2カ月経って涙が出るようになった」と話す小笠原会長を労わりながら、堀会長は「私が住む竹田市は震災による被害は少なかったもののマスコミの震度放映による風評被害で観光客が半減している」と苦しい胸の内を吐露。県は違っても、県境にある2つのまちにとって交通網の復旧・復興はとてつもなく大きな意味を持つことから、「国道57号、JR豊肥本線の1日も早い復旧と、中九州横断道路の早期整備に特段のご配慮をお願いします」と訴えた。

両会長の切実な声に耳を傾けていた石井大臣は「割引付観光プランも始まりますから」と、観光庁が取り組んでいる「九州観光支援のための割引付旅行プラン助成制度」を紹介。交通インフラの早期復旧とアクセス強化を進めながら、ともに復興に取り組んで行く姿勢を強調した。

九州観光支援のための割引付旅行プラン助成制度=5月31日に観光庁が打ち出した「九州の観光振興に向けての総合支援プログラム」の施策の一つで「九州観光支援旅行券」と呼ばれる。観光地の魅力回復・国内外からの旅行需要の創出に向けて予備費180億円を拠出する。

政府が九州7県に対し、旅行プランの割引やキャンペーン費用を助成する交付金を交付する制度で、これにより旅行客は、九州7県より委託を受けた旅行会社や宿泊予約サイトなどを通じて、最大7割引きの旅行商品を購入することができる。申し込み受け付けは、7月1日から。

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