町から村から 6~7月

新型コロナ対応のため、全高速の第56回総会は書面で開催された。この間も休みなく展開されている各地区の要望活動等の取り組みを紹介する。

従来以上のスピードで

北海道高速道路建設促進期成会

【北海道高速道路建設促進期成会】決議

高規格幹線道路を国家戦略として重点的に整備することは、道民の総意であり、既に整備が進んでいる地域で発揮されている効果を全道へ広げ、新型コロナウイルス収束後の物流・観光をはじめとする経済活動の復興や地方創生を加速化し、ストック効果を早期に発現させ、道民の命を守り、より安全で安心な生活を確保するためにも、従来以上のスピードで整備を進めることが必要である。

維持管理・更新のあり方も含め、高速道路政策を着実に進めるためにも、北海道の声や実情を確実に中央へ届け、次の事項の実現を強く求める。

1.北海道の強靱化、地方創生の実現に向けた高規格幹線道路ネットワークの早期整備

1.計画段階評価を速やかに実施するなど未着手区間の早期事業化

1.「高速道路における安全・安心基本計画」等に基づく、暫定2車線区間の4車線化やワイヤロープをはじめとする、  正面衝突事故防止などの安全対策の促進

1.大規模更新・大規模修繕の計画的な実施と、跨道橋等の横断構造物を含めた高規格幹線道路ネットワークの耐震強化

1.スマートICなど出入り箇所の増設や一時退出サービスの拡充、フルジャンクション化、SA・PAの整備などの機能向上

1.高規格幹線道路の事業推進及び維持管理を確実に実施するために必要な21年度予算における所要額の確保

1.高規格幹線道路ネットワークの整備や防災・減災対策、老朽化対策を含め、長期安定的に道路整備・管理が進められるよう、防災・減災、国土強靭化のための3カ年緊急対策の継続及び対象事業の拡充

2020年6月26日

■ ■ ■

 

愛南町に早期延伸を

望まれる新規事業の推進

【愛媛県愛南町】決議

「愛媛県愛南町」は、春にはアケボノツツジで山一面が春色に染まる篠山を背に、南は黒潮踊る太平洋、西は豊後水道に面した美しいリアス式の海岸が続く自然豊かな土地柄である。海と山からの恩恵を受け、カツオの一本釣りやまき網漁などの漁船漁業とハマチ・タイ・真珠母貝等の養殖漁業による日本有数の水産業のほか、甘夏柑・愛南ゴールド等の柑橘農業が非常に盛んである。

しかしながら、愛南町は、愛媛県の最南端に位置し、地理的、地形的要因により、高速道路を始めとする道路整備が遅れ、産業や経済面での立ち遅れを余儀なくされている。

このような中、熊本地震や四国でも猛威を振った18年7月豪雨、19年東日本台風など、全国各地で大規模な自然災害が発生した。とりわけ愛南町においては、発生確率が益々高まっている南海トラフ地震の発生により、最大17㍍の大津波が予測され、地盤沈下を伴った長期浸水により、唯一の幹線道路である国道56号の寸断が懸念されている。特に空港が遠く、鉄道がない愛南町において、災害発生直後からの迅速かつ円滑な支援部隊の進出に必要な緊急輸送ルートを確保するためには、防災機能や地域交流機能を併せ持った休憩施設などと連携した、信頼性の高い高規格道路ネットワークの構築が急務となっている。

また、新型コロナウイルス感染症の拡大により、経済を取り巻く環境は急激に悪化しており、地域経済を下支えし、感染症収束後における物流・観光等の経済活動を復興するためには、国内への産業回帰や分散型社会を推進する道路整備が必要であると、改めて認識されているところである。

四国横断自動車道「宿毛~内海」が開通すれば、今月5日に全線開通した「中村宿毛道路」や、整備が進められている「津島道路」とつながり、循環型ネットワークが形成される。これにより、養殖マダイや養殖ブリにとどまらず、完全養殖に成功したスマや、人工種苗の量産体制の確立に取り組んでいるクロマグロの販路が大幅に拡大し、基幹産業の更なる発展が期待できる。また、高規格道路ネットワークの整備と相まった地域の豊かな自然や歴史的資源を活かした観光客の受入体制の強化や、温暖な気候を活かした各種スポーツ大会・合宿を誘致する施設整備等の取組により、交流人口の拡大が望める。

ついては、南海トラフ地震等の自然災害への備えとして地域防災力を強化し、地域経済の活性化を図っていくためには、「宿毛~内海」の早期整備が不可欠であることから、ここに次の事項を強く要望する。

1.「宿毛~内海」の早期事業化

2.津島道路「内海IC(仮称)~津島岩松IC」については、1日も早い開通に向けた整備推進を図ること。

3.南海トラフ地震等の大規模災害に備え、地域の安全・安心を確保するため、また、愛南町の豊かな自然を活かした産業や観光の振興と、新型コロナ収束後における経済活動のV字回復を図るため、高規格道路はもとより、その効果を地域の隅々まで波及させる道路の整備を推進する道路予算総額を確保のうえ、災害などに対応する地方整備局等の継続的な体制の拡充と強化について配慮すること。

2020年7月22日

パーマリンク