国土交通省は8日、重要インフラの緊急点検の結果を踏まえた土砂災害等の危険性が高い箇所のうち、特にネットワークが寸断する可能性が高い箇所16箇所85㌔を、19年度に着手する暫定2車線区間の4車線化等の候補箇所として選定した=別表(PDF)参照=。これらは財投を活用して整備する区間だが、残る区間については今夏にも方針が示される予定。
これは、昨年の西日本豪雨などを受けた防災、減災に向けた3カ年緊急対策の一環で、国の財政投融資約5000億円を活用する。11日の社会資本整備審議会(国交相の諮問機関)道路分科会等の審議を経て、3月末までに事業化する見込み。
この財投活用では、4車線化等の候補箇所のほか、新名神高速道路・亀山西JCT~大津JCT間の6車線化も進めることにしており、今後、関係する自治体への意見聴取や有識者委員会での審議など手続きを進める。
昨年の緊急点検では、暫定2車線区間のうち約1600㌔が土砂災害の危険性が高いと判明。国では残る1515㌔についても、今夏を目処に優先的に整備する区間をまとめ、順次整備を進めていく方針。
閣議後の石井啓一国交相の会見は以下の通り。
「高速道路の暫定2車線区間については、防災・減災、国土強靭化のための3カ年緊急対策の一環として、19年度から財政投融資を活用し、4車線化等を実施することとしている。今般、その候補箇所として16箇所85㌔を選定した。残る区間についても、防災上の観点及び速度低下等の課題を踏まえ、夏頃を目処に優先的に整備する区間をまとめ、順次整備を進めていく」