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近畿自動車道紀勢線を構成する熊野尾鷲道路のうち未開通区間だった尾鷲北ＩＣ～尾鷲南ＩＣ間（延長５・４㌔）が８月29日午後３時に開通し、同道は延長24㌔が全線開通。名古屋市から熊野市までが自動車専用道路で走れるようになった。
開通に先立ち、午前11時から催される予定だった開通式典が、三重県に出された新型コロナウイルスへの緊急事態宣言を受けて中止になったことから、実行委員会は27日、地元首長の所感を集約してホームページなどで公表した。
所感では、実行委員長の加藤千速尾鷲市長が「近年多発する集中豪雨や津波浸水区域を回避する緊急輸送路が確保され安全で安心な通行ができることは東紀州地域にとってたいへん喜ばしい」、鈴木英敬三重県知事が「紀伊半島大水害から10年目の節目に開通を迎えたことは感慨深い」、川上敢二熊野市長が、「今後は熊野道路、紀宝熊野道路、新宮紀宝道路の早期完成と熊野尾鷲道路の４車線化について、積極的に働きかけたい」と綴り、紀伊半島１周高速道路が１日も早く実現することへの期待を寄せた。
雨のまちとして全国に知られる尾鷲市。第３次救急医療機関の60分圏域外でもあり、強靱な熊野尾鷲道路の早期完成が待たれていた。今回の開通により第２次救急医療機関である紀南病院から第３次救急医療機関である伊勢赤十字病院への転送時間が更に５分短縮され、紀勢自動車道、熊野尾鷲道路開通前に比べ、約70分短縮する。
「病弱な子どもの命を守るため」、主婦だった20年前から紀勢線の整備促進活動を続けてきた尾鷲市議の濵中佳芳子さん。「尾鷲は国内有数の豪雨地域。雨で交通寸断されることが多く、天候に左右されない道がほしかった。この道で助かる人がいます。『命の道』と名付けた本来の『医療ネットワーク』が強化されることを期待します」と語った。
現在、尾鷲北ＩＣと尾鷲南ＩＣはハーフインターで整備されていることから、国土交通省紀勢国道事務所は「乗り降りに注意してほしい」と呼びかけている。
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記念のパネル展なども
三重県などでは今回の開通を記念したパネル展を企画。県庁県民ホール＝写真上＝や三重県立熊野古道センター＝写真下＝を会場に７月から８月にかけて催され、熊野尾鷲道路をはじめ近畿自動車道紀勢線の開通効果や整備状況を県庁来庁者や沿線住民を中心に紹介。熊野古道センターでは期間限定で道をテーマにした映画上映も行われた。
一方、紀勢国道事務所ではフェイスブックを利用した開通告知を展開。９月１日には、前日のパトカーの先導による通り初め動画を公開し、「走行される際のご参考にして下さい」と呼びかけた。
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