NPO東日本大震災復興対策等貢献協議会(内田道雄理事長)は昨年12月16日、東京・麹町の弘済会館で「東日本大震災復興状況講演会~震災後の長い苦しい闘いはこれからもまだまだ続く」を開催。岩手県陸前高田市で復興のための活動を続ける2人の講師が、語り部として当時の状況や現在の課題を切々と語った。
協賛は、NPO道路の安全性向上協議会(藤野陽三理事長)、NPO高速道路友の会(髙田邦道理事長)、NPOいきいきハイウェイ支援全国ネット(藤波督会長)。全国高速道路建設協議会(尾﨑正直会長)が後援した。
陸前高田市観光物産協会副会長の實吉義正氏は「語り継ぐ明日へのあの日、あの時、そして現今(いま)」と題し講演。発災当日、「にっちもさっちも行かなかった」道路渋滞を振り返り、「この問題は解決しなければならない」、と約6年半を経て始まっている〝心の風化〟とともに重要な課題だと指摘した。
また、「被災者同士が支え合えるコミュニティの場を」と私財を投じて復興のための施設を立ち上げた、元日本道路公団職員でNPO再生の里ヤルキタウンの理事長・熊谷耕太郎氏は昨年、日本復興の光大賞(NPO日本トルコ文化交流会主催)を受賞した、地域交流を促す様々な取り組みを紹介した。
講演会の後、主催者の内田理事長は「震災から6年近くを経て防潮堤や住宅の整備は進んでいるが、まちづくり・コミュニティづくりという視点で見ると復興は進んでいない。心の風化を防ぐために、今後も様々なアドバイスを頂戴したい」と語った。