高速道路調査会発行 高速道路の土工技術史 地盤工学会出版賞を受賞

高速道路調査会発行の「高速道路の土工技術史」がこのほど、地盤工学会の「出版賞」を受賞した。同賞は、地盤工学の発展・普及に貢献した出版物を対象にその著者を表彰するもので16年度より2年ごとに選出。今回が3回目となる。

6月4日、オンライン形式による「地盤工学会賞授与式」が催され、編集にあたった「高速道路の土工技術史に関する調査研究委員会」の太田秀樹委員長(中央大学研究開発機構教授)が代表して式典に臨んだ。

「高速道路の土工技術史」は19年7月に発行。

高速道路ネットワークの進展とともに発展を遂げてきた土工技術の変遷に加え、今後の道路保全・長寿命化の参考となる維持管理技術を紹介。特色のある建設や管理の事例を320頁にわたり掲載している。

選考にあたっては、5人の委員が厳正に審査。「様々な建設プロジェクト、維持管理、災害の事例などを写真や図面を多く掲載して解説するとともに、高速道路の土工技術とともに発展してきた地盤工学会基準や道路土工指針に関連した記載もなされている。土工技術の変遷に加えて、技術発展のきっかけとなったプロジェクトの内容が時代背景とともに記載されている本書は、我が国の研究者、実務者ならびに経験の浅い技術者にとって極めて有益な出版物である」と評価した。

太田委員長は「関係者の皆様とともに賞をいただいて、沢山の方々から労作を褒めてもらうことになりました。このような機会に『オマエはエライ!』と言われると、やっぱり嬉しいモノです。物流の大動脈を、国中網の目のように創りあげてきたJHとNEXCOの方々の顔とともに、アレコレと熱っぽく議論したことを懐かしく思い出しております」と喜びを語った。

高速道路調査会では、ベテランから若手までのあらゆる技術者に役立つ「技術史」シリーズとして、この「高速道路の土工技術史」のほか、「(同)トンネル技術史」、(同)施設技術史」を出版している。21年夏にはこれらの増刷版が販売される。また「舗装技術史」が21年秋に出版予定で、さらに「橋梁技術史」を編纂中である。

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