「高速道路のミッシングリンクを解消し日本の再生を実現する10県知事会議」は12日、国土交通省への要望活動を実施した。近年頻発、激甚化する自然災害から国民の生命と財産を守る「命の道」高速道路ネットワークの早期実現、2023年度関係道路予算の確保、「高速道路の安全・安心計画」で優先整備箇所に位置づけられた暫定2車線区間の4車線化の早期整備を求めた。
10県知事会議は山形、福井、和歌山、鳥取、島根、山口、徳島、愛媛、高知、宮崎の10県で構成。当日は、平井伸治鳥取県知事が代表して国土交通省を訪れ、藤井直樹事務次官と面談、提言書を手交した。
平井鳥取県知事は、8月4日の豪雨で通行止めとなっている福井県内の北陸道を例に「国土のリダンダンシー確保は急務であり、そのためには高速道路のミッシングリンク解消が不可欠」と主張。全国で甚大な被害をもたらした平成30年7月豪雨にも言及し、山陽道、中国道が通行止めとなる中、唯一の生命線となった山陰道が「未だミッシングリンク状態」と危機感を示し、所要予算確保による整備推進を要望した。
藤井事務次官は「ミッシングリンは解消しなければならない」と理解を示し、「しっかり取り組む」と応じた。
「10県知事会議」要望項目
一、発生が危惧されている大規模災害に備え国土強靱化を進めるため、ミッシングリンクの早期解消を図り、高速道路ネットワークの早期形成を図ること。
一、新型コロナウイルス感染症の拡大で大打撃を受けた観光などの地方経済を早期に回復させるため、また、多核連携型の国づくりを推進するためには、ミッシングリンクの解消は必要不可欠であり、未事業化区間の計画段階評価などの速やかな実施と早期事業化を図ること。
一、ミッシングリンクの解消が計画的かつ着実に進められるよう、令和5年度道路関係予算の所要額の満額確保をはじめ、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加 速化対策」に必要な予算・財源の確保と計画的な事業推進、5か年加速化対策後も 予算・財源を通常予算とは別枠で確保し、中長期的視点で継続的に取り組むこと。 また、長期安定的に道路整備・管理が進められるよう、地方の意見を踏まえ新たな 財源を創設すること。
一、高速道路が本来有するべき安全性・定時性の確保とともに、大規模災害時などに対する防災上の観点からも、「高速道路における安全・安心基本計画」において4車線化の優先整備箇所として位置付けられた区間の早期整備を図ること。