12日事業評価部会で 高規格幹線道路6区間新規事業化へ 北海道横断道、四国横断道など

国土交通大臣の諮問機関、社会資本整備審議会の道路分科会事業評価部会(部会長=石田東生筑波大学名誉教授)は12日の会合で、2024年度予算の新規事業採択時評価の対象となる直轄道路整備事業12件の採択の可否を審議、妥当と判断された。高規格幹線道路の新規事業化は6件。北海道横断自動車道の蘭越倶知安道路・ニセコ~倶知安と女満別空港網走道路・女満別空港~網走呼人、四国横断自動車道・宿毛内海道路の一本松~御荘と宿毛和田~宿毛新港の各2区間の新規事業化が採択されたほか、中部縦貫自動車道の髙山東道路・平湯~久手、東九州自動車道の南郷奈留道路の事業化が決まった。

直轄道路事業12件の事業費計は6120億円で、前年度の5870億円から4・2%増。このうち高規格幹線道路6区間の事業費計は前年度の1750億円から倍増以上の3820億円となった。政府の2024年度予算案の成立と同時に事業実施計画が決定する。

高規格幹線道路については、未事業化区間のうち、主要都市間の速達性や大規模災害に対する脆弱性など道路ネットワークとしての課題を解消するとともに、防災、渋滞、事故、走行性といった並行する現道の課題、更には地域の抱える課題解決に資する区間で、事業実施の環境が整っている6区間が選定された。

B/Cでは、事業化区間を含むネットワークの便益として試算。北海道横断自動車道の蘭越倶知安道路・ニセコ~倶知安は総費用2474億円、総便益3576億円でB/Cは1・4。女満別空港網走道路・女満別空港~網走呼人は総費用4747億円、総便益5746億円で1・2。ともに観光振興の支援や物流の円滑化、高次医療施設への速達性・安定性等に資するものとして評価された。

四国横断自動車道の宿毛内海道路は2区間の事業化が決まった。一本松~御荘と宿毛和田~宿毛新港のB/Cはともに1・9。南海トラフ地震の発災が懸念される中、信頼性の高いネットワークの確保や災害に強いまちづくりの支援に寄与することを評価。地場産品の流通促進による産業振興、観光振興等にも寄与するものと評価された。

髙山東道路・平湯~久手は北陸圏と中部圏、関東圏を繋ぐ中部縦貫自動車道の、南郷奈留道路は東九州自動車道のミッシングリンク解消につながるもので、待望の事業化となる。

このほか、高速道路会社が24年度に4車線化に着手する箇所のうち、整備計画変更済みの2カ所を除く道東自動車道・追分町IC~夕張ICなど9カ所の整備計画の変更も妥当とされた。

有料道路事業2路線に導入

同日の事業評価部会では、有料道路事業の新規導入・変更関係についても審議。都道首都高速1号線新京橋連結路、一般国道43号名神湾岸連絡線への新規導入、大阪市道高速道路淀川左岸線淀川左岸線(2期)の事業費変更は妥当とされた。

有料道路事業費は新京橋連結路が約1290億円(全体事業費約1790億円)、名神湾岸連絡線が阪神高速分約500億円、西日本分約30億円の計約530億円(同1050億円)。淀川左岸線(2期)は事業許可済み約95億円から約595億円に拡大。近畿圏の料金改定で確保する有料道路事業費を活用する。

■2024年度(直轄道路事業)新規事業候補箇所、有料道路事業の新規導入・変更関係(PDF)

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