国土交通省が整備を進めていた復興支援道路・宮古盛岡横断道路のうち、県内最大の難所・区界峠のバイパスとなる区界道路(区界~簗川間・延長8㌔)が12月5日午後3時に開通する。
区界道路は宮古市区界と盛岡市簗川を結び、岩手県で最長の新区界トンネル(約5㌔)と簗川トンネル(約1・6㌔)を設置。開通式典は、新型コロナ感染拡大防止の観点から関係者のみで開催。
今回開通するのは宮古~盛岡間を結ぶ国道106号のバイパスで、区間中最も標高が高い区界峠(標高750㍍)の区間に並行する。現道は、S字を描く急カーブ、急勾配が最も多く、冬季には雪で視界不良に見舞われるなど、重大事故の危険性が高く最大の難所となっていた。
区界峠を回避できることにより宮古市から盛岡市の岩手医科大学付属病院までの所要時間は22分短縮され、全線開通後はさらに18分短縮されることとなり、救急医療の迅速化が期待される。
岩手県は宮古市などの沿岸部や、盛岡市などの内陸部に観光資源が多く立地しているため従来、国道106号を観光目的で利用する際、冬期の路面凍結等の走行性の悪化が挙げられ、冬期の交通量が減少していたが、今回の整備により、内陸と沿岸地域を結ぶ冬期の観光流動創出を目指している。「特に冬期の走行不安が解消され、毛ガニ祭り等のイベントや震災学習などの利用客増加に期待している」といった声も寄せられている。