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9月5日未明の火災で被災した山陽自動車道・尼子山トンネル(下)復旧の影響で通行止めとなっていた播磨JCT~赤穂IC間が15日午前11時、3カ月ぶりに通行再開となり、地域に安心の輪が広がった。
年末の交通混雑期前の解除を目指し、鹿島建設・能美防災・浅海電気・NIPPO・NEXCO西日本グループ会社の協力を得て24時間体制で復旧作業にあたっていたNEXCO西日本関西支社の安達雅人支社長は、「多くの関係機関の皆様からの多大なるご支援・ご協力をいただいた結果、12月末の当初予定を約2週間前倒しして通行止めを解除することができた」と謝意を示している。
この火事では、走行中のトラックから火が出て40時間にわたり燃え続け、23台が焼けた。全長592㍍のトンネルは、大阪側の東坑口側から約400㍍が黒く焼け焦げ、コンクリート壁が剥落。照明等トンネル付属物や覆工コンクリート本体も甚大な損傷を受けた。
過去に前例のない“火害”を重く見たNEXCO西日本では9月8日、調査や復旧工法の選定にあたる「山陽自動車道 尼子山トンネル火災事故技術検討会」(委員長=砂金伸治・東京都立大学教授)を立ち上げ、今月7日まで4回にわたる検討を重ねていた。
また、今回の通行止めでは、交通の大動脈・山陽道が寸断し、物流や地域交通への多大な影響が懸念されたことから、近畿地方整備局を主体に学識経験者、沿線自治体、高速道路会社などで構成する「山陽道トンネル内火災事故に対する交通マネジメント検討会」が発足。中国道への広域う回の強化や、通常時の2倍に交通量が増えていた一般国道2号の混雑緩和策を打ち出していた。
写真=(中)復旧作業が完了した尼子山トンネル、(下)火災事故で損傷したトンネル内部