政府は昨年12月22日、18年度予算案を閣議決定した。国土交通省の予算案は、一般会計総額が前年度を0・2%上回る微増の5兆8047億円となった。一般会計総額のうち、公共事業関係費は前年度比微増の5兆1828億円。道路関係予算案は国費ベースで前年度比4%増の1兆7267億円と決まった。首都圏中央連絡自動車道や東海環状自動車道など大都市圏環状道路の整備を加速させるため、既報の通り財政投融資1・5兆円を活用することも盛り込まれた。
道路関係予算の内訳は、直轄事業がほぼ横ばいの1兆5562億円、補助事業が同13%増の974億円、有料道路事業等が同32%減の141億円、空港や港湾へのアクセス道路整備などに充てる社会資本整備総合交付金(交通拠点連携集中支援事業)が皆増の590億円。また、東日本大震災復興特別会計で、早期復興を目的とした道路整備事業に2090億円を確保した。
財投活用では、圏央道の大栄JCT~松尾横芝ICの整備と久喜白岡JCT~大栄JCTの4車線化を進め、24年度の全面開通を目指すほか、東海環状自動車道の高富IC~大野・神戸IC、北勢IC~大安ICの整備を進め24年度の全面開通を目指す。東海環状道については、美濃加茂IC・SA~土岐JCTで付加車線の設置も併せて進める。
加えて、暫定2車線で開通している高速道路(一般国道)のうち、渋滞している区間の4車線化にも取り組むほか、今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率の高い地域の橋梁の耐震強化にも充てる。
また、高規格幹線道路と一般道をつなぐアクセス道路を整備する地方公共団体を支援するための個別補助制度を創設。ICの開通予定時期が公表されていることを適用要件に、未開通の高速道路のIC周辺の道路整備を計画的かつ集中的に支援するため、90億円が新たに計上された。
安全・安心の確保では、直轄高速道路の暫定2車線区間における事故防止策として、ワイヤロープ設置等のための予算措置が講じられるよう、交通安全事業の制度も拡充された。
道路財特法継続、拡充へ
今回の予算案では道路整備に関する財政上の特例措置として、かさ上げ措置の見直し案も示された。
見直し案では、今年度末までの時限措置となっている財特法の規定によるかさ上げ措置を平成40年3月末まで継続することを明記。すべての補助事業と一部の交付金事業の国庫補助負担率を2分の1から10分の5・5に拡充する。
財政力の低い自治体に対して、これまで除外されていた市町村道の改築や補助国道等の修繕なども事業の対象に加え、支援強化を図る。
国交省では通常国会に道路財特法改正案を提出する予定。