2019年度道路予算 前年度比16%増の1兆9346億円 財投1兆円活用で4車線化等

政府は21日、19年度予算案を閣議決定した。道路局関係予算では、国費ベースで前年度比16%増の1兆9346億円を計上。7月豪雨や北海道地震等を受けて政府が策定した「防災・減災、国土強靭化のための3カ年緊急対策」に臨時・特別の措置として1489億円が計上された。

道路局関係予算の内訳は、直轄事業が同1・0%増の1兆5718億円、補助事業が102%増の1965億円、有料道路事業等が24%増の175億円。

予算とは別に、国の財政融資1兆円を活用し、災害時の交通確保に向けて暫定2車線区間の4車線化等を推進する。また、自治体が管理する橋の老朽化対策を加速させるため、大規模修繕・更新補助制度の要件を緩和することも盛り込まれた。

7月豪雨や9月の北海道地震等を受けて実施した重要インフラの緊急点検では、暫定2車線の一部区間で土砂災害の危険性が高いことが判明。このため該当する約100㌔の区間で4車線化を実施する。加えて、物流ネットワーク確保による生産性向上のため、新名神高速道路・亀山西JCT~大津JCT間の6車線化や枚方トンネル等の付加車線設置を行う。

自治体の管理する大規模な橋梁等の老朽化に関しては、大規模修繕・更新補助制度の要件を緩和。具体的には、対象となる都道府県・政令市の修繕事業を現行の10億円以上から5億円以上に、市区町村は3億円以上から1億円以上にそれぞれ引き下げる。都道府県・政令市の更新事業は50億円以上から35億円以上に引き下げる。

今年3月の道路法改正で創設された、物流面で重要な道路網を国が指定する「重要物流道路」制度については、個別補助制度を創設。重要物流道路に今後指定する、空港や港湾へのアクセス道路などの整備を重点的に進める方針だ。

◆2次補正も決定 国交省8915億円

政府は21日、18年度補正予算案も閣議決定した。国土交通省関係の総額は8915億円。「防災・減災、国土強靭化のための3カ年緊急対策」のうち、初年度の対策として速やかに着手すべきものが計上された。

内訳は緊急対策に6323億円、中小企業・小規模事業者に対する支援2億円、災害復旧等を含むその他喫緊の課題への対応2589億円。

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