平成23年12月14日実施 「第2回東名・新東名見学会」2012年02月25日
NPO法人高速道路友の会と全国高速道路建設協議会は昨年12月14日、「第2回東名・新東名高速道路見学会」を共催。4月14日に開通する御殿場JCT~三ヶ日JCT間(延長162㌔)の最終段階に入った工事現場を見学した。
当日は、午前9時15分に東京駅鍛冶橋駐車場に集合。バスに乗り込み、東名川崎ICの交通管制室へ移動。最新の設備についての解説を受けて室内を見学。その後、1昨年11月にオープンしたエクスパーサ足柄を視察し、NEXCO中日本最大のサービスエリアの賑わいを体感した。
午後からは、開通区間にある富士川トンネル、富士川橋、新富士IC、駿河湾沼津SAを見学。様々な技術賞を受賞した構造物を前にパネルなどで施工法の説明を受けた。
見学会には約50人が参加。開催後に行ったアンケートでは、現地・バス内の説明について、どちらも97%の参加者から「良かった」との意見が寄せられている。
事務局では、第3回目となる東名及び新東名高速道路の見学会を現在企画の中で、開通後を目途に開催の予定。
開通日、ほぼ決まる-年度内に215.3㌔開通予定-2012年02月25日
平成23年度に予定されている高規格幹線道路の開通日がほぼ出揃った。
本協議会の調べによると、今年度開通するのは高速自動車国道140.5㌔、一般国道自動車専用道路64.1㌔、高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路10.7㌔の合計215.3㌔。年度当初の公表値は267.2㌔だったが、東日本大震災の福島原発の影響で常磐自動車道・常磐富岡~南相馬間の開通が困難、北近畿豊岡自動車道(和田山八鹿道路)和田山JCT~八鹿氷ノ山間が24年度開通、西九州自動車道(唐津伊万里道路)唐津~北波田間のうち、千々賀山田~北波田間が25年度開通となったこと等から合計値が変更となっている。
なお、2月25日時点では、常磐道・南相馬~相馬間延長14㌔、京奈和自動車道(紀北東道路)高野口~紀北かつらぎ間延長4㌔、同道(大和御所道路)橿原高田~御所間延長3.7㌔の開通日は未公表となっている。
今年初の開通は3月4日の三遠南信自動車道(三遠道路)鳳来峡~浜松いなさ北間延長13.4㌔。新東名とアクセスする浜松いなさ北~浜松いなさJCT間0.5㌔は、24年度の開通第一号となる新東名162㌔と同じ4月14日に待望の開通日を迎える。
ミッシングリンク解消と4車線化の促進要請へ-全国高速自動車道市議会協議会総会-2012年02月20日
全国高速自動車道市議会協議会(会長=妻鹿常男・高松市議会議長)は20日、第38回定期総会を開き、平成24年度運動方針案等を審議。地域の願いであるミッシングリンク解消と4車線化事業の促進等に向け、会員総意のもと、政府関係機関へ強力に要請していくことを誓い合った。
冒頭、妻鹿会長が挨拶に立ち、取り巻く諸情勢について「高規格幹線道路網の供用率は未だ7割に過ぎず、長期化する経済不況と相まって、その建設促進への道のりは非常に厳しい」と指摘。
「高速道路はミッシングリンクが解消され、全体がネットワークで結ばれてこそ、その効果を最大限に発揮する。高規格幹線道路網14,000㌔が早期に整備され、各地域が結びつくことが地域振興のため重要」として、一致協力を呼びかけた。
続く来賓挨拶では、衛藤征士郎・衆議院副議長が「歴史的な円高と法人税実効税率の高止まりから、特に地方では産業の空洞化が加速度的に進む。国政の過ちを地方に転嫁する状況に、政治は反省しなければならない」とした上で、「地域軸を担う高速道路は雇用をつくり、雇用を守る。道路財源の確保に向け、身命を賭したい」と決意を語った。
議案審議では、平成24年度運動方針案、会議・運動日程案など事務局案を原案どおり了承。任期満了に伴う役員改選では、田村雄二・苫小牧市議会議長を新会長に選任した。
最後に、①高規格幹線道路網の整備は国土建設の要であり、その政策の持続可能かつ明確な方向性を示すとともに、恒久財源の確保に万全を期すこと②地域の自立支援や観光振興などに資するよう、ミッシングリンク解消のための必要十分な予算を確保すること―等を骨子とする大会決議案を満場一致で採択した。
和歌山県串本町に「みんなの高速道路建設促進串本協議会」発足2012年02月14日
本州最南端の町、和歌山県串本町に、町内の一般企業代表らを中心とした「みんなの高速道路建設促進串本協議会」が発足。今月14日、串本町文化センターで設立総会が開かれ、45団体代表者が出席した。
串本町では昨年9月の台風12号来襲時、唯一の幹線道路である国道42号で土砂崩れ、越波が発生し、機能麻痺に陥ったことから、「このような道路事情では、近い将来非常に高い確率で想定されている東海・東南海・南海地震発生時には確実に寸断され、当地域が孤立化することは明白」と、災害に備えた“命の道”確保に対する機運が高まっていた。
設立発起人の田嶋勝正・串本町長は、「田辺からすさみ町江住までは平成27年度完成を目指し現在工事中でありますが、それより以南についてはまだ決定されておりません」と述べ、①近畿道紀勢線(すさみ~那智勝浦間)の計画段階評価と早期事業実施に向けた手続き着手、②大規模災害に備えた高速道路整備が着実に進むよう整備に必要な予算確保、③都市圏と格差が生じている地方の現状を踏まえ、これ以上道路整備が遅滞することのないよう優先的に予算を配分すること――等を、会員一丸で活動することを誓った。
この日、会長に選ばれた高井英二・会長(映画「エルトゥ-ルル」(仮題)製作準備委員会会長)は、「昨年は東日本大震災や台風12号があり、災害の多い1年だった。命をつなぐ高速道路建設に向けて努力したい」と挨拶した。同協議会では、東日本大震災からちょうど1年の3月11日に、町内で千人規模のデモ行進を実施する予定。
県議会議員の会 -道路財源確保求める-自民党特命委員会への要請も確認2012年02月08日
「道路財源確保を求める都道府県議会議員の会」(代表発起人・佐々木雄三島根県議会議員)は8日、打ち合わせ会を開き、22日に行われる自民党・道路政策特命委員会(委員長・古賀誠衆院議員)への要望等について協議。国民の安心、安全な生活を支える道路整備のため、財源の長期的、安定的な確保等を訴えていくことを確認した。
来賓で挨拶した自民党「人に優しい道づくり議員連盟」の山本有二会長は「国家戦略として進めるべきの高規格幹線道路網1万4000㌔計画が曖昧になっている。会社法の見直しに向け、改めて道路公団民営化を検証し、会社の新線建設など早期ネットワーク化を検討したい」と指摘。また、道路整備の恒久財源確保に向けても、自動車重量税の活用など積極的に取り組む姿勢を強調した。
新名神の早期整備を要請 ~鈴木三重県知事と嘉田滋賀県知事~2012年02月01日
鈴木英敬・三重県知事と嘉田由紀子・滋賀県知事は、抜本的見直し区間を抱える新名神高速道路(新名神)の早期整備を求めて1日、亀山・大津・甲賀市長、菰野町長らとともに国土交通省の吉田治・副大臣を訪ね提言活動を行った。
新名神高速道路建設促進期成同盟会と新名神高速道路三重・滋賀建設促進県民協議会の会長を務める鈴木知事は、新名神高速道路にアクセスする東名阪道四日市地区について「中日本高速管内で2番目の渋滞箇所であり、平成26年に新東名が豊田東まで開通すればワースト1になることは確実」と説明。「抜本的な対策のために新名神の早期開通を」と要請した。
また、先送りになっている亀山西JCTのフル化、事業中の鈴鹿PAに計画しているスマートICについても「菰野~亀山西JCTが開通する平成30年度にあわせた早期の連結許可を」と訴えた。
さらに、嘉田知事は新名神高速について「日本は地震の頻発期に入っている。ネットワークの多重性の観点で、国土軸として新名神が必要。また、現名神高速は、昭和38年に全通し、50年近くが経過した日本最古の高速道路。そこに昨年の盆には18万台も通行している。あるとき、ぽきっと折れるのではないかと思うと安心できない。名神高速の更新・修繕のためにも新名神高速の抜本的見直し区間の着工が不可欠。また、NEXCO西日本が事業費の手当てをしているので、税金に迷惑はかけないということを国民に知らせ、着工に向け議論頂きたい」と述べた。
沿線首長からの要望に真剣に耳を傾けていた吉田副大臣は、抜本的見直し区間については「地元を知らない方が決めたこと。あり方委員会の中間とりまとめを踏まえて対応方法を考えたい」と話し、副大臣在任中に解決したい考えを明らかにした。
道路評価の見直しについては吉田副大臣が「阪神大震災のときにも高速道路が重要だった。評価のあり方について、知事、首長からアイデアを賜って進めたい」と話し、「B/CからBCP (business continuity plan=事業継続計画)になれば復興も早まるのでは?」と嘉田知事が即座に提案する場面もあった。
◆新名神高速道路=法定名称は近畿自動車道名古屋神戸線。愛知県名古屋市から兵庫県神戸市を東西に結ぶ延長約174㌔。NEXCO中日本とNEXCO西日本が、総延長の8割を平成30年度までに開通させようと工事を進めている。残る2割の鍵を握る大津JCT~城陽、八幡~高槻第一JCT合計35㌔は、道路公団民営化の審議過程の中で「抜本的見直し区間」とされ、事業の着工については、主要な周辺ネットワークの供用後における交通状況等をみて改めて判断することとされた。平成21年の第4回国幹会議では抜本的見直し区間の審議は行われなかったものの、各委員から凍結解除の要請が相次いだ。
抜本的見直し区間の着工判断に必要とされた第二京阪道路の全通以降、名神・京滋バイパスの渋滞が激化。名神高速の老朽化も懸念される中、沿線自治体では「もうこれ以上待つわけには行かない」と昨年10月、東京でミッシングリンク解消を訴えるシンポジウムを開催。山田啓二・京都府知事と嘉田知事が前田大臣に要望。NEXCO西日本の西村社長も同行し、建設への強い意欲を語った。
今年に入ってからは1月19日、京都府の太田昇副知事が沿線首長とともに吉田副大臣に要望。吉田副大臣が「可及的速やかに結論を出したい」と述べている。