2013年 高速道路行政の動き

平成26年度 道路局関係予算決定概要/国土交通省2013年12月24日

平成26年度 道路局関係予算決定概要[国土交通省]

平成26年度国交省予算案道路関係1兆3562億円計上(都市圏環状道路整備10%増、1681億円)2013年12月24日

政府は24日、平成26年度予算案を閣議決定した。国土交通省予算は国費総額で対前年度比2%増の5兆1616億円。このうち、公共事業関係費は同2%増の4兆5580億円が計上された。高規格幹線道路関係で見れば、代替性確保のための高規格幹線道路整備等に対前年度比4%増の4121億円、圏央道など三大都市圏環状道路の整備に同10%増の1681億円が計上された。また、新規に制度要求されていたスマートIC整備の継続も認められ、今後、費用の一部を国が負担する制度の創設を目指す。

平成26年度の道路局関係予算は、対前年度比1・1%増の1兆3562億円を計上。復興道路・復興支援道路の緊急整備をはじめとする東日本大震災からの復興加速、道路ストックの老朽化対策や代替性確保ネットワーク整備などによる国民の安全・安心の確保、物流ネットワークの整備等による経済・地域の活性化に重点的に取り組む。

このうち、有料道路事業費は同69%減の214億円。前年度に405億円投入していた本四高速への出資を取りやめることから大幅減となった。

新規に制度要求していた①高速道路の更新投資に伴う料金徴収の継続②スマートIC整備の継続③直轄道路修繕事業に係わる国庫債務負担行為の制度の拡充――についても認められた。

国交省全体で施策別に見ると、「代替性確保ネットワーク整備等の防災・震災対策」は対前年度比4%増の4121億円。地震・津波発生や豪雨・豪雪時等に広域交通に影響を及ぼす恐れがある区間について、代替性確保のための高規格幹線道路等の整備を推進するほか、斜面・盛土等の防災対策、耐震対策も推進する。

「社会資本の戦略的な維持管理・更新の推進」には同8%増の3199億円を計上。道路の老朽化対策として、点検、診断や長寿命化計画の充実によるメンテナンスサイクルを推進するとともに、地方公共団体への技術的支援の充実や維持管理技術に関する研究開発、道路情報プラットフォームの構築、高速道路の更新に関する取り組み等を推進する。

「効率的な物流ネットワークの強化」には同10%増の1681億円を計上した。これにより、迅速かつ円滑な物流の実現、国際競争力の強化、交通渋滞の緩和等を図るため、圏央道など三大都市圏環状道路等を重点的に整備。こうした根幹的な道路網を中心に、改正道路法に基づく「大型車両の通行を誘導すべき道路」に指定し、当該道路を通行する大型車両の通行許可手続を迅速化するとともに、通行支障区間の計画的な解消を目指す。

競争力強化のための社会資本の総合的整備を支援する「社会資本整備総合交付金」は同1%増の9124億円と、ほぼ前年並みを確保。都市・地域の立地競争力の強化を図る観点から、スマートICと物流拠点等を結ぶアクセス道路の整備などを支援していく。

◆平成26年度道路関係予算と主な施策別予算の概要(高規格関係)PDF

新たな高速道路料金に関する基本方針の決定について/国土交通省2013年12月20日

新たな高速道路料金に関する基本方針の決定について[国土交通省]

国交省関係補正予算1兆151億円を計上競争力強化策2953億円、復興・防災等5598億円2013年12月20日

政府は12日の臨時閣議で、総額5兆4654億円の平成25年度補正予算案を閣議決定した。このうち、国土交通省関係は1兆151億円を計上。自治体負担分なども含めた事業費ベースでは2兆500億円となった。

公共事業関係費は7481億円(事業費ベース1兆7304億円)。その大部分は26年度当初予算編成で要求していた費用の前倒し。26年度概算要求段階の公共事業関係費5兆1986億円から、単純に補正予算案の額を差し引くと、25年度当初とほぼ同水準となる。

1兆151億円は、先に決まった「好循環実現のための経済対策」に基づき配分され、「競争力強化策」に2953億円、「復興、防災・安全対策の加速」に5598億円、「低所得者・子育て世帯への影響緩和、駆け込み需要及び反動減の緩和」に1600億円を積み上げた。

競争力強化では、物流ネットワークの強化に資するものとして、三大都市圏環状道路や空港・港湾へのアクセス道路の重点整備に176億2300万円、渋滞ボトルネック対策等に443億5000万円、阪神港と京浜港のコンテナターミナル整備に93億8000万円、首都圏空港の機能強化に70億1500万円を計上した。

このほか、地域の成長力の底上げ等を図る社会資本の総合的整備として社会資本整備総合交付金1309億7500万円を計上。物流ネットワークの強化、都市機能の集約、観光振興の取り組みの強化など地方公共団体の事業を支援する。

高速道路料金割引には、利便増進事業終了に対する激変緩和措置として620億円を計上。消費税増税後の来年4~6月の景気腰折れを回避するため、今年度末までが期限だった地方部の高速道路の休日5割引きを来年6月まで継続するなどの財源に充てる。

復興、防災・安全対策の加速では、事前防災・減災対策として河川737億1500万円、道路150億1900万円、港湾39億1700万円、空港15億7600万円、鉄道59億3100万円などを配分。代替性確保のための道路ネットワーク整備には449億3900万円を計上した。

老朽化対策では、ストックの点検や老朽化対策費用、対策に活用する技術開発などの費用を計上。このうち、道路の老朽化対策として531億9600万円が計上された。

高速料金の基本方針決定/本四は全国路線網に編入し値下げへ2013年12月20日

国土交通省は20日、平成26年度以降の高速道路料金の基本方針を決定した。先にまとめられた国土幹線道路部会の中間答申に基づき、今後の料金について整備重視から利用重視の料金に転換。普通区間、大都市近郊区間、海峡部等特別区間の3つの料金水準に整理し、普通区間は24・6円/㌔、海峡区間は108・1円/㌔を基本とし、大都市区間については当面現行水準を維持し、首都圏3環状道路が概成する27年度以降、改めて検討する。

26年度以降、国、関係10府県市の財政支出がなくなる本四の料金については、1兆4000億円余の債務を東日本、中日本、西日本の高速3社の債務に付け替え、全国路線網に編入する全国プール制を導入。現行の割引水準を維持することで、ETC車を対象に神戸淡路鳴門自動車道は5450円から3200円、瀬戸中央自動車道は4100円から2200円、西瀬戸自動車道は4700円から2800円に、それぞれ定価を値下げする。

また、割引継続の要望が強かった東京湾アクアラインについては、当分の間、千葉県による費用負担を前提に、普通車800円としている値下げ料金を継続することも決めた。

高速道路のS A / P A 事業への民間事業者等の参入を促進するための情報提供を開始/国土交通省2013年12月17日

高速道路のS A / P A 事業への民間事業者等の参入を促進するための情報提供を開始しました! [国土交通省]

高速道路料金割引(利便増進事業終了に対する激変緩和)/国土交通省2013年12月12日

高速道路料金割引(利便増進事業終了に対する激変緩和)(PDF)[国土交通省]

高速道地方部の休日割引5割引きを3割引きに縮小2013年11月29日

NEXCO東日本、中日本、西日本の高速道路3社は11月29日、地方部の土日祝日5割引きを3割引きに縮小するなど、平成26年4月からの新たな料金割引案をまとめた。現行制度を大幅に見直し、深夜割引を縮小するほか、地方部の平日昼間(午前9時~午後5時)の3割引きや大都市部の土日祝日3割引きは廃止する。

現在の割引制度は、高速道路会社が年5000億円、国が年4000億円を負担。国の財源は利便増進事業費で賄っていたが、その財源が今年度末で無くなるため、新たな制度を検討していた。

高速道路の夜間利用を促進するため導入した深夜割引(午前0時~4時)は割引率を3割として継続。通勤時間帯(午前6時~9時、午後5時~8時)の割引は、多頻度利用する車に限定する。

一方、トラックなどが対象で、月間の利用額が多いほど割引率が高くなる大口・多頻度割引は、現行の最大3割引きから4割引きに拡大する。

政府は来年4月からの消費増税による利用者の負担増に配慮し、近く策定される経済対策を踏まえ決まる平成25年度補正予算案に数百億円を計上して高速会社を支援する方針。年末までに国費分を含めた新しい料金の基本方針を固め、パブリックコメント、NEXCO申請、国の事業許可と続き、来年4月1日より新割引がスタートする。

第28回日中道路交流会議の開催について(報告)/国土交通省2013年11月29日

第28回日中道路交流会議の開催について(報告)[国土交通省]

高速道路(NEXCO)の料金割引案について/国土交通省2013年11月29日

高速道路(NEXCO)の料金割引案について(PDF)[国土交通省]

道路4団体「安全・安心の道づくりを求める全国大会」長期安定的な道路予算確保を!2013年11月28日

全国高速道路建設協議会(会長=横内正明山梨県知事)ほか全国道路利用者会議、道路整備促進期成同盟会全国協議会、全国街路事業促進協議会の道路関係4団体は11月28日、「安全・安心の道づくりを求める全国大会」を開催。全国から駆け付けた約1300人が見守る中、長期安定的な道路予算確保を謳った大会決議を満場一致で採択し、財政諮問会議の公共事業削減要請に対して強烈なNOを突きつけた=出席国会議員等の来賓出席者一覧は最下部掲載。

会場には、11月に財政諮問会議の民間議員が公共事業費の削減を要請したことに強い危機感を抱く地域住民、国会議員など約1300人が参集。地方の実情を把握しない無責任な提言に怒りを募らせる声で充満した。

大会は道全協副会長の古口達也栃木県茂木町長の司会進行で始まり、主催者を代表して利用者会議の綿貫民輔会長が「防災・減災の観点からも道路ネットワークの強化は絶対に必要」と挨拶。「長期安定的に道路予算を確保し、速やかに事業が推進されるよう全力を投入する。我々が求めている道路整備に無駄はない」と熱く語り、不退転の決意を示した。

来賓挨拶では太田昭宏国土交通大臣(増田雄一事務次官代読)が「東日本大震災を経験し、道路は“命の道”としていかに大事か再認識した。道路は繋がってこそ初めて機能を発揮する。災害時に一つの道路が遮断されても、他に選択肢があるというリダンダンシーの確保も重要で、防災・減災の観点から道路ネットワークの強化をしっかり進める。本年をメンテナンス元年と位置付け、国民の命を守る公共事業としてインフラの維持・更新、老朽化対策にも取り組む」と挨拶。

また、梶山弘志衆議院国土交通委員長は、前職の国土交通副大臣時を振り返り「全国北から南まで全国から要望をいただいたが、その大半が道路整備だった」と語り、衆院国土交通委員会として大会の思いを受け止め、「しっかり事業に取り組める予算の確保に最善を尽くす」と誓った。

意見発表では、横内全高速会長が「高規格幹線道路の供用率は未だ7割台にとどまっており、整備の遅れは否めない。整備の遅れは地域の防災・減災対策に大きな支障を来たすだけでなく、国際競争力の低下や過疎化など地域間格差を拡大する一因にもなっている」と指摘した。

更に、横内会長は、ボトルネック対策や老朽化対策の推進、スマートIC整備財源の確保など懸案の諸課題に触れながら、1月に出された経済財政諮問会議の民間議員から出された提言にも言及。「平成26年度予算において公共事業費を削減すべきとのことだが、景気回復の下支えをしているのは公共投資だ。来年4月からの消費税増税で約8兆円の所得を民間から吸い上げた上で、公共投資を減らせば再びデフレが襲い、景気は腰折れする」と主張し、公共事業費の増額の必要性を訴えた。

意見交換に続いて、宮本和宏滋賀県守山市長が大会決議案を朗読。①東日本大震災からの復興加速と事前防災・減災対策②高規格幹線道路等の未整備区間の解消③人流・物流の円滑化のための渋滞対策④道路構造物の老朽化対策⑤通学路等の交通安全対策⑥スマートICや「道の駅」の整備――の推進し、長期安定的に道路整備を進めるため、平成26年度道路関係予算の確保を求める決議案を満場一致で採択し、大会終了後、関係機関への要望活動を実施した。

 

大会決議

道路の質を高め、地域の安全・安心、地域経済の振興を図るため、次に掲げる道路整備については、道路利用者の意見を十分反映しつつ、計画的かつ着実に推進すること。

一.東日本大震災からの復興加速と事前防災・減災対策

一.高規格幹線道路等の未整備区間の解消

一.人流・物流の円滑化のための渋滞対策

一.道路構造物の老朽化対策

一.通学路等の交通安全対策

一.スマートICや「道の駅」の整備

長期安定的に道路整備が進められるよう、平成二十六年度道路関係予算は、「新しい日本のための優先課題推進枠」を含め、所要額を確保すること。

平成二十五年十一月二十八日

安全・安心の道づくりを求める全国大会

 

◆大会参加者(敬称略)

【衆議院国土交通委員長】

梶山弘志(自民党)

【衆議院議員本人】

井林たつのり、井上信治、今枝宗一郎、衛藤征士郎、遠藤利明、小里泰弘、大串正樹、金子恵美、金子恭之、金田勝年、神山佐市、木村太郎、黄川田仁志、北村茂男、小島敏文、小林茂樹、左藤章、坂本剛二、坂本哲志、桜井宏、櫻田義孝、笹川博義、島田佳和、瀬戸隆一、田野瀬太道、高橋ひなこ、武部新、津島淳、冨樫博之、豊田真由子、中村裕之、中山泰秀、長坂康正、西川京子、西村明宏、葉梨康弘、平口洋、藤井比早之、堀内詔子、三ッ林裕巳、盛山正仁、山口泰明、山田賢司、山本幸三、山本有二(自民党)岩永裕貴、上野ひろし、西岡新、三木圭恵、村岡敏英(日本維新の会)畑浩治(生活の党)阿部寿一、鈴木たかこ、野間健(無所属)

【参議院議員本人】

井原巧、石井正弘、岩城光英、小泉昭男、佐藤信秋、藤川政人、堀井巌、松下新平、三木亨、山下雄平、山田修路(自民党)柴田巧(みんなの党)

【衆議院議員代理出席】

阿部俊子、青山周平、赤沢りょうせい、麻生太郎、穴見陽一、井上貴博、池田道孝、石破茂、岩屋毅、江﨑鐵磨、江渡聡徳、小此木八郎、小田原潔、大島理森、大塚高司、大西英男、大見正、奥野信亮、加藤勝信、勝沼栄明、亀岡偉民、川崎二郎、川田隆、菅家一郎、菅野さちこ、神田憲次、木原誠二、木原稔、岸信夫、岸田文雄、北川知克、工藤彰三、小林鷹之、小松裕、今野智博、塩崎恭久、塩谷立、白石徹、助田重義、鈴木俊一、鈴木淳司、薗浦健太郎、田中和德、田中英之、田中良生、田村憲久、竹下亘、竹本直一、武井俊輔、武田良太、武村展英、橘慶一郎、棚橋泰文、土屋正忠、冨岡勉、豊田真由子、中谷元、中谷真一、長島忠美、永山文雄、西川公也、額賀福志郎、野田聖子、野田毅、萩生田光一、橋本岳、鳩山邦夫、林田彪、福田達夫、藤原崇、船田元、船橋利実、古川禎久、古屋圭司、保利耕輔、細田健一、細田博之、牧島かれん、牧原秀樹、町村信孝、三ツ矢憲生、三原朝彦、御法川信英、宮内秀樹、宮下一郎、武藤貴也、村井英樹、茂木敏充、森英介、保岡興治、簗和生、山口俊一、山本公一、山本幸三、山本拓、吉川貴盛(自民党)大口善德、高木美智代(公明党)大串博志、寺島義幸、松本剛明、若井康彦、鷲尾英一郎(民主党)井上英孝、伊東信久、小沢鋭仁、坂元大輔、椎木保、重徳和彦、園田博之、高橋みほ、中丸啓、平沼赳夫、藤井孝男、松田学(日本維新の会)

【参議院議員代理出席】

青木一彦、石井準一、石井浩郎、磯﨑仁彦、岩井茂樹、宇都隆史、尾辻秀久、大家敏志、大野泰正、岡田直樹、金子原二郎、岸宏一、北村経夫、熊谷大、小坂憲次、佐藤ゆかり、酒井康行、島田三郎、関口昌一、伊達忠一、高橋克法、滝沢求、滝波宏文、塚田一郎、鶴保庸介、堂故茂、豊田俊郎、中泉松司、中西祐介、長峯誠、二之湯武史、野上浩太郎、野村哲郎、長谷川岳、橋本聖子、林芳正、福岡資麿、古川俊治、舞立昇治、松山政司、丸川珠代、森まさこ、森屋宏、山下雄平、山本一太、山本順三、脇雅史、渡辺猛之(自民党)山口那津男(公明党)野田国義、羽田雄一郎、林久美子(民主党)片山虎之助、中野正志(日本維新の会)

【祝電・衆議院議員】

松本純、大久保三代、義家弘介(自民党)漆原良夫(公明党)中丸啓(日本維新の会)

【祝電・参議院議員】

佐藤信秋、関口昌一、脇雅史(自民党)藤本祐司(民主党)

第2回インフラ老朽化対策の推進に関する関係省庁連絡会議の開催について/国土交通省2013年11月27日

第2回インフラ老朽化対策の推進に関する関係省庁連絡会議の開催について[国土交通省]

道路案内標識における英語表記改善の状況について~外国人旅行者にも分かりやすい道路の案内標識へ~/国土交通省2013年11月27日

道路案内標識における英語表記改善の状況について~外国人旅行者にも分かりやすい道路の案内標識へ~[国土交通省]

「道路法施行令の一部を改正する政令」について/国土交通省2013年11月15日

「道路法施行令の一部を改正する政令」について[国土交通省]

積雪寒冷特別地域における道路交通の確保について/国土交通省2013年11月12日

積雪寒冷特別地域における道路交通の確保について[国土交通省]

11月下旬に基本計画/老朽化・関係省庁連絡会議が初会合2013年10月16日

政府は10月16日、道路や橋、港湾などインフラ老朽化対策の推進に関する関係省庁連絡会議の初会合を開き、11月下旬をめどに「インフラ長寿命化基本計画」を策定することを決めた。

内閣官房や国土交通省、農林水産省、文部科学省など、それぞれが所管するインフラの老朽化対策に取り組んできたものを統括することで、「施策やノウハウを共有し、効果的に対策を進められるようにする」(議長=古谷一之内閣官房副長官補)のが連絡会議の狙い。

昨年12月に発生した山梨県の中央自動車道・笹子トンネルの天井板崩落事故を契機に社会的関心が高まっているインフラ老朽化対策について、政府全体で底上げを図る方針だ。

初会合では、今後急増するインフラを安全に利用し続けられるようにするなど、基本計画の策定に向けた基本認識を共有。厳しい財政状況を踏まえ、中長期的な維持管理・更新コストの縮減・平準化を図るとともに、新技術の開発・導入の促進によってインフラの維持管理・更新を世界最先端の産業へと成長させることも確認した。

基本計画には、国全体で取り組む老朽化対策の目標や工程表、施策の方向性などを盛り込む。各省庁と自治体は基本計画を踏まえ、それぞれ所管するインフラについて中長期的な維持管理・更新コストの見通しや長寿命化の具体策などを示した行動計画を作成。連絡会議でも情報交換を重ねていく。

『ITS世界会議 東京2013』における道路局展示コーナーのオープニングセレモニー等/国土交通省2013年10月11日

『ITS世界会議 東京2013』における道路局展示コーナーのオープニングセレモニー等について[国土交通省]

「オートパイロットシステムに関する検討会」の中間とりまとめについて/国土交通省2013年10月08日

「オートパイロットシステムに関する検討会」の中間とりまとめについて[国土交通省]

◎全国高速道路建設協議会第49回大会に太田大臣が出席/国土交通省2013年09月26日

全国高速道路建設協議会第49回大会に太田大臣が出席[国土交通省]

1万1094㌔整備率約8割に平成26年度高規格幹線道路開通予定区間2013年09月15日

平成26年度、高規格幹線道路は約390㌔が開通。年度末の開通延長は1万1094㌔、整備率は約8割近くになることが概算要求で明らかになった。開通31区間の内訳は、高速自動車国道236㌔、一般国道自動車専用道路135㌔、高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路18㌔。近畿自動車道敦賀線、中国横断自動車道尾道松江線、京都縦貫自動車道、東広島・呉自動車道の4路線が待望の全線開通を迎える。

高速自動車国道は、11区間のうち北海道横断自動車道根室線・浦幌~白糠間(延長26㌔)や東九州自動車道・鹿屋串良~曽於弥五郎間(延長18㌔)など5区間が直轄高速。2区間が開通する常磐自動車は総延長約352㌔のうち338㌔が開通。整備率は96%になる。事業を担当しているNEXCO東日本東北支社では、最後の事業中区間となる常磐富岡~浪江間(延長14㌔)について、「高線量区間での作業となることから適切な放射線管理を行いながらの作業となること及び、労務員の安定的な確保に苦慮している状況ですが、平成26年度内の開通を目指す他の区間に大きく遅れることなく開通することを目指し事業を進めてまいりたい」と話し、現地では賢明な復旧工事が進んでいる。新東名は浜松いなさJCT~豊田東JCT間(延長53㌔)が開通し、総延長約330㌔のうち231㌔が開通、整備率は69%。四国横断自動車道徳島~徳島JCT~鳴門JCT11㌔は、鳴門以南への初開通。

一般国道自動車専用道路は17区間が開通し、うち4区間は首都圏中央連絡自動車道。合計44㌔が開通することで開通率は総延長300㌔の80%に達する見込み。2区間計10㌔が開通する能越自動車道は、総延長100㌔の96%が完成する。

高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路は3区間。山陰自動車道を構成する仁摩・温泉津道路と四国横断自動車道に並行する宇和島道路は今開通をもってどちらも全通。

エリアとして最も開通区間が多いのが、九州。3区間が開通する東九州自動車道(延長約436㌔)、2区間が開通する西九州自動車道(延長約150㌔)、南九州西回り自動車道(延長約140㌔)の全7区間。

(写真上)近畿道敦賀線・美浜~敦賀JCT間で建設が進む笙の川橋/(写真下)尾道松江線・世羅IC近くで整備中の芦田川橋

道路案内標識における英語表記について~外国人旅行者にも分かりやすい道路の案内標識へ~/国土交通省2013年09月11日

道路案内標識における英語表記について~外国人旅行者にも分かりやすい道路の案内標識へ~[国土交通省]

第1回 ラウンドアバウト検討委員会の開催/国土交通省2013年09月02日

第1回 ラウンドアバウト検討委員会の開催について[国土交通省]

【平成25年8月28日新着情報】第6回オートパイロットシステムに関する検討会に梶山副大臣と松下大臣政務官が出席/国土交通省2013年08月28日

【平成25年8月28日新着情報】第6回オートパイロットシステムに関する検討会に梶山副大臣と松下大臣政務官が出席[国土交通省]

15%増の1兆5371億円を要求「優先推進枠」活用して防災・震災対策など2013年08月27日

国土交通省は8月27日、平成26年度予算の概算要求を発表した。一般会計総額は対前年度比16%増の5兆8591億円、公共事業関係費は同17%増の5兆1986億円。このうち、道路局関係予算は国費ベースで同15%増の1兆5371億円、事業費ベースで同11%増の3兆6642億円を計上した。

今回の概算要求の大きな特徴は、裁量的経費を削った分、アベノミクスの柱となる「復興・防災対策」「成長による富の創出」「暮らしの安心・地域活性化」に資するものについて「新しい日本のための優先課題推進枠」を設け、税収等の動向を踏まえ措置するとしたこと。要求とともに要望を行い、予算編成過程において検討していくとしている。

道路関係の「推進枠」では、三大都市圏環状道路の整備を含む「効率的な物流ネットワークの強化」として893億円、全国ミッシングリンクを含む「代替性確保ネットワーク整備等の防災・震災対策」として2153億円、「道路の老朽化対策」として200億円、計3246億円が要望額として計上された。

「推進枠」を含めた要求額を政策ごとに見ると、防災・震災対策には4802億円を計上。津波などで道路が不通になった際の代替道路を確保するため、主要都市間を結ぶ高規格幹線道路の未整備部分、全国のミッシングリンクの早期解消に向け重点整備に取り組む。また、緊急輸送道路などの防災上重要な道路をふさぐことがないよう、電柱の地中化を推進する。

災害や不通箇所が多数発生した場合のため、カーナビゲーションの通行実績データやヘリコプターからの画像を活用し、被害状況を早期に把握できるようにする。一般道の「道の駅」では、災害用トイレや非常用電源を設置するなど、防災拠点としての機能を強化する。

道路の老朽化対策には1476億円を盛り込んだ。橋梁やトンネルを中心に、経年劣化による損傷が進んでいることから、点検、診断、措置、記録等のメンテナンスリサイクルによる対策を推進。道路施設に関する維持管理データと交通量データ等の情報を一元的に扱う道路情報プラットフォーム(仮称)を構築し、ICT(情報通信技術)や非破壊検査などを使って損傷の程度を把握。点検や修繕の結果をデータベース化し、長期にわたって計画的な維持管理が実施できる体制を整える。

代替性確保整備に4802億円スマートICの整備継続へ制度要求

また、国土幹線道路部会の中間答申に基づき、高速道路の更新投資に伴い、建設債務の償還満了後、継続して料金を徴収する制度も要求された。

物流ネットワークの強化には、2037億円を計上した。圏央道の沿線では開通後、新工場の建設が相次いでおり、新路線の開通効果が出ていることから、引き続き三大都市圏環状道路の整備を進める。都心部から離れた地域を結ぶ環状道路を整備することで、物流車両の都心への流入を防ぎ、渋滞を解消する。また、大型コンテナを積載した車両が通行できる区間を増やし、物流の効率化を進める。

高速道路関連施策では、既存の高速道路ネットワークを有効に活用し、地域経済の活性化や渋滞の軽減等を図るため、スマートICの整備を推進することが盛り込まれた。現在、整備財源に充てている利便増進事業費が近く枯渇することか、スマートICの整備を継続して進めるための制度要求がされた。

このほか、都市再生と連携した首都高速の再生を進めるため、PPP(官民連携)の活用により東京都など関係機関との検討会を設置。道路上部空間の高度利用等を関する制度上の課題と対応策のとりまとめを実施。地方道路公社の有料道路事業の運営権を売却する「コンセッション方式」の活用も推進する。

東日本大震災からの復興を加速させるため、リーディングプロジェクトと位置付けている三陸沿岸道路等の復興道路・復興支援道路の早期整備を目指すほか、常磐自動車道の復旧・整備として山元IC~相馬IC間、南相馬IC~浪江IC間を26年度、浪江IC~常磐富岡IC間を26年度開通目標から大きく遅れない時期の開通を目指すことも明記された。

◆平成26年度道路関係予算・概算要求総括表PDF

【平成25年8月27日新着情報】国土交通省、平成26年度概算要求等を公表/国土交通省2013年08月27日

【平成25年8月27日新着情報】国土交通省、平成26年度概算要求等を公表[国土交通省]

第6回「オートパイロットシステムに関する検討会」の開催/国土交通省2013年08月26日

第6回「オートパイロットシステムに関する検討会」の開催について[国土交通省]

防災・安全対策等に万全な対策強く訴える全国高速自動車道市議会協議会2013年08月13日

全国高速自動車道市議会協議会(会長=西野茂樹苫小牧市議会議長)は7月3日、全国都市会館で正副会長・監事・相談役会議を開催。高速道路建設・整備促進等に関する要望書、今後の会議・運動日程等を決定した。

冒頭、西野会長が「高速道路は地域経済の発展に欠かすことのできない社会基盤であるとともに、命の道の役割を果たすなど、重要性は一層強まっている」と挨拶。昨年発生した関越道・高速ツアーバス事故、中央道・笹子トンネルの天井板崩落事故にも言及し、「老朽化の急速な進行や大規模災害の発生が懸念される中、防災・安全対策等の推進は喫緊の課題」として、万全な対策が講じられるよう強く訴えていく決意を示した。

会議では、高速道路建設・整備促進等に関する要望書(案)を協議。①建設促進②インターチェンジの整備促進③防災・安全対策等の推進④料金制度――の4点を柱とした同要望書を決定するとともに、地方の総意である高規格幹線道路網1万4000㌔の早期完成など、要望事項の実現に向け、積極的に運動展開していくことも決めた。

また当日は、「道路メンテナンスのこれから」と題して、国交省国道・防災課の三浦真紀課長が講演。今後のメンテナンスのあり方について意見交換も行われた。

新たなスタート復興事業を柱に太田国交相会見2013年07月23日

太田昭宏国土交通大臣は23日の閣議後の記者会見で、21日の参院選で自公の与党が圧勝したことを受けた今後の政策展開について、「景気回復、東北の復興の実感が得られるよう取り組む責任がある。安倍内閣の3本の矢に力を注ぎ、新たな段階のスタートを切りたい」と決意を語った。

国交相が大きな役割を果たす震災復興事業では住宅問題とともに防災・減災対策の拡充にも言及。「津波対策は各地域、地形によって対応が違う。地域の声に耳を傾け、早急に取り組む」考えを改めて表明した。

また、景気回復、経済活性化の面から観光対策についても言及し「外国人旅行者等による国内観光の充実を求める声が強い」と指摘。「北海道は、観光は地域ブランド発信について出来上がっている。道路や空港、港湾等のインフラ整備が北海道では重要であり、そこを支援してほしいという声もある」として、インフラ整備により観光を充実させることに注力していく考えを示した。

ミッシングリンク知事会議が政府要望加速度的に整備推進を2013年07月23日

21日の参議院選挙で与党が圧勝し、“ねじれ国会”が解消。改めて国民の信を得た政府による政策が動き出す中、地方による要望活動も本格化している。そうした先陣を切る形で、「高速道路のミッシングリンクを解消し日本の再生を実現する11県知事会議」が23日、官邸、国土交通省への要望活動を実施。南海トラフ巨大地震をはじめとする大規模災害に対応するため「全国ミッシングリンクの整備を早期に」と訴えた。

「高速道路のミッシングリンクを解消し日本の再生を実現する11県知事会議」は高速道路の未開通区間を抱える鳥取県などで構成。23日には平井伸治鳥取県知事、仁坂吉伸和歌山県知事、溝口善兵衛島根県知事、尾﨑正直高知県知事が上京し、官邸、国交省への要望活動を実施した。

想定される南海トラフ巨大地震に対応するため、早期ミッシングリンク解消を訴える知事らに対し、菅義偉官房長官は「皆さんの強い思いを重く受け止めて対応したい」と応じ、太田昭宏国交相も「早期に繋げることは大事」と理解を示した。

要望後、平井鳥取県知事は記者団に「予算に組み入れるなどの明示的な話はなかったが、要望は真摯に聞いていただけたと思う」と手応えを語った。

要望書は次の通り。

「高速道路のミッシングリンクを解消し、日本の再生を実現するために」

東日本大震災を教訓に、多重型国土軸の必要性が再認識されたところです。今後、高い確率で起こりうる南海トラフ巨大地震をはじめとした、いかなる大規模災害においても、国民の生命と財産を守る強靭な国土を構築するためには、防災・減災対策の強化と多重型国土軸の形成によるリダンダンシーの確保が喫緊の課題となっています。

また、我が国の再生のためには多重型国土軸の形成により、多様性のある経済圏間の有機的な連携・交流の拡充を図り、地域経済の活力を向上させることが必須です。

日本再生の根幹をなす多重型国土軸を形成するためには、「全国ミッシングリンクの早期整備」が必要不可欠です。よってここに以下のとおり要望します。

①  国土強靭化を図るとともに、我が国の再生に戦略的に取り組むため、「全国ミッシングリンクの早期整備」による多重型国土軸の形成を、国の責任において着実に進めること

②  平成26年度予算において、「全国ミッシングリンクの早期整備」に必要な予算を十分に確保し、加速度的に整備を推進すること

③  高速道路の未事業化区間において、早急に事業着手すること

道路橋の長寿命化に関する取組状況について~引き続き地方公共団体が管理する橋梁の予防保全の促進が必要~/国土交通省2013年07月02日

道路橋の長寿命化に関する取組状況について~引き続き地方公共団体が管理する橋梁の予防保全の促進が必要~(2013年7月2日)[国土交通省]

社会資本整備審議会道路分科会関東地方小委員会中部横断自動車道(長坂~八千穂)ワーキンググループ(WG)(第3回)の開催/国土交通省2013年06月26日

社会資本整備審議会道路分科会関東地方小委員会中部横断自動車道(長坂~八千穂)ワーキンググループ(WG)(第3回)の開催について〔国土交通省〕

国土強靱化法案6月25日趣旨説明衆院特別委2013年06月25日

国土交通相の諮問機関、社整審道路分科会国土幹線道路部会の寺島実郎部会長(日本総合研究所理事長)と家田仁部会長代理(東大大学院教授)は6月25日、今後の高速道路の料金や大規模更新・修繕についてまとめた中間答申を太田昭宏国交相に提出した。

中間答申には、高速道路の大規模更新・修繕費に充てるため、現行の償還期間を10~15年延長する案が盛り込まれている。更新債務と日本高速道路保有・債務返済機構が道路公団民営化時に継承した債務と区分して、更新費に充てることを提言している。

太田国交相は「国交省としても答申を尊重して対応していく」と応じ、今後具体的な制度設計に着手する考えを示した。

提出後、ぶら下がり会見に応じた寺島部会長は「自動車社会が始まって半世紀、これまでの料金体系は高速道路を造ることを前提としてきた。しかし、笹子トンネル事故などインフラの老朽化を受け、そうした仕組みを見直す時期に来ている」と料金制度を転換させる意義を強調。電気自動車が登場したほか、軽自動車が主となる自動車自体の変化を踏まえ、更新・修繕費は税で徴収するのでなく、利用料金で賄う方が「フェアで公正な料金体系」との認識を示し、「中間答申はその第一歩」と語った。

国土幹線部会中間答申を手交太田国交相「早期に制度設計を」2013年06月25日

国土交通相の諮問機関、社整審道路分科会国土幹線道路部会の寺島実郎部会長(日本総合研究所理事長)と家田仁部会長代理(東大大学院教授)は6月25日、今後の高速道路の料金や大規模更新・修繕についてまとめた中間答申を太田昭宏国交相に提出した。

中間答申には、高速道路の大規模更新・修繕費に充てるため、現行の償還期間を10~15年延長する案が盛り込まれている。更新債務と日本高速道路保有・債務返済機構が道路公団民営化時に継承した債務と区分して、更新費に充てることを提言している。

太田国交相は「国交省としても答申を尊重して対応していく」と応じ、今後具体的な制度設計に着手する考えを示した。

提出後、ぶら下がり会見に応じた寺島部会長は「自動車社会が始まって半世紀、これまでの料金体系は高速道路を造ることを前提としてきた。しかし、笹子トンネル事故などインフラの老朽化を受け、そうした仕組みを見直す時期に来ている」と料金制度を転換させる意義を強調。電気自動車が登場したほか、軽自動車が主となる自動車自体の変化を踏まえ、更新・修繕費は税で徴収するのでなく、利用料金で賄う方が「フェアで公正な料金体系」との認識を示し、「中間答申はその第一歩」と語った。

直轄40区間に新たな開通見通し年度明示求める自治体の声踏まえ2013年06月14日

国土交通省の各地方整備局と内閣府沖縄総合事務局は14日、「平成25年度予算を踏まえた道路事業の見通し」を公表した。平成30年度までに開通が見込まれる直轄区間を一覧化したもので、全国では31区間の開通予定年度が新たに明らかにされたほか、首都圏中央連絡自動車道や東九州自動車道等9区間で開通予定の見直しが行われた。

平成21年度から開通前倒しの要望を続けていた東九州道沿線では、佐伯~蒲江が平成28年度から平成27年度へ、北浦~須美江が平成28年度から平成26年度に前倒しされた。平成22年度から要望を始めた茨城県では、橋本昌知事が7日に梶山弘志国土交通副大臣へ要望書を手渡したばかり。「○○年度以降」とされていた開通目標から「以降」の文言が消えたことを受けて橋本知事は、「我々としては大変ありがたく思っております」と謝意を述べた。

今回の公表では、用地取得に一定の進捗が見られるものの、関係機関との調整や工事の技術的検討といった課題により開通見通しが立っていない区間についても、新たに「開通未公表箇所」として主な課題をまとめている。担当する道路局・国道防災課では、「わかりやすい道路事業を目指す一環。まちづくりや民間投資、企業立地の促進につながれば」と話している。

国土幹線道路部会7日に中間答申案2013年06月07日

国土交通大臣の諮問機関、社会資本整備審議会道路分科会の国土幹線道路部会(部会長=寺島実郎日本総合研究所理事長)は7日、高速道路のあり方に関する中間答申(案)をまとめた。今後、想定される維持管理・更新費に充てるため、現行の償還計画を10~15年程度延長することが提言されたほか、平日昼間3割引や休日5割引などの料金割引について、縮小を視野に見直す必要性も明記された。残された課題の整備プロセスについては「整備計画の制度や意見聴取する第三者機関等について具体的な検討を期待したい」とした。

平成23年12月の「高速道路のあり方検討有識者委員会」提言を踏まえ、昨年11月、国土交通大臣による「今後の国土の幹線となる道路に関する制度等のあり方」についての諮問を受け、議論を重ねてきた国土幹線道路部会では、数度にわたり関係団体、地方自治体へのヒアリングを実施。今後の高速道路の長期展望を見据えつつ、喫緊の課題である維持管理・更新のあり方、料金制度や平成25年度で終了期限を迎える料金割引の今後のあり方等について、その方向性をまとめ、中間答申案とした。

このうち、維持管理・更新への取組では、一日あたり一般道路の約10倍以上の台数の大型車が通行するなど過酷な使用状況に置かれている高速道路の現状を指摘。建設後30年以上経過している区間が半分近く占めており、特に構造物の劣化は極めて厳しい状況にある。

昨年12月の中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故を受け、高速道路5社が計7兆円以上を見込んだ老朽化対策費用に関しては「利用者負担を基本とすべき」と答申案では強調。「現世代のみに新たな負担を求めることは理解が得られない」として、償還期間を現行の料金水準を維持したまま「10~15年程度の延長を目安とすることが考えられる」と方向性を示した。

料金徴収期間を延長する場合は、「道路公団民営化の趣旨を踏まえ、民営化時に想定した債務と、新たに追加される更新の債務を分けて考えるべき」と債務区分について示唆。併せて、債務償還状況を定期的に示して、国民に理解を得るよう求めた。

将来の維持管理負担のあり方では、利用者負担を求める区間について「償還満了後も、適切な維持管理を実施するため、引き続き利用者の負担を求め、低廉な料金を徴収し続けることも検討すべき」と、有料期間の恒久化についても言及された。

一方、料金制度については、「整備重視の料金」から「利用重視の料金」に転換することが明記された。対距離制を基本として、料金の低減への努力を図りつつ普通区間(現行水準)、大都市近郊区間(現行水準)、本四高速やアクアライン等の海峡部等特別区間(他の区間と大きな料金差とならない水準)の3つに整理。全国の高速道路の利用者負担で賄うことを基本に、「今後予定される定期的な償還計画の見直しの中で対応することを検討すべき」と提言された。

利便増進等で賄われてる料金割引については、平日昼間割引や深夜割引を拡大しても、高速道路の利用が進んでいないと分析。深夜割引は3割引を軸に、平日昼間割引は効果を見極めた上で見直す必要があるとした。休日割引については、地域活性化の効果を評価する一方、渋滞の増加も指摘。「割引縮小など工夫しつつ、地方部で料金割引の継続を検討すべき」とした。

今後の割引規模については、民営化時の新直轄方式の導入や建設・管理コストの縮減等の範囲を基本に、「この範囲を超えるような規模の料金割引を政策的に実施するのであれば、具体的な財源措置と併せて検討することが必要」と、現行の利便増進事業に替わる制度設計の必要性も指摘された。

部会審議では、償還期間10~15年延長の基礎となる高速道路会社が試算した更新費について精査することを求めた意見が出されたものの、答申案を了承。家田仁部会長代理(東大大学院教授)は「問題を先送りにしない内容になっており、(大臣諮問に対して)責任のある回答になっている」と中間案の意義を語った。

「ゆずり合いせまい道路も広くなる」~平成25年度「道路ふれあい月間」推進標語 入選作品決定のお知らせ~/国土交通省2013年06月07日

「ゆずり合いせまい道路も広くなる」~平成25年度「道路ふれあい月間」推進標語 入選作品決定のお知らせ~[国土交通省]

社会資本整備審議会道路分科会第1 0 回国土幹線道路部会の開催について/[国土交通省2013年06月06日

社会資本整備審議会道路分科会第1 0 回国土幹線道路部会の開催について(2013年6月6日)[国土交通省]

道路メンテナンス技術小委員会の中間とりまとめについて/国土交通省2013年06月05日

道路メンテナンス技術小委員会の中間とりまとめについて[国土交通省]

老朽化対策で中間答申戦略的な維持管理・更新を2013年05月30日

国交相の諮問機関、社会資本整備審議会と交通政策審議会は5月30日、道路や橋梁などインフラの老朽化対策に対する中間答申「今後の社会資本の維持管理・更新のあり方について」をまとめ、太田昭宏国土交通大臣、鶴保庸介副大臣、松下新平大臣政務官に提出した。太田国交相は、社整審の福岡捷二委員長と交政審技術分科会技術部会の家田仁部会長の労をねぎらい、「中間答申をもとに、早期に地方をバックアップする体制を整えたい」と語った。

日本の社会資本ストックの多くは、高度経済成長期などに集中的に整備され、今後急速に老朽化することが懸念されている。特に高速道路では開通からの経過年数で見ると、30年以上を経過する道路延長の割合はNEXCO3社では管理延長のうち約4割、首都高速と阪神高速が約5割となっており、昨年12月には中央自動車道・笹子トンネルで大変痛ましい事故が発生した。

こうした現状を踏まえ昨年7月、国土交通大臣が社会資本整備審議会、交通政策審議会に対して「今後の社会資本の維持管理・更新のあり方について」の諮問がなされ、同月、社会資本整備審議会・交通政策審議会技術分科会技術部会に「社会資本メンテナンス戦略小委員会」を設置。これまで6回にわたる調査審議が行われた。

今回まとまった中間答申は、今後目指すべき戦略的維持管理・更新の基本的な考え方と国交省等が取り組む施策を提示。国に維持管理・更新費用の将来推計の算出、公表を求めたほか、地方自治体などの管理者が施設の構造や点検の履歴を算出した「施設カルテ」を作成するよう提言した。

また、インフラの維持管理・更新を的確に行うための基準策定を「国の責務」と明記した上で、財政、人材面で自治体への支援拡充を要請。管理者には、事故後に修繕する「事後的管理」から、点検などにより事前に危険箇所を把握して対応する「予防保全的管理」への転換を求めた。

中間答申手交後、記者会見に応じた家田仁技術部会長(東大大学院教授)は「市町村単位でメンテナンスを実施するには限界があり、対応するには技術開発や人材育成のほか、教育や研修も重要になる。市町村が事業を進める上で支援策を詰め、実現できる段階まで練り上げたい」と説明。その上で「答申では維持管理・更新に必要な費用は算出しきれておらず、構造物の利用状況や完成時期といった条件で、どの程度変わるのか試算したい」と今後の検討すべき課題を挙げた。

答申を受けた太田国交相は翌日31日の会見で「今後は中間答申に示された内容を具体化していくことが大事になる。地方自治体の技術向上やメンテナンスに関するマニュアルの整備なども求められるので、国交省として包括的に進める。平成26年度予算概算要求の中でも対応したい」と、早期に取り組む考えを表明した。

平成25年度予算箇所表直轄事業(高規格幹線道路関係)2013年05月25日

平成25年度予算箇所表直轄事業(高規格幹線道路関係)PDF

平成25年度国直轄事業新規採択~各県知事が喜びの声~2013年05月25日

国土交通省は15日、道路関係予算配分概要を公表した。高規格幹線道路では4月24日の新規事業採択時評価で「妥当」とされた日本海沿岸東北道遊佐象潟道路、同朝日温海道路、新宮紀宝道路、東北中央道相馬福島道路(霊山~福島)など4区間が新規事業化された。発表を受け、1日も早い完成を願う知事から相次いで喜びの声が上がった。

●●佐竹・秋田県知事

国の予算成立により、 「遊佐象潟道路」が新規事業化され、日本海沿岸東北自動車道が、切れ目なく一本に繋がることとなります。

併せて、東北中央自動車道「雄勝こまち~山形の昭和IC」間が新規事業化に向けた計画段階評価の手続に入ることにより、県内のミッシングリンクが全て解消されることとなり、本県の悲願である高速道路の全線開通に目途が立ち、大変うれしく思っております。

高速道路は、 県民生活や本県の経済を支えるものであることから、 今後も、事業中区間については早期完成を、計画段階評価箇所については早期事業化を目指し、国に対して強く働きかけてまいります。

●●吉村・山形県知事

昨日の夜から本日にかけまして、国土交通省から平成25年度当初予算が公表され、日本海沿岸東北自動車道「遊佐象潟道路」及び「朝日温海道路」の新規事業化、東北中央自動車道秋田県境未事業化区間の計画段階評価を進めるための調査着手並びに泉田道路ほか事業中の区間の更なる予算の確保がなされました。

このことは、県内高速道路の全区間開通の目途が立つことになる画期的な前進であります。高速道路は、災害時の緊急輸送や交流人口・観光人口の拡大、物流、産業の振興など、山形県の発展に大きく寄与することなので、私自身これまで何度も関係各県の知事と連携して国に提案、要望を重ねてまいりました。今回の朗報は大変喜ばしく思っております。県民の皆様と喜びを分かち合いたいと思います。

また、これまで長きに亘りご尽力いただいた地元経済界の皆様や、沿線市町村、国会議員、県議会議員の皆様方に対し敬意を表しますとともに、国土交通省をはじめ関係の方々に心から感謝申しあげます。

今後とも、日本海沿岸東北自動車道及び東北中央自動車道が一日も早く完成するよう、県民の皆様、関係の皆様ととともに全力で取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。

●●佐藤・福島県知事

念願であった相馬福島道路の未着手区間及び、小名浜港における国際物流ターミナル整備が新規事業として決定されたことは、それぞれ全線事業化と大型船舶化という、被災地域を始め県全体の復興に向けた大きな前進であり、大変うれしく思います。

太田国交大臣を始め関係者の皆さんの御尽力に、心から感謝申し上げます。

今後とも、両施設の一日も早い供用に向けて、整備促進に積極的に取り組んでまいる考えであります。

●●泉田・新潟県知事

昨日、国土交通省より、 「一般国道7号(日本海沿岸東北動車道)朝日温海道路」 (朝日まほろばIC~あつみ温泉IC間 約41㌔)について、新規事業化の発表がありました。

日本海沿岸東北自動車道は、新潟県から山形県、秋田県を縦貫し青森県に至る「日本海国土軸」の形成に欠かせない公共インフラであり、救急医療施設への搬送時間短縮や災害時の広域的代替機能の強化とともに、東北地方の復興を図るためにも大変重要な道路であります。

このため、本県では、早期事業化を国に働きかけてきたところであり、長年の悲願が実現し、大変うれしく思っております。

これまでご尽力を重ねてこられた沿線市町村や、国会議員、県議会議員の皆様方に敬意を表しますとともに、国土交通省をはじめとする関係機関の方々に心から感謝を申し上げます。

今後は、 早期に着工するとともに、 住民の安全・安心に不可欠な 「命の道」として、一日も早く開通することを強く期待しております。

●●鈴木・三重県知事

熊野川河口大橋(仮称)2.4㌔を含む一般国道42号 新宮紀宝道路の平成25年度新規事業化の決定については、たいへん喜ばしく思っております。

当地域は東海・東南海・南海地震の発生が危惧される地域であります。熊野大泊~新宮間につきましては、昨年6月11日に計画段階評価に着手され、本年4月16日に計画段階評価が完了していました。

その一部区間である当道路は、平成25年4月24日に開催されました社会資本整備審議会道路分科会事業評価部会等において事業化が妥当と判断されたところで、地元では平成25年度新規事業化への期待が高まっていたところの吉報となりました。

三重県としましては、近畿自動車道紀勢線は、災害時の救援、復旧、復興や、地域の命を支える「新たな命の道」として重要な路線であることから、残る未事業化区間についても早期事業化に向けて取り組んでまいります。更に、全国に残るミッシングリンクが解消され、ネットワーク機能を早期確保されるよう取り組んでまいる所存です。

●●仁坂・和歌山県知事

本日、国土交通省から、一般国道42号新宮紀宝道路の新規事業化と合わせて、「すさみ~太地」間及び「新宮~大泊」間についても「実施環境整備」として現地調査等を推進することが発表され、本県の悲願である紀伊半島一周高速道路の実現に向け、大きく前進したと喜んでいる。

医療・教育機会の平等や経済活動に対する県民のチャンスを保障するため、また南海トラフの巨大地震に備えて迅速な救助・救援活動を可能にするためには、命の道としての紀伊半島一周高速道路の実現は不可欠かつ急務であり、これまでも様々な機会を捉えて整備の必要性を広く訴えてきた。

今回の発表は、こうした取り組みの成果であり、県選出国会議員や県議会議員、関係市町村長をはじめこれまでご尽力頂いた方々に、お礼を申し上げる。

今後は、事業化された新宮紀宝道路の一日も早い完成に向け、県としても全力で取り組んでまいりたい。また、残る近畿自動車道紀勢線「すさみ~太地」間、「新宮~大泊」間についても早期に事業化して頂けるよう、引き続き国に働きかけていく。

また、湯浅御坊道路4車線化については、今後、西日本高速道路株式会社より事業許可が申請され、国土交通省にて許可された後、事業着手されると聞いている。県としては、今後、有田南紀田辺間の4車線化の早期完成について、引き続き要望してまいりたい。

第5回「トンネル天井板の落下事故に関する調査・検討委員会」の開催/国土交通省2013年05月24日

第5回「トンネル天井板の落下事故に関する調査・検討委員会」の開催について[国土交通省]

平成25年度道路予算配分-直轄1兆3671億円計上2013年05月16日

国土交通省は16日、平成25年度予算が成立したことを受けて、関係予算の配分予算を決定。道路関係予算の配分額については、1月に閣議決定された「日本経済再生に向けた緊急経済対策」、更には地域からの要望等を踏まえ、直轄事業には前年度比18・8%増の1兆3671億円を計上。補助事業831億円を合わせると合計1兆4502億円となった。

道路関係の直轄事業については、国民の命と暮らしを守る代替性確保のための道路ネットワークの整備や、日本の成長のための基盤強化を図る物流ネットワークなど基幹ネットワークの整備を推進するため、「供用目標の達成等に向け、計画的な事業実施に必要な額」を決定。幹線道路ネットワーク整備に9328億円を計上し、交通安全対策や無電柱化の推進等に充てる局所的な対策費1517億円を含めた改築費に1兆845億円が配分された。維持管理費には2825億円を配分し、直轄事業全体の配分額は1兆3671億円となった。

高規格幹線道路関係の箇所付けは本紙4・5面に掲載。これを都道府県別に上位から見ると、北海道610億60百万円、岩手県586億44百万円、和歌山県475億64百万円、宮城県433億51百万円など。

路線別上位は、昨年9月に着工式が行われた東京外かく環状道路・関越~東名間の300億円を筆頭に、近畿自動車道紀勢線・田辺~すさみ間278億円、東海環状自動車道・関~養老間272億円、圏央道・川島~五霞間239億円、中部横断自動車道・富沢~六郷間234億円等と続く。

国土強靭化基本法案が最終決定自公の議員立法で衆院に提出2013年05月16日

自民党の国土強靭化総合調査会(二階俊博会長)は5月16日の会合で、国土強靭化基本法案を最終決定。自民、公明両党による議員立法として同月20日、衆院に提出した。

5月16日、東京・永田町の自民党本部で行われた調査会に出席した古屋圭司国土強靭化担当相は、政府・与党が一体となって国土強靭化を目指す取り組みが法案の形で実を結んだことを評価。「速やかに成立させられるようにしたい」と語ったほか、「基本計画に基づく事業の優先順位付けを政治主導で行う」と強調した。2年にわたる検討を主導してきた二階会長は「ようやくここまでたどり着いた。今後も政府・与党一体で対応する」と決意を述べた。

同法案は、東日本大震災を教訓に、事前防災と減災など迅速な復旧・復興につながる施策を通じて、大規模災害などから国民の生命、身体、財産を保護することを基本理念、基本方針とする。組織体制については、首相を本部長とする「国土強靭化推進本部」の設置を明記。副本部長に官房長官、国土強靭化担当相、国交相の3人を充て、全閣僚が参加するとした。

施策の実施にあたり、既存社会資本の有効活用、効率的かつ効果的な維持管理、自然との共生と環境との調和、施策の重点化、民間資金の積極活用も図る。

盛り込まれる国土強靭化基本計画については、各分野の震災などに対する脆弱性の評価結果に基づいて策定し、閣議決定する。

冬期道路交通の確保のあり方に関する検討委員会提言のとりまとめについて/国土交通省2013年05月15日

冬期道路交通の確保のあり方に関する検討委員会提言のとりまとめについて[国土交通省]

高規格幹線道路の平成24年度末整備現況自治体視点での整備率は74%(全高速調べ)2013年05月15日

全国高速道路建設協議会はこのほど、平成24年度末時点の高規格幹線道路整備現況をまとめた。調査は47都道府県への聞き取り調査によるもので、現道活用区間を未開通とする自治体もあるため、国の整備現況とは一致しない。

調べによると、24年度末の高規格幹線道路開通延長は1万397㌔(整備率74%)。内訳は高速自動車国道が9074.8㌔(整備率79%)、一般国道自動車専用道路が1322.2㌔(整備率52%)。

路線別に見た整備率のワースト5は、高速自動車国道が、①九州横断道延岡線(現開通延長8.5㌔/整備率9%)、②中部横断道(23.8㌔/18%)、③北海道横断道網走線(31.3㌔/20%)、④山陰自動車道(133㌔/35%)、⑤東北中央道(91.4㌔/35%)。一般国道自動車専用道路は、①高知東部道(6.8㌔/19%)、②三遠南信道(25.9㌔/25%)、③函館・江差道(18㌔/26%)、④八戸・久慈道(15.7㌔/31%)、⑤中部縦貫道(51.2㌔/33%)。

また、都道府県別では、①神奈川県(96.2㌔/46%)、②和歌山県(105㌔/48%)、③北海道1011.1㌔/55%)、④高知(122㌔/58%)、⑤山形(200.9㌔/59%)だった。

高規格幹線道路の整備現況<路線別>(H25.3.31現在)PDF

高規格幹線道路の整備現況<都道府県別>(H25.3.31現在)PDF

平成25年度 道路関係予算配分について(概要・箇所表)/国土交通省2013年05月15日

平成25年度 道路関係予算配分について(概要・箇所表)(2013年5月15日)[国土交通省]

社会資本整備審議会道路分科会第9 回国土幹線道路部会の開催/国土交通省2013年05月08日

社会資本整備審議会道路分科会第9 回国土幹線道路部会の開催について[国土交通省]

道路・事業評価部会-直轄9、会社1区間新規事業化-2013年04月24日

国土交通省は24日、社会資本整備審議会道路分科会事業評価部会(部会長=家田仁東大大学院教授)を開き、平成25年度予算が成立した場合に新規事業化する直轄9事業、会社施行1事業の道路事業の採択時評価を実施。高規格幹線道路は3区間、会社施行で4車線化の1区間の新規事業が認められた。政府予算が成立後、実施計画を決定する方針。

部会の冒頭、前川道路局長が「現在、国会で平成25年度予算の審議が大詰めを迎えている。部会での新規事業採択時評価に基づき、事業実施に繋げていきたい」と挨拶。続いて、家田部会長を司会に部会は進行した。

今回、新規事業化候補箇所として挙げられたのは、防災機能強化に資するものとして、東北中央自動車道・相馬福島道路(霊山~福島)、日本海沿岸東北自動車道・遊佐象潟道路、同・朝日温海道路の高規格幹線道路を含む7区間、渋滞対策として一般国道41号・名濃バイパス、同・寺田拡幅の2区間、計9区間で、全体事業費計は4085億円。

防災機能については、評価レベルでランク付けされた。「主経路は災害危険性が濃く、迂回路も災害危険性が高い」箇所が最も危険な箇所としてDランク、次いで「主経路は災害危険性が高いが、迂回路は災害危険性が低い」をCランク、危険性が低い順にB、Aランクとして整理。新規候補7区間はすべてDランクとされた。

対象事業については「高規格幹線道路又は全体事業費250億円以上」、「全体事業費250億円未満」に分けられ、「250億円以上」については平成23年に閣議決定された「東日本大震災からの復興基本方針」に基づき、三陸縦貫道等の緊急整備や太平洋沿岸と東北道を繋ぐ横断軸を強化するものとして東北中央自動車道・相馬福島道路を、日本海側との連携も含めた東北全体のネットワークも考慮したリダンダンシーを確保するものとして日本海沿岸東北自動車道の遊佐象潟道路、朝日温海道路の2区間が選定された。

相馬福島道路(霊山~福島)は延長12・2㌔(1種3級、2車線、設計速度80㌔/時)で、計画交通量1万3500台/日。現地の相馬市等沿岸部では、東日本大震災時の「くしの歯作戦」では渋滞発生により迅速な救援活動に支障を来たしたほか、国道115号は線形不良箇所が多く、救急搬送、物流等で高規格道路の早期整備が求められていた。霊山~福島間の事業化で、相馬福島道路は全線で事業着手となる。

日本海沿岸東北自動車道の2区間は、それぞれ県境を跨ぐ道路で、秋田、山形、新潟3県にとっては待望の事業化となる。

秋田、山形県境の遊佐象潟道路は延長17・9㌔(1種3級、2車線、設計速度80㌔/時)、計画交通量約1万1600台/日。山形、新潟県境の朝日温海道路は延長40・8㌔、計画交通量約1万1400台/日。両地域とも、主要幹線道路は国道7号しかなく、リダンダンシー確保の面でも早期事業化が急がれていた。

一方、会社施行の4車線化区間、湯浅御坊道路は延長19・4㌔、計画交通量約1万2500台/台。4年前の国幹会議で認められた4車線化事業のうち、凍結解除されず唯一残っていた区間。現況2車線では約2万台の交通量があり全区間で交通容量を超過。渋滞や交通事故の多発に苦しむ現地にとって、今回の事業化は朗報となる。

部会では各委員からの質疑応答を経て、全区間の新規事業採択時評価について妥当と判断。太田和博委員(専修大商学部教授)が「採択時評価に当たっては、地域の町づくりのためにも供用年次も示すべき」と指摘。また、各委員からの意見を踏まえ、相馬福島道路について「東日本大震災や原発事故の復興のためにも重要。先行して進んでいる他区間に後れを取らないよう事業を進めるべき」、新宮紀宝道路について「事業区間の前後について、南海トラフ巨大地震時の津波対策を十分に考えること。また早く進めること」と尚書きすることを確認、早期完成を求めることとした。

平成25年度(直轄道路事)新規事業化箇所PDF

社会資本整備審議会道路分科会第8 回国土幹線道路部会の開催/国土交通省2013年04月24日

社会資本整備審議会道路分科会第8 回国土幹線道路部会の開催について(2013年4月24日)[国土交通省]

社会資本整備審議会道路分科会第9回事業評価部会の開催について/国土交通省2013年04月22日

社会資本整備審議会道路分科会第9回事業評価部会の開催について[国土交通省]

国交省新規事業採択時評価手続きに10区間~該当県の喜びのコメント~2013年04月16日

国土交通省は16日、平成25年度予算に向けて、新規事業採択時評価手続きに着手したと発表した。候補ヵ所は河川・道路・港湾整備事業あわせて15カ所。このうち、高規格幹線道路は東北中央道・相馬福島道路(霊山~福島)、日本海沿岸東北道・遊佐象潟道路、同朝日温海道路の3区間。高規格幹線道路と連携する直轄道路として、新宮紀宝道路、五條新宮道路(風屋川津・宇宮原工区)、湯浅御坊道路4車線化等も俎上に載った。該当する地方整備局では18~23日までに地方小委員会を順次開催、24日の事業評価部会への準備を整えた。着手発表を受け該当県の知事らは、会見や声明で喜びの声を上げた。

●●秋田県

「遊佐~象潟」間の事業化により、日本海沿岸東北自動車道が切れ目なく一本に繋がることになり、秋田の飛躍に向けた基盤づくりの実現に大きく近づきました。まさに、官民挙げた熱意が実を結んだ結果であり、本当に喜ばしいことであります。

東北地方の持続的な復興を進めていくために、また、我が国全体の成長力、国際競争力を強化し、災害に強い国土づくりを行っていくためにも、日本海側の高速道路ネットワークを繋ぐことは重要であることから、一日でも早く全線開通されるよう、特段の御配慮をお願いいたします。

●●山形県

本日、国土交通省道路局長から山形県知事あてに、日本海沿岸東北自動車道「遊佐象潟道路」及び「朝日温海道路」の新規事業採択時評価に係る意見照会がありました。

当該2区間を含む日本海沿岸東北自動車道は、東日本大震災からの復興に大きく貢献することが期待され、災害時における緊急輸送道路として大きな役割を担うとともに、日本海国土軸を形成し、本県における観光、物流、産業の振興、地域の再生を担う極めて重要な路線であることから、これまで何度も国に提案・要望を重ねてきたものであり、新規事業化して頂くよう回答したいと考えています。

今後、国土交通省で開催される「社会資本整備審議会道路分科会事業評価部会」での審議を経て、国会による最終判断を得たうえで、予算成立後、国土交通省から平成25年度新規事業箇所として認められると聞いています。

このことは、日本海沿岸東北自動車道の全線開通に向けて極めて大きな一歩であり、これまでご尽力を重ねていただいた地元経済界の皆様や、沿線市町村、国会議員、県議会議員の皆様方に対し敬意を表しますとともに、国土交通省をはじめ関係された方々に心から感謝申しあげます。

今後とも、日本海沿岸東北自動車を始めとする高速道路のミッシングリンクが早期に解消され、高速道路ネットワークが一日でも早く完成されるよう、県民の皆様とともに取り組んでまいります。

●●三重

平成25年4月16日に国土交通省より、熊野川河口大橋(仮称)を含む「一般国道42号 新宮紀宝道路」について平成25年度予算に係る新規箇所として新規事業採択時評価の手続きに着手することが発表されました。

今後、開催が予定される社会資本整備審議会道路分科会事業評価部会等において事業化が妥当と判断され、政府予算が審議・成立し、同道路が予算化されれば、正式に新規に事業化されることとなります。

「新宮紀宝道路」のこのたびの新規事業化に向けた第一歩は、近畿自動車道紀勢道の全線供用に向け、一丸となって取り組んでいるさなかの朗報であり喜びもひとしおです。関係者の皆様に心からお礼を申し上げます。

三重県としましては、近畿自動車道紀勢線は、災害時の救援、復旧、復興や、地域の命を支える「新たな命の道」として重要な路線であることから、残る未事業化区間である熊野大泊~紀宝間についても、早期事業化に向け取り組んでまいります。

●●新潟

一般国道7号(日本海沿岸東北自動車道)朝日温海道路」事業の平成25年度新規予算化について、同意いたします。

本道路は、新潟県から山形県、秋田県を縦貫し青森県に至る「日本海国土軸」の形成に欠かせない公共インフラであり 「命の道」としの救急医療施設への搬送時間短縮や災害時の広域的代替機能の強化とともに、東北地方の復興を図るためにも大変重要な道路であります。

つきましては、本道路の早期着工と一日も早い開通に向けて、特段のご配慮をお願いいたします。

●●奈良

一昨日の4月16日に、国土交通省より、一般国道168号五條新宮道路の「風屋川津・宇宮原工区」について、新規事業採択時評価の手続きに着手することが発表されるとともに、国土交通省道路局長から奈良県知事に対し、当該事業を予算化することについての意見照会がなされました。

これに対し、本日、本県として、早期整備に向けて是非とも予算化を実現してほしい旨、回答したところです。

一般国道168号五條新宮道路は、奈良県南部地域にとって産業や観光の振興を担う極めて重要な幹線道路であり、生活や緊急医療を支える「命の道」であることから、これまで、高い規格で整備される地域高規格道路としての早期整備の必要性を、繰り返し国に訴えて参りました。

そのような中、このたび、「風屋川津 ・宇宮原工区」の直轄権限代行による事業化に向け、国において新規事業採択時評価手続きに着手されたことは、紀伊半島アンカールートの早期整備に向けた大きな前進であり、誠に喜ばしい限りです。国土交通省をはじめ関係された方々に心より感謝申し上げます。

本県は、一昨年9月の紀伊半島大水害からの迅速な復旧・復興に、県を挙げて取り組んでいるところです。今後とも被災地域が「災害に強く、希望の持てる」地域となるよう、国のご支援を得つつ、県民の皆様とともに取り組んで参ります。

社会資本整備審議会道路分科会第3回道路メンテナンス技術小委員会の開催について/国土交通省2013年04月12日

社会資本整備審議会道路分科会第3回道路メンテナンス技術小委員会の開催について(2013年4月12日)[国土交通省]

国幹部会京都・山田知事ら提言日本海国土交通省じ2013年04月11日

社会資本整備審議会道路分科会の国土幹線道路部会(部会長・寺島実郎日本総合研究所理事長)は11日、第7回会合を開き、京都府、高速道路調査会、四国旅客鉄道へのヒアリングを行った。

京都府は山田啓二知事が出席。自身が会長を務める全国知事会がまとめた「日本再生デザイン」の中で打ち出している「新たな国土構造の構築」を踏まえ、日本海国土軸の必要性を強調した。

説明の中で山田知事は、税金を投入して整備された太平洋側の高速道路ルートと、地元負担により整備を進めている日本海側ルートを比較し、「地域格差につながる」と指摘。京都・兵庫・鳥取三県を繋ぐ山陰近畿自動車道を“路線の目途も立っていない日本海軸最大のミッシングリング”と位置付け、「リダンダンシーの確保のためにも国に責任を持って整備して頂きたい」と要望した。

一方、料金について、「社会効用が最大化するよう設定し、利用者間で負担を分担することを原則に、償還確実性を照査しながら社会情勢変化等に応じて定期的に見直すべき」とする山田知事に対し、「高速道路は地方に行くほど生活道路化しているが、これについてはどうお考えか」とさらなる意見を求めた寺島部会長に山田知事は、「政治的使命として、社会的調整を入れるべきではないか」との見解を示した。

料金制度については、保全・維持更新を適切に行うために、「延命期間の料金収入で賄うべきである」との考えを示した。

高速道路調査会は、高速道路の料金制度に関する研究委員会の杉山雅洋氏が世界の高速道路の潮流を交えながら説明。料金割引の考え方について家田委員から質問が上がると「社会的割引には国の補てん、それ以外は民間という棲み分けもあるかと思う。現在の割引政策は補填と財源の説明に欠けているのではないか」と指摘した。

四国旅客鉄道は泉雅文社長が、高速道路との競争力低下で苦境に立たされている自社の状況を説明。本四高速に全国共通水準の料金制度が適用されると通常料金が現在の5割引に程度になることや、これにETC割引が加わることで実際の料金が65~75%に下がることを報告し、料金割引の見直しと現在の料金水準からの引き下げは「四国の鉄道ネットワークの維持が困難となる」と述べ、「避けて頂きたい」と申し入れした。

高速道路長期保全検討委員会大規模更新の定義付け確認2013年04月10日

東日本、中日本、西日本のNEXCO3社が設置した「高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に関する技術検討委員会」(委員長=藤野陽三東大大学院特任教授)の第3回委員会が10日、都内で開催された。

委員会では、これまでの議論の中間まとめを行った上で、総延長8716㌔のうち大規模更新・修繕が必要となる延長や概算費用等を示す予定だったが、個々の対応に関する定義付けや要件整理などで更に審議する必要があると判断。次回会合までに中間まとめを行うことを確認した。

大規模更新・修繕の定義では、予防保全の観点を更に強調する必要があることを確認。検討の着目点として、災害発生リスクの高まりなど外的環境の変化のほか、地盤材料の風化・劣化に伴う変状リスク等を追加した。

社会資本整備審議会道路分科会第7回国土幹線道路部会の開催について/国土交通省2013年04月09日

社会資本整備審議会道路分科会第7回国土幹線道路部会の開催について(2013年4月9日)[国土交通省]

太田国土交通大臣の高速道路におけるマタニティマークの普及促進セレモニーへの出席について/国土交通省2013年04月05日

太田国土交通大臣の高速道路におけるマタニティマークの普及促進セレモニーへの出席について(2013年4月5日)[国土交通省]

 

平成25年度暫定予算国交省配分事業費2兆2434億円2013年04月05日

4月1日から5月20日までの50日間の経費を盛り込んだ平成25年度の暫定予算が3月29日午後、参院予算委員会と本会議で可決、成立した。総額は13兆1808億円で、24年度に続き2年連続。規模は平成8年度の11兆6215億円を超え、過去最大となった。建設国債1兆5500億円のほか、税収、財務省証券で賄う。25年度当初予算が5月20日より前に成立した場合、暫定予算は当初予算に吸収される。

公共事業は25年度当初予算5・3兆円の3割にあたる1兆5427億円を計上した。震災復興の経費は5002億円。年4回、地方自治体に配分する地方交付税交付金は、うち1回分の3兆6678億円を盛り込み、例年通り3日に支給された。歳出は、このほか社会保障関係費5兆4323億円が計上されたが、東日本大震災からの復興経費など一部を除き、新規の事業は盛り込んでいない。

歳入は、建設国債の発行(1兆5500億円)や税収(7450億円)でひとまず調達するが、これだけでは一連の歳出は賄いきれない。このため、差額の10兆円余りの歳入は、政府の資金調達の手段の一つである財務省証券を発行して対応する方針。

国交省の配分対象事業費は2兆2434億円。道路整備には3081億89百万円(直轄2936億97百万円、補助144億92百万円)、道路環境整備には794億27百万円(直轄792億77百万円、補助1億50百万円)が配分された=個所付けは15日号掲載=。財政投融資計画については、暫定予算2兆442億円のうち、日本高速道路保有・債務返済機構に3500億円が計上された。

道路局直轄事業の整備局別配分は北海道開発局669億38百万円、東北地方整備局261億98百万円、関東地方整備局624億84百万円、北陸地方整備局171億63百万円、中部地方整備局588億21百万円、近畿地方整備局550億74百万円、中国地方整備局264億73百万円、四国地方整備局146億81百万円、九州地方整備局353億41百万円、沖縄総合事務局98億1百万円。

※国土交通省平成25年度関係暫定予算・事業別配分額総額表PDF

※道路局・直轄事業配分額PDF

高速道路3社「平成25事業年度の事業計画」2013年03月29日

【新築・改築費】東日本2599億円、中日本5542億円、西日本3002億円

高速道路各社はこのほど、高速道路株式会社法第10条に基づき、平成25事業年度の事業計画を国土交通大臣に申請。3月29日付で認可を受けた。東・中・西日本の高速道路事業のうち、新設・改築事業費は2599億円、5542億円、3002億円。計1兆1143億円で、地域の発展や利便性向上に資する高速道路ネットワーク整備の着実な執行を図っていく。

◆NEXCO東日本

NEXCO東日本は平成25年度の事業計画は総額5768億円で、うち高速道路事業費は5444億円を計上。資金計画については、総額3672億円の資金を社債の発行や民間金融機関からの借入金等で調達する予定で、収支予算は当期純損失として17億円発生する見込み。

高速道路事業費の内訳は、新築・改築2599億円(一般管理費、建設中利息を除くと2435億円)、維持・修繕・災害復旧その他の管理2845億円。

新設・改築では、信頼性の高い高速道路ネットワークを構築するため、東関東自動車道など9道路270㌔の新設や関越自動車道など18道路86㌔の改築に取り組む。25事業年度内の開通予定道路として、一般国道47号(仙台北部道路)富谷JCT~富谷間1・7㌔、一般国道468号(東京湾横断・木更津東金道路)東金JCT~木更津東間42・9㌔を予定している。

高速道路事業以外では、高速道路の供用に伴う新規SAの建設、既存SAの管理等に177億円、「一般国道468号首都圏中央連絡自動車道(鶴ヶ島JCT~久喜白岡JCT)建設事業の施行に関する用地細目協定」ら基づく受託事業など国・地方公共団体からの受託事業に129億円、駐車場整備等に19億円が計上された。

◆NEXCO中日本

NEXCO中日本がまとめた平成25年度の事業計画によると、事業全体の総額は8070億円で、このうち高速道路事業費は7849億円。資金計画については、6600億円の資金を借入金等で調達する予定。収支予算については、当期純利益として約4億円発生する見込み。

高速道路事業費の内訳を見ると、事業が進捗している道路や大都市圏ネットワークを形成する道路の整備を重点的に実施するため新築・改築に5542億円を計上。第二東海自動車道など7道路327㌔の新設や中央自動車道など6道路41㌔の改築に取り組む。年度内には一般国道468号首都圏中央連絡自動車道・茅ヶ崎JCT~寒川北間5㌔、同・相模原愛川~高尾山(相模原IC除く)の完成を予定している。

新設・改築費の路線別内訳は中央自動車道438億円、第一東海自動車道73億円、東海北陸自動車道42億円、第二東海自動車道3022億円、中部横断自動車道283億円、北陸自動車道25億円、近畿自動車道1027億円、首都圏中央連絡自動車道375億円、東海環状自動車道1億円。

残る2307億円は維持・修繕・災害復旧その他の管理に充て、中央道など16道路1942㌔の維持・修繕等を実施する方針。

高速道路事業以外では、SA・PA等の建設・管理に111億円、国・地方等の委託事業に53億円、トラックターミナル事業などその他事業に57億円を計上。SA・PAでは圏央道・厚木PAなど計17カ所の建設、中央道・談合坂SAなど計180カ所のSA・PAの管理を行う。

◆NEXCO西日本

NEXCO西日本が発表した平成25年度事業計画によると、全体事業費は6030億円で、高速道路事業に5741億円、関連事業に289億円を充てる。建設事業では新名神高速道路の大津~城陽間と八幡~高槻間で設計協議を進めるほか、高槻~神戸間の工事に全面着手。このほか、四国横断自動車道の鳴門~高松東間で4車線化工事に着手し、長崎横断自動車道の長崎芒塚~長崎多良見間、中国横断自動車道の播磨新宮~山崎間もそれぞれ着工する。

高速道路事業のうち、新設・改築事業費は3002億円。近畿自動車道など計10道路180㌔の新設事業、四国横断自動車道など計2道路60㌔で改築事業を実施する。25年度は東九州自動車道・苅田北九州空港~行橋間9㌔と一般国道478号(京都縦貫自動車道)沓掛~大山崎JCT間10㌔の開通を予定している。

また高速道路の維持・修繕・災害復旧その他管理費として2739億円を計上し、中央自動車道など計40道路3388㌔の維持、修繕等を実施する。

道路別に進捗状況を見ると、新名神高速道路・城陽~八幡間3・5㌔の工事を全面展開し、大津~城陽間25・1㌔と八幡~高槻第一間10・7㌔では測量調査が終了次第、設計協議を行う。中部横断自動車道姫路鳥取線では、播磨新宮~山崎間11・4㌔の用地取得を進めるとともに工事に着手。四国横断自動車道阿南四万十線では徳島~鳴門間10・9㌔の工事を全面展開し、4車線化する鳴門~高松市境間52・0㌔は調査設計を進め、工事に着手。徳島東~徳島間4・3㌔では測量調査終了後、設計協議を進める。

東九州自動車道では行橋~豊津間7・4㌔、椎田南~宇佐間28・3㌔、日向~都農間20㌔で工事を全面展開。九州横断自動車道長崎大分線・長崎芒塚~長崎多良見間8・0㌔の4車線化については調査設計を進め、順次工事発注を行う予定。

高速道路事業以外の関連事業では、SA・PA等の建設・管理に128億円、国・地方等の委託事業に127億円、その他事業33億円が計上された。

受託事業は「一般国道24号京奈和自動車道大和御所道路(大和区間)と高速自動車国道近畿自動車道天理吹田線との連結事業及び一級河川佐保川改修事業の同時施行に関する協定」や「高速自動車国道近畿自動車道松原那智勝浦線(田辺~すさみ)と高速自動車国道近畿自動車道松原那智勝浦線改築工事(南紀田辺IC改築)と連結事業に伴う同時施行に関する協定」に基づく工事など。

国土幹線道路部会知事初のヒアリング2013年03月22日

社会資本整備審議会の国土幹線道路部会は22日、第6回目となる会合で大分県の広瀬勝貞知事、日本旅客船協会、日本長距離フェリー協会を招聘、財源が切れる平成25年度以降の対応が迫られる高速道路の料金割引や幹線道路ネットワークのあり方、喫緊の課題となっている道路の維持管理・更新、手続きのあり方などについてヒアリングを行った。ヒアリングは多様な業界から課題や提言を集約するために、昨年12月の第2回会合から継続的に実施されている。知事のヒアリングは今回が初めて。

 

ヒアリングでは日本長距離フェリー協会の鈴木修会長と日本旅客船協会の加藤琢二理事が「高速道路の料金政策について」と題し、高速道路料金の値下げで減便の一途を辿る業界の現状を説明。とくに本四高速関連の割引では平成20年から24年の間に22航路が16航路に減便した例や、深夜5割引による影響で、フェリーの利用が高速利用に逆モーダルシフトした状況を報告。

「割引政策により陸路を選択する荷主が増えて、物流が海上から陸路に転換された。割引により新たな物流が生まれるという発想もあったが、実際にはそうではなかった」と述べ、「これ以上は、溺れた犬の頭を棒で叩くようなものだ」と苦言を呈し、「せめて平成20年から導入されている3兆円の税金を投入した各種割引制度を見直し、以前の水準に戻してほしい」という切実な胸の内を訴えた。

環境の観点からは、船舶による貨物輸送で排出される二酸化炭素の量が、トラック輸送の約1/4であることを指摘し、「環境に優しいフェリー」をアピール。トラック運転手の高齢化、過労問題にも触れ、「ドライバーの過度な負担を防ぐためにも高速道路と長距離フェリーを組み合わせた利用で過労運転が防止され、高速道路での安全性が向上する」と主張した。

また、この日委員らの興味をひいたのが災害時の役割。「大地震が発生した際、最も早い輸送手段となるのがフェリー」という説明がなされ、欠航率や高速道路との比較について委員から質問が相次ぐと、協会側からは「フェリーと高速道路では、通行止めになる理由が異なる。有事に救難救助の選択肢を広げるためにも、フェリーサービスを維持してほしい」と陸路と海路の共存について提案した。

幹線部会から初めて知事としてのヒアリングを受けた広瀬大分県知事は、九州ブロック代表として、ミッシングリンクの早期解消、地域高規格幹線道路を含んだ多重性の確保、防災・減災の観点の重点化について提言。

九州全体を視野に入れた、食料基地としての姿や、年間平均降水量、台風上陸数ともにずば抜けた災害常襲地帯であること、南海トラフ巨大地震による多大な影響を述べつつ、幹線道路ネットワークのあり方について、①「生活の道」、②「活力の道」、③「命の道」という3つの視点が必要だと指摘した。

「活力の道」では、高速道路延伸に伴う北九州、大分県内への企業の進出状況を報告。その発展形として、東九州道沿線で日本屈指の血流・血管関連企業を集める「東九州メディカルバレー構想」が展開していることなどを紹介。九州を訪れる年間73万人の観光客の約93%にあたるアジアからの観光客を受け入れるアジアゲートウェイとしての責任についても言及した。

「命の道」では、未整備区間で発生している崩土、越波災害を報告。平成28年度に開通する予定となっている佐伯~蒲江、北浦~須美江の2区間について、整備のスピードアップを進め、平成26年度までに大分~宮崎間が繋がるよう、開通の2年前倒しを求めた。

また、今後の料金制度については「高速道路の整備や大規模更新のためにも受益者負担が妥当」とし、割引については、「土日・朝夕の通勤割引や災害、イベント時の無料化など弾力的な対応を検討してほしい」と進言した。

さらにフェリーについても「東九州にとってフェリーは重要。共存策を検討してほしい」と、両協会と歩調を合わせた。

ヒアリングの後、中神陽一高速課長がこれまで実施した料金割引について評価説明。森昌文企画課長が国土幹線道路部会の論点について、5項目とする整理案を提示。本会合では説明にとどめ、次回以降、具体の審議を行うことで閉会した。

社会資本整備審議会道路分科会第6回国土幹線道路部会の開催について/国土交通省2013年03月19日

社会資本整備審議会道路分科会第6回国土幹線道路部会の開催について(2013年3月19日) [国土交通省]

道路法改正を閣議決定道路点検、維持管理のあり方明確化2013年03月15日

政府は15日、災害時の道路啓開の迅速化を促進する体制整備などを盛り込んだ道路法等の一部を改正する法律案を閣議決定。地方自治体が保有し、維持管理が難しい橋梁やトンネルなど大規模構造物の改築・修繕について、国が代行する制度を盛り込んだ。

今回の道路法改正では、道路の老朽化や今後発生が予測される大規模災害への対応など、予防保全の観点も踏まえて道路の点検や維持管理のあり方などを明確化する。

国道(国管理)の維持管理等に関する検討会(第5回)の開催について/国土交通省2013年03月12日

国道(国管理)の維持管理等に関する検討会(第5回)の開催について[国土交通省]

「道路政策の質の向上に資する技術研究開発~研究募集の審査結果~」について/国土交通省2013年03月07日

「道路政策の質の向上に資する技術研究開発~研究募集の審査結果~」について[国土交通省]

原発事故による避難者に対する高速道路の無料措置4月以降の取扱いについて/国土交通省2013年03月05日

原発事故による避難者に対する高速道路の無料措置4月以降の取扱いについて(2013年3月5日)[国土交通省]

4月に中間とりまとめ高速道路3社資産長期保全検討委2013年03月05日

東日本、中日本、西日本の高速道路3社が設置した「高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に関する技術検討委員会」(委員長=藤野陽三東大大学院教授)の第2回委員会が5日、都内で開かれた。

委員会では、100年にわたって構造物の健全性を確保するため、高速各社が日本高速道路保有・債務返済機構と締結している平成62年までの協定に含まれていない大規模更新、大規模修繕が必要となることが確認された。

検討の視点として、供用からの経過年数、大型車両の交通量、積雪寒冷地で構造物の損傷原因にもなる凍結防止剤の使用、異常降雨による災害発生などを列挙。償還期間満了時の平成62年には、供用延長の約8割が50年以上を経過し、また経過年数が長い構造物ほど変状比率が増大傾向にある深刻な事態となっている。

こうした視点を踏まえ、一定基準を超えた場合に上部工を架け替えたり床版を取り替えたりする大規模更新、鋼繊維補強コンクリート(SFRC)による補強をはじめとする大規模修繕について、必要となる延長、概算費用を割り出す作業を、来月上~下旬の次回委員会まで示し、これを中間とりまとめとすることを了承した。

中間とりまとめ以降、4回の会合を開催する予定で、同委員会では対策の優先順位と実施時期の検討などを経て、秋にも提言をまとめたい考え。

原発事故により避難されている方に対する高速道路の無料措置4月以降の取扱いについて/NEXCO西日本2013年03月05日

原発事故により避難されている方に対する高速道路の無料措置4月以降の取扱いについて[NEXCO西日本]

平成24年度 道路関係補正予算配分/国土交通省2013年02月26日

平成24年度 道路関係補正予算配分について[国土交通省]

開通日ほぼ固まる年度内に419.0㌔開通2013年02月25日

大きかった新東名・御殿場~浜松いなさ間の開通~3月に中国地方整備局横断自動車道松江線も延伸~

平成24年度に予定されている高規格幹線道路の開通日がほぼ出揃った。本協議会の調べによると、今年度開通するのは高速自動車国道296・0㌔、一般国道自動車専用道路80・0㌔、高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路43・0㌔の合計419・0㌔と400㌔の大台を突破。140・5㌔、64・1㌔、10・7㌔の計215・3㌔だった前年を大きく上回る見通しだ。

高速自動車国道では昨年4月、これまでの供用延長では最長となった新東名高速道路・御殿場JCT~浜松いなさJCT(延長147・0㌔)の開通が大きかった。

開通延長もさることながら、開通後の利用台数の順調な状況、SA・PAの盛況ぶりが各メディアで取り上げられるなど、新東名延伸が与えたインパクトは大きかった。

中国横断自動車道尾道松江線も3月に待望の延伸を迎える。同月30日に三次JCT・IC~吉田掛合間48・0㌔が開通するが、これにより島根県と岡山県が結ばれるとともに、中国自動車道と接続。地域連携強化だけでなく、災害時の防災・減災対策としての役割も期待されている。

※平成24年度高規格幹線道路開通・完成予定区間(全高速調べ)は、全高速HPの高速道路の整備状況へ

「安全性向上有識者委員会」会合を開催/NEXCO中日本2013年02月24日

NEXCO中日本は外部有識者からなる「安全性向上有識者委員会」を設置し、24日、その初会合を開いた。

昨年12月、中央自動車道・笹子トンネル上り線で発生した天井板落下事故により、9名もの方々の尊い命が奪われた。同社では今回の事故を厳粛に受け止め、「安全性向上に向けた取り組み」をまとめるとともに、「2度とこのような事故を起こしてはならない」との強い決意の下、「安全性向上3カ年計画」を策定、1日に公表した。

この「安全性向上3カ年計画」の策定に当たり、同計画をより実効性の高いものとし、同計画の進捗や成果を検証するため、外部有識者委員会を設置した。

第1回会合では冒頭、委員長の選任が行われ、宮川豊章委員(京都大学大学院工学研究科教授)を委員長に選任。委員長代行には山田基成委員(名古屋大学大学院経済学研究科教授)が示された。

議事では、事務局より中央道・笹子トンネル天井板落下事故の概要、維持管理業務のプロセスについて説明があり、会社とグループ会社との役割分担、権限等について今後議論していくことが確認された。

また、意見交換では各委員から「安全性向上に向けた取り組みは、安全最優先の大胆な企業改革とするべき」「安全・安心の定義を明確に」「点検を実施する社員・ベテラン社員のモチベーションの向上など今後の点検のあり方を改善すべき」「安全性に特化した目標を作成するべき」等の意見が出され、次回以降、引き続き検証していくことを決めた。

安全性向上有識者委員会の委員は次の通り(敬称略)。

▽池田桂子(弁護士・弁理士)▽岡部直明(日本経済新聞客員コラムニスト・元専務執行役員主幹)▽小塚修一郎(新日鐵住金代表取締役副社長)▽指田朝久(東京海上日動リスクコンサルティング上席主席研究員)▽宮川豊章(京都大学大学院工学研究科教授)=委員長▽山田基成(名古屋大学大学院経済学研究科教授)=委員長代行

2月22日国土幹線部会東日本からヒアリング「維持更新のあり方等で提言」2013年02月22日

社会資本整備審議会道路分科会の国土幹線道路部会(部会長=寺島実郎日本総合研究所所長)は22日、第5回部会を開き、経済同友会、NEXCO東日本からのヒアリングを実施。東日本の廣瀬博社長は東・中・西日本3社を代表して、今後の維持更新、料金制度のあり方等で提言した。

廣瀬社長は「安定的な高速道路ネットワークを確保し、安全・安心・快適な道路空間を継続的に提供するのが高速道路会社の使命」とした上で、整備済高速道路の長期安定的・効率的な維持管理が継続的に必要な現状を指摘したほか、安全性、定時性、耐災性等の観点から①都市圏等における渋滞ボトルネック箇所の解消②地方部における暫定2車線区間の4車線化③国と会社の協力による計画的なネットワークの整備――が「機能強化に向け必要」とした。

維持更新のあり方では、「民営化後45年以降の長期を考えた場合、適宜補修を行った場合でも、大規模更新が必要となる」と説明。料金制度については現行の利便増進計画終了後には消費税増税も予定されている点を踏まえ、「受益者負担による償還主義を前提に、利用者に分かりやすいシンプルな制度とすべき」と提言。会社として経営努力を重ねていく考えを強調した。

社会資本整備審議会道路分科会第2回道路メンテナンス技術小委員会の開催について/国土交通省2013年02月22日

社会資本整備審議会道路分科会第2回道路メンテナンス技術小委員会の開催について(2013年2月22日)[国土交通省]

社会資本整備審議会道路分科会第4回国土幹線道路部会の開催について/国土交通省2013年02月06日

社会資本整備審議会道路分科会第4回国土幹線道路部会の開催について[国土交通省]

平成24年度社会資本整備総合交付金の追加配分及び市町村道への除雪費支援の検討に必要な調査の開始について/国土交通省2013年02月05日

平成24年度社会資本整備総合交付金の追加配分及び市町村道への除雪費支援の検討に必要な調査の開始について[国土交通省]

社会資本整備審議会道路分科会 第42回基本政策部会の開催について/国土交通省2013年02月04日

社会資本整備審議会道路分科会 第42回基本政策部会の開催について[国土交通省]

中央自動車道笹子トンネル(上り線)の開通見通しについて/国土交通省2013年02月01日

中央自動車道笹子トンネル(上り線)の開通見通しについて[国土交通省]

25年度予算案閣議決定道路関係1兆3327億円計上2013年01月29日

政府は1月29日夕、臨時閣議を開き、平成25年度予算案を決定。国土交通省予算は、前年度比11・6%増の5兆743億円で、うち公共事業関係費は14・1%増の4兆4891億円となった。地域自主戦略交付金を廃止し、浮いた財源のうち5156億円が国交省予算に移し替えられたことが主な要因で、総額、公共事業費とも4年ぶりに前年度を上回った。

平成25年度国交省予算案のうち、道路局予算案は前年度比0・6%増の1兆3327億円。中央自動車道・笹子トンネルで発生した天井板崩落事故をきっかけに、道路構造物等の老朽化対策の必要性が社会的に再認識されていることを踏まえ、直轄国道の維持管理費を16・5%増の2515億円に増額した。

道路整備等に充てる改築その他には同1・3%減の8437億円を計上。災害への対応力の強化として、代替性の確保のための高規格幹線道路等の整備に1598億円が計上された。

また、成長力強化の政府方針に対応して、圏央道など大都市圏環状道路等の整備に3539億円を計上。これら事業によって、地方、都市部のミッシングリンク整備を推進させる。

本四、首都、阪神、地方公社への出資金に充てる有料道路事業等には同22・8%減の683億円が計上された。

国交省予算の増額要因となったのが地域自主戦略交付金(24年度6754億円)の廃止。同交付金は国交省、農水省、消防庁などの補助メニューの中から自治体が実施する事業を選んで使える交付金として民主党政権が創設したが、安倍政権で廃止が決まった。これに伴い、国交省が地域自主戦略交付金の財源として拠出していた9割近くが同省所管の社会資本整備総合交付金に移るため、同交付金は35・4%増の1兆9491億円となった。

このうち、1兆460億円を新たに設けた防災・安全交付金に計上。地方における総合的な老朽化対策、事前防災・減災対策を支援する。残る9031億円については、社会資本整備総合交付金として、スマートICから直轄国道や工業団地を連絡するアクセス道路等の整備などの支援を実施する。

臨時閣議後、ぶら下がり会見に応じた太田昭宏国交相は「今回、防災・減災、老朽化対策を柱に予算案を決めた。防災・安全交付金という地方にとって使い勝手の良い仕組みもつくったことが特徴」と説明。「命を守る公共事業として、下から積み上げた事業を実施したい」と語った。

平成25年度道路関係予算PDF

施策別予算の内訳PDF

平成25年度 道路局関係予算決定概要/国土交通省2013年01月29日

平成25年度 道路局関係予算決定概要(2013年1月29日)[国土交通省]

国土幹線部会審議加速化トラ協、バス協等からヒアリング2013年01月28日

社会資本整備審議会道路分科会の国土幹線道路部会(部会長=寺島実郎日本総合研究所所長)の議論が精力的に行われている。現行の利便増進事業後の料金割引のあり方や老朽化が懸念される道路の維持更新財源のあり方、更には今後の整備手法等について、関係団体等のヒアリングを交えながら、寺島部会長、家田仁部会長代理(東大大学院教授)を中心に各課題の方向付けに着手。8日には、実施していた地方自治体アンケートの速報値が公表され、料金割引や維持更新の財源について受益者負担を基本としつつ、償還計画の見直し等を提言する声も寄せられた。

 

全日本トラック協会、日本バス協会、首都高速道路は1月28日、社会資本整備審議会道路分科会の国土幹線道路部会で、今後の高速道路料金制度のあり方などについて意見を述べた。会の冒頭、赤澤亮正政務官は「社会資本整備は、基本的インフラの第1フェーズから、生活関連の第2フェーズを経て、安心・安全、防災・減災、国土強靭化という第3フェーズの時代に入った。厳しい状況だが、老朽化対策、ネットワーク、料金問題を含め専門的知見で話し合い、大きな示唆を頂きたい」と挨拶した。

ヒアリングを求められたのは全日本トラック協会、日本バス協会、首都高速道路。両協会は高速道路あり方検討委員会のヒアリングにも参加しており、ミッシングリンクの解消にも共感の立場。今回は、利便増進事業による高速道路料金割引の期限が今年度末と迫り、笹子トンネル崩落事故などで老朽化対策が喫緊の課題となっている状況下、それぞれの業界の現状と課題を再度洗い直し、料金制度についてより具体な要望に結びつけた。

トラ協は、現在の高速道路について、「現行の料金水準では利用したくてもできない」苦しい胸の内を吐露。しかし、「社会的効果が大きい高速道路ネットワークを最大限活用したい。無料化を望んでいるわけではなく、使いやすい料金を望んでいる」とし、料金割引の継続を前提に、「現行の実質割引率50%を拡充し、70%の割引」とすることを要望。この割引率の拡充による年間経済効果は8900億円になるとの予測を報告した。

本四高速の料金体系については、地域間格差を是正するためにNEXCOと一体的な料金体系とするよう求めた。また、業界全体で1兆円近くを払っているという自動車重量税については、「社会福祉に回されれば、料金が跳ね上がってさらに利用できなくなる」とし、維持管理や料金割引の財源とすることに期待を寄せた。

一方のバス協会は、料金割引についてはトラ協とは反対の立場。これまでの無料化社会実験や料金割引などで「道路渋滞による運行遅延、遅延による燃料費、人件費など運行コストの増大、旅客減少という甚大な影響があった」とし、「高速道路のメリットを享受するためには適切な費用負担が必要」との見解を示した。ただし、大口多頻度割引については、制度の維持・拡大を求めた。

また、高速道路料金の通算制についてはトラ協と同様の意見。通算制の確保に向けて、高速乗合バスや空港リムジンバスのために「高速道路本線にバス停を整備すること」を要請。スマートICについても大型車両が通過できる仕様の徹底を求めた。

◆整備手続きについての主な意見

8日の第4回国土幹線道路部会で公表された地方アンケート速報のうち、「整備の手続きの現状と今後のあり方について」の主な意見は次の通り。

岩手県

道路種別によって計画から整備に至るプロセスが異なることは国民の理解を得にくいので、統一的で分かりやすい手続き・プロセスとすることが重要である。東日本大震災においては、高速道路とこれにつながる道路が一体となって救急活動等に大きく貢献した。防災面の広域的なネットワーク効果も含めた評価手法の充実を図るべき。

茨城県

今後の整備にあたっては、収用手続の簡略化など、事業がより迅速に実施できるようにすべきである。また、万遍なく事業を進めるより、重点的に財源を投入して早期の完成を図るべきである。

栃木県

高速道路及びこれに準ずる道路については、制度や位置づけ、更には整備に向けたプロセスが、より国民にわかりやすい形となるよう、継続的な取組が必要である。

群馬県

総延長約1万4000㌔の高規格幹線道路の整備プロセスについては、整備手法に関わらず、審議機関と手続きを統一化し、国民にわかりやすい形で伝達することが望ましいと考える。

新潟県

交通ネットワークをより効率的、有効的に持続させるためには、建設時にとどまらず継続的に国、高速道路会社、地方自治体及び関係団体等が協議し、地方の声を反映させる制度を構築する必要があると考えます。

石川県

事業評価においては、B/Cだけにとらわれず、地域経済への波及や救急医療、安全安心の確保など、地方の実情にあった評価項目も加味することも重要と考える。

三重県

整備の手続きとして、今後、例えば、ミッシングリンクとなっているなど明らかに整備が必要と考えられる区間において、必要な手続きが完了したものについては、優先的かつ早急に事業化されるといった仕組みづくりを検討していただきたい。

広島県

高規格幹線道路は、高速自動車国道(A路線)、一般国道自動車専用道路(B路線)の2種類から構成され、さらに高速自動車国道に並行する一般国道(A´路線)を含めれば、それぞれ整備プロセスが異なり、国民にとって分かりにくいものとなっているため、それらを整理(再編)すべきである。また、整備計画や整備手法などの決定・変更にあたっては、そのプロセスの透明化を図るため、地方意見及び第三者意見の聴取を経た上で、国民に分かりやすい形で伝達することが重要である。

山口県

主要な幹線道路の整備プロセスの充実が図られつつある一方、高速道路の建設を開始すべき路線等を決定する国幹会議が平成21年4月以降開かれていないなど、整備プロセスが一部不透明な状況に置かれている。各道路種別の整備プロセスの整理、及びその位置付けの明確を早急に実施した上で、整備に向けた手続きがスピード感を持って進められるよう望む。

長崎県

現状の整備手続きは、計画案策定から事業着手に至る期間が数年に亘ることが多く、道路整備のスピードが非常に遅いと感じています。このため、第三者機関や地元自治体の意見を聞くなどの意思決定のプロセスの透明化は確保しつつ、事業実施に係る意思決定までの期間を可能な限り短縮することが重要であると考えます。

鹿児島県

事業化に至るまで、及び事業化されてから完成するまでに長期間を要している現状にあり、整備スピードが遅い。手続きを簡素化するなどの見直しを検討すべき。

※その他の意見についてPDF

予算審議へ要望ラッシュ求められる防災・減災データ2013年01月25日

平成24年度補正、25年度当初予算の国会審議を前に、高規格幹線道路の新規事業化や着実な開通、スマートICの整備を求める自治体の要望が相次いでいる。民主党政権時代、党幹事長室に一元化されていた要望は、自民党政権に代わって、各省庁に直接申し込むスタイルに戻った。「時期的なものにも寄るでしょうけれど、要望団の数は以前とは極端に違います」と驚くのは国交省の守衛の一人。道路局の担当者も、「以前はいらっしゃらなかった方々が要望に訪れるようになった。声を届けて頂けるのは本当にありがたい」と話す。「15カ月予算編成が決まり、私たちは期待しています」と口々に笑みを見せる要望団。国土強靭化、防災・減災ニューディールを旗印に、安全・安心な国づくりへと舵を切った政府へ、自治体の期待は高まる一方だ。

全高速の調べによると、今年に入ってからの高規格幹線道路関連の要望は8日の沼津市を皮切りに24日現在で12団体に上る。そのうちの11団体がアセス手続きや計画段階評価の手続きなどで未着工となっている区間の新規事業化を盛り込んでいる。

11日に「山陰道の建設促進」を求めて上京した山本繁太郎山口県知事に、太田昭宏国交相は、「山陰道は計画自体十分ではないよね」と理解を示しながらも、「“バラマキ”と批判されることのないよう心して進めなければ」と噛んで含めるように漏らした。

山本知事は要望書を指示しながら、「南海トラフ巨大地震が来れば防潮堤を2~3㍍は超えると予想されている。直撃を受ける太平洋地域に役の代替としてのを果たすためにも、山陰道は必要なんです」と、大臣の杞憂を払拭するように説明した。

政権交代以降、3回の要望を重ねている鈴木英敬三重県知事にも、太田国交相は「採択する事業が防災・減災に該当しているのか目を光らせるよう言われている」と釘を刺した。連日やってくる要望団に必ず伝えられるこの台詞は、地元の要望が、補正・当初予算で重点を置かれている復興・防災・減災・老朽化に合致しているのか、きちんとしたデータの用意を要望団から引き出すためのものだ。

紀伊半島大水害を経験し、東海・東南海・南海地震などの巨大地震による影響についても、県独自の想定を行っている鈴木知事は、データを示した要望書を提示しながら「ぜひとも新規事業化を」と繰り返した。

太田国交相同様、数えきれない要望団の話に耳を傾けてきた梶山弘志副大臣は24日に面談した九州中央自動車道建設促進期成会の要望団に、「予算額を元に戻してほしい、供用時期を守ってほしいという要望が圧倒的だ」とし、新規事業化については、「新たにフル整備するのが理想ではあるが、迅速かつ低コストで整備するために、現道を活用するのか主体をどうするのかなど、防災・減災を視野に多重な観点から検討したい」と話した。

防災・減災の説明が強く求められる中、17日に麻生財務相らに要望した伊豆縦貫道建設促進期成同盟会の要望団は、「要望箇所は液状化が懸念されています。防災・減災の観点に十分合致します」と説明した上で、「復興、防災、減災優先なのは理解していますが、我らの地域には災害で壊れる道路自体がまだ整備されていないのです」と悲痛な声を上げた。

28日の通常国会開幕と同時にいよいよ熱戦の火ぶたが切られる予算審議。「予算決定前に!」を合言葉に、全国から要望の声は続く。全高速でも未事業化区間の解消とスマート・追加ICの整備促進を求めて2月7日、国と政府に詳細なデータを揃えて要望を展開する予定だ。

自動車重量税道路管理等に税制改正2013年01月24日

政府与党は24日、平成25年度税制大綱を決定した。このうち、焦点の一つに上げられていた自動車取得税、自動車重量税の見直しでは、27年10月に取得税を廃止。重量税は減税した上で、使途を道路の維持管理等に充てる方向に検討する。

道路の維持管理では、中央自動車道・笹子トンきっかけに、高度成長期に建設されたトンネルや橋梁などの老朽化対策が喫緊の課題となっている。このため、大網では重量税の課税根拠を明確にする目的で、道路の維持管理等への財源として位置づけている。

また重量税については、消費税を8%にする26年10月の段階で、燃費性能に応じた軽減措置を設けることにしており、26年度税制改正で具体策を検討する。

社会資本整備審議会道路分科会第1回道路メンテナンス技術小委員会の開催/国土交通省2013年01月23日

社会資本整備審議会道路分科会第1回道路メンテナンス技術小委員会の開催について[国土交通省]

冬期道路交通の確保のあり方に関する検討委員会(第5回)の開催/国土交通省2013年01月22日

冬期道路交通の確保のあり方に関する検討委員会(第5回)の開催について[国土交通省]

概算要求3分野重点化入れ替え政府予算案29日閣議決定へ2013年01月20日

国土交通省は、昨年9月に提出した平成25年度概算要求の内容について入れ替えを行い、11日に財務省に提出した。

要求額総額は9月時点と同額の4兆7410億円(うち公共事業関係費4兆1343億円)。前政権の方針に基づき、グリーン、ライフ、農林について特別重点要求・重点要求されたものについては、安倍政権が打ち出した緊急経済対策のもと、復興・防災対策、成長による富の創出、暮らしの安心・地域活性化の3分野に重点化した要求に入れ替えが行われた=15面掲載の表を参照=。

特別重点要求・重点要求額には6153億円を計上。内訳は復興・防災4849億円、成長1018億円、暮らし286億円となっている。

国交省関係補正予算復興・防災を柱に国費1兆8801億円2013年01月20日

政府は15日の臨時閣議で、緊急経済対策に伴う国の財政支出10兆2815億円などを盛り込んだ平成24年度補正予算案を決定した。基礎年金の国庫負担分2兆5842億円等を合わせた財政支出は13兆1054億円。このうち、国交省分の公共関係事業費には1兆8144億円を計上。ミッシングリンク整備に623億円、首都圏環状道路等の整備に637億円、渋滞対策に1181億円等が計上された。補正予算案は28日召集の通常国会に提出され、2月15日の成立を目指す。

平成24年度の国交省関係補正予算案では、国費ベースで1兆8801億円を計上。このうち公共事業関係費は1兆8144億円となっている。緊急経済対策の重点3分野のうち、復興・防災対策が全体の6割強を占め、国土強靭化の推進を目指す姿勢が示された。自治体の防災・減災対策に対しては、地方にとって使い勝手の良い「防災・安全交付金」(仮称)を創設。5497億円を確保し、事前防災や老朽化した社会資本等の総点検などを支援したい考え。

復旧・防災対策では、全国ミッシングリンクの整備として国費623億円が盛り込まれた。国交省では「整備効果が早期に発現される区間や、現道に災害面の課題があり既供用区間と一体となって早期に機能を発揮する区間について、高規格幹線道路等の緊急的な整備を推進する」としている。

一方、重点分野の一つ、「成長による富の創出」では渋滞対策に1181億円、物流ネットワークの整備に637億円を計上。渋滞ボトルネック箇所等の検討・対策を実施するとともに、大都市圏環状道路等のネットワーク整備や通行支障区間の解消等を図る。

公共事業の実施にあたっては建設国債を発行して対応。日本高速道路債務・返済機構への出資金も8000億円計上された。

平成24年度国土交通省関係補正予算事業費・国費総括表PDF

平成25年度予算概算要求入れ替えのポイントPDF

首都高速道路構造物の大規模更新のあり方に関する調査研究委員会の提言について/首都高速道路2013年01月15日

首都高速道路構造物の大規模更新のあり方に関する調査研究委員会の提言について[首都高速道路]

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