政府は19日、今後の国土強靱化施策に関する方針を決定した。
決定したのは21年度の国土強靱化年次計画の策定方針や、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」(21~25年度)の進捗状況に対するフォローアップ方針など。21年度末までに全市区町村で強靱化地域計画の策定が完了するよう、財政面で重点的な支援策も継続していく。
政府は同日付で「国土強靱化の推進に関する関係府省庁連絡会議」を書面で開催。関係施策の方針案を正式決定した。21年度年次計画の策定方針には、20年7月豪雨で新たに判明した教訓や、5か年加速化対策の進行具合などを踏まえ、必要に応じて新しい施策を追加。規制の見直しや税制活用による民間投資を誘発する仕組みの具体化も明記した。
5か年加速化対策の21年度分も事業費ベースで進捗をまとめ、公表する。21年度策定方針は、5月上旬~6月上旬頃の策定を目指す。
■年次計画2021の策定方針
1.年次計画の策定の趣旨
年次計画2021 においては、基本計画に定められた各プログラムの推進方針とその進捗を把握する定量的な指標により構成される推進計画、及び各プログラムの推進のために当該年度に取り組むべき具体的な個別施策等を示す。その際、PDCAサイクルを回すための進捗管理ツール及び国土強靱化の取組を広く分かり易く伝える広報・普及啓発ツールとしての機能の強化・充実を図る。
2.プログラムの推進計画及びプログラム推進のための施策の充実・改善
基本計画見直しの趣旨、「国土強靱化年次計画2020」(20年6月18 日国土強靱化推進本部決定)以降の20年度補正予算を含む施策の進捗、昨年発生した7月豪雨等において新たに判明した教訓、技術の進展、戦略的政策課題の検討等を踏まえ、必要に応じて新しい施策の追加を行う。その際、国土強靱化地域計画の策定及び実施への支援のほか、規制の見直しや税制の活用などの国土強靱化に資する民間投資を一層誘発する仕組みの具体化等、特に地方公共団体及び民間の取組の促進の観点から、施策の充実・改善を図る。また、15 の重点化プログラムについて工程表を作成する。
3.指標による進捗管理
基本計画の下、「起きてはならない最悪の事態」を回避するという観点から、重要業績指標による施策及び各プログラムの進捗管理を行うとともに、その充実を図る。また、8つの「事前に備えるべき目標」ごとに導入したベンチマーク指標により、国土強靱化全般としての状況の把握を図る。加えて、基本計画を反映した国の他の計画等の見直しの状況についても記載する。
4.防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策の実施結果の取りまとめ
今年度が最終年度となる「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」(18 年12 月14 日閣議決定)については、年次計画2021においても「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策の進捗状況のフォローアップ方針」(19 年1月29 日「国土強靱化の推進に関する関係府省庁連絡会議」決定)に沿って進捗状況を把握することとし、事業費(民間負担を含む)及び箇所数について、対策の最終的な実施結果を取りまとめる。その際、災害に対し効果を発揮した事例などの成果事例や課題についてもわかりやすく取りまとめる。
5.防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の進捗管理
「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」(20年12 月11 日閣議決定)については、本策定方針と同時に決定する予定の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の進捗状況のフォローアップ方針」に沿って、年次計画2021では対策の初年度である21年度分の事業費ベースの進捗状況を取りまとめ、公表する。