政府は10日、23年度補正予算案を閣議決定した。2日に決定した総合経済対策の関係経費として総額13兆1272億円を計上。開会中の臨時国会に提出され、29日にも成立する。
国土交通省関連の23年度補正予算案は総額2兆555億円。このうち、国土強靱化の関連予算は1兆749億円を占めた。「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の24年度分の事業費に加え、資材価格の高騰を踏まえた緊急対応分2476億円も含まれた。
政府が7月に決定した「国土形成計画」に盛り込まれた災害に強い国土幹線道路ネットワークの強化に向け、2075億5000万円を計上。高規格道路のミッシングリンク解消、高規格道路と代替機能を発揮する直轄国道とのダブルネットワークの強化等に取り組む。
道路インフラの防災・減災対策には451億3000万円を充てる。橋梁や道路の流失、土砂災害等による道路の通行止めのリスク解消や、津波や洪水からの避難場所等の確保のため、河川に隣接する道路構造物の流出対策や法面・盛土対策、高架区間を活用した避難施設の整備を実施していく方針だ。
このほか道路関係では、生産性向上に資する道路ネットワークの整備に724億7100万円を計上。迅速かつ円滑な物流・人流の確保による地方の活性化のため、空港・港湾など広域交通拠点とのアクセス道路等の整備を推進する。
人手不足や2024年問題で苦慮する物流業界を支援する施策として、高速道路料金の大口・多頻度割引の拡充措置の延長に77億5900万円が計上された。平常時、災害時問わず物流機能を担う自動車運送事業者の労働生産性の向上を図るため、大口・多頻度割引の最大割引率を40%から50%に拡充する措置を25年3月末まで延長する。
国交省では今後、補正予算を踏まえ各インフラの整備や老朽化対策、災害復旧など切れ目なく進めていく考え。