16日に行われた社会資本整備審議会道路分科会の事業評価部会では、18年度予算に向けた道路事業の新規事業採択時評価について審議されたほか、国の財政投融資1・5兆円を活用しての有料道路事業を導入する案件についても審議。直轄道路事業として11件が採択されたが、このうち高規格幹線道路は別表の通り、京奈和自動車道の大和北道路など5件となった。また、有料道路事業の導入では、圏央道、東海環状道の有料道路事業費が大幅に拡大されたほか、有料道路を活用した事業として圏央道・久喜白岡~大栄間、西九州道・佐々~佐世保大塔間、隼人道路・隼人東~加治木間の3区間の4車線化も「妥当」とされた。
高規格幹線道路など新規事業については、未事業化区間のうち、主要都市間の速達性や大規模災害に対する脆弱性など道路ネットワークとしての課題解消に繋がるとともに、並行する現道の課題も考慮して候補箇所を検討。都道府県知事等への意見照会、地方小委員会での検討を経て選定された。
新規事業のうち、最大規模は京奈和自動車道の大和北道路・奈良北~奈良間で全体事業費は2050億円。計画延長6・1㌔のうち、大部分の4・5㌔がトンネル、奈良北IC寄りの0・7㌔が橋梁となる。
◇4車線化事業、3区間で
有料道路事業の導入では、圏央道・大栄JCT~松尾横芝間で約140億円から約540億円、東海環状道・高富~大野・神戸間、北勢~大安間で約570億円から約1720億円と有料道路事業費を拡大。24年度供用を目指す。
また、大和北道路・奈良北~郡山下ツ道JCT間、神戸西バイパス・永井谷JCT~石ヶ谷JCT間に有料道路事業を新規に導入することとなった。事業主体はNEXCO西日本。
両区間とも、料金水準は大都市近郊区間の水準とする対距離制となるが、シールドトンネル部の大和北道路・奈良北~奈良間ではプラス100円の追加的な料金設定を行い、神戸西バイパスの同区間では激変緩和措置として当面、現行の高速自動車国道の普通区間を目安に設定される。
有料道路事業を活用した4車線化事業は別表の通り。財投の投入で整備のスピードアップを図り、圏央道・久喜白岡~大栄JCT間は22年度から順次供用を予定し、24年度の全線供用を予定。西九州道の佐々佐世保道路、佐世保道路では27年度、隼人道路では24年度の全線供用を目指す。