NEXCO東日本、中日本、西日本の3社は6日、暫定2車線区間にある延長50㍍以上の長大橋梁やトンネルで区間柵の試行設置を開始すると発表した。「センターパイプ」と「センターブロック」の2タイプを今回、6カ所に設置する。正面衝突事故の防止対策としての有効性や運用性を検証。効果を確認した上で本格的に設置していく方針だ。
橋梁とトンネルの区間は、土工部分や延長50㍍未満の橋梁と比べ道路幅員が小さい。50㍍超の橋梁は路面下に床版があり、トンネルには中央部路面下に中央排水溝などの既存設備がある。このため支柱を打ち込めないなど固定方法の課題があり、土工部分等に設置しているワイヤロープの適用は難しいとされてきた。
ワイヤロープに代わる新たな区間柵を設置するため新技術を公募し、5技術を選定。このうち、建築限界内に設置可能な区間柵としての基本的な性能を満たし、車両の逸脱性能や誘導性能を確認したセンターパイプとセンターブロックの2技術が選定された。
センターパイプは連続性を担保した2本のビーム(丸形鋼管)で構成する鋼製補強体を連結させ、アンカーボルトで固定するタイプ。センターブロックは鉄筋コンクリート製の壁部材を、継ぎ手で連結して一体化。鋼板を介して摩擦力により抵抗し、舗装面に設置する構造となっている。
有料の暫定2車線区間は本年3月末時点で約2478㌔、このうち対面通行区間は約1400㌔。長大橋梁部が約250㌔、トンネル部が約270㌔あるが、今回の6カ所の試行設置区間では最低1年検証する予定。